プロが語ったオンラインセールスを磨く9つの方法をまとめてみた
こんにちは。塩顔の塩田です。
今回はALL STAR SAAS FUNDの前田ヒロさんが主催されている「【#SaaSTokyo ウェビナー】SaaS企業が伸び続けるためのオンラインセールスを攻略するには」に参加してきました。
実践的なお話が豊富で勉強になることばかりでしたので、セミナーの内容と学びを共有したく、noteにまとめました。5分程で読めると思います!
参加出来なかった方はサマリーとして、参加された方は備忘録として、
お休み明けの仕事に役立てば嬉しいです!
前田ヒロさんのご紹介
いつも有益な情報を発信いただき有難うございます!
シードからグロースまでSaaSベンチャーに特化して投資と支援をする「ALL STAR SAAS FUND」マネージングパートナー。2016年には『Forbes Asia』が選ぶ「30 Under 30」のベンチャーキャピタル部門に選出。
今回のテーマは多くの方に注目されているオンラインセールスです!!
界隈で有名なSmartHRの正木聡帆さんが余す事なく、ご自身の経験をお話してくださりました!
こちらは正木さんのご紹介
noteも併せて、是非ご覧ください!
2018年6月にオンラインセールス立ち上げをミッションにSmartHRへご入社され、SmartHRの急成長を支えている方です。
オンラインセールスが世間的に広く認知される前の2016年から、オンラインセールスに可能性を感じられ、取り組んでいらっしゃるそうですね。
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. 少し異なるオンラインセールスのアイスブレイク
訪問商談のように名刺交換がなく、接続した後すぐに商談が始まるオンラインセールスでは、最初にアイスブレイクは結構難しいと感じているそうで、すぐに本題に入るようにしていらっしゃるとのことです。
商談が進み、顧客側が前のめりになってくる中で、徐々にアイスブレイクしを行なっているとお話されていました。
また、アイスブレイク繋がる工夫として、商談では感情を伝えるようにされているそうです。具体的には、一つの事象に対して「私は●●だと感じます」と伝えることで、正木さんご自身の人となりをお客さんの頭に中に残せるように意識しているお話くださりました。
こちらを踏まえて、アイスブレイクの違いは下記のようにイメージかな?と思いました。
・フィールドセールス:氷を砕く
・オンラインセールス:氷を溶かす
正木さんのアイスブレイクは、オンラインの見えない壁を解きほぐし、お客さんとの関係を構築するオンラインセールスには欠かせないスキルだと感じました。
また、正木さんは商談の前日にご自身の紹介をまとめたURLを送付さているそうで、五感で感じ取れない人となりを知ってもらえるように工夫されているとお話されていました。私も週明けから取り組んでみようと思います!
2. オンラインセールス特有の難しさってどんな所?
①商談出席の把握
顧客の出席者が複数いる場合が難しいとお話されました。
すでにオンラインセールスを行なっている方は、共感される点ではないでしょうか?具体的には下記点を上げられました。
・お客さんの顔が分からない
・誰が話しているのか分からない
・誰がどのような表情しているのか読めない
また、こちらの対策として3つご紹介いただきました。
① 事前準備の段階でインサイドセールスに「名前・役職・仕事内容」を確認してもらう。
② 商談時に「名前・役職・仕事内容」を画面で共有できるようメモに落とし、商談の最初の時点で参加者を確認する。
③ 質問をいただく時はいま誰が話しているのかを確認し、参加者がどのような熱量を持っているかを把握する。
②エネミーの把握
上記の取り組みを通じて、エネミーの見立ているそうです。
しかし、下記のことからエネミーが見えづらいことも、オンラインセールスの難しい部分とお話されました。
・顧客側のカメラが起動していない。
・起動していても画面越しでは顧客の状況がよく見えない
・エコノミックバイヤーは商談に来ても話さない
こちらの対策としては、顧客のチャンピョンを見つけ仲良くなることで、乗り越えていらっしゃるとお話されていました。
担当者が5〜6名など複数名参加される場合は、お打合せの最後に「今後は××の件は●●さん、▲▲の件は■■さんへ連絡します」とお互いに共通認識を持ち、情報の交通整理を行なっているそうです。
導入したSaaSを推進するには関係者の協力が欠かせないので、顧客側の組織バランスを配慮された連絡の工夫はとても重要だと思いました。
また、BtoBセールスを学ぶ上で、私自身とても参考になったnoteを貼りました。こちらも是非ご覧下さい!
③金額交渉
相手の顔が見えない状況での金額交渉が難しいとお話されてました。
金額交渉は対面でも難しいので、オンラインセールスでは一層難しいと感じました。(私はオンラインで金額交渉の経験はありません。。)
こちらを克服する2つポイントを正木さんが紹介してくださりました。
・交渉に入る前に顧客の立体的な情報を把握すること
・SmartHRが顧客の課題をどのように解決できるのか理解すること
「オンラインセールス下で如何に金額交渉をするのか?」ではなく、「金額交渉を行わずに意思決定いただくにはどうするのか?」に問いを立てられている点が、本質的だと思いました。
このように物事を考え、行動する組織文化がSmartHRの急成長を支えており、他社が簡単には模倣できないSmartHR特有の強みだと感じました。
ちなみにSmartHRの宮田社長のツイッターをこちらです↓
会社の様子を覗くには、社長のツイッターを見るのも良いですね。
SmartHRにご興味お持ちの方は是非ご覧ください!
ちなみに私が所属する会社の社長のツイッターも貼っておきます。
リフカムに興味ある方は、気兼ねくご連絡ください!
3. 営業資料の工夫
SmartHRの資料は綺麗だな〜とほれぼれしますが、「大切だよね」と言われている下記点に沿って作成されているとお話されていました。
・ワンスライド、ワンメッセージ
・視覚情報をシンプルにする(情報をつめすぎない)
営業資料はあるものの最適化されておらず、以前は口頭で伝えることで説明を補うことが多かったそうですが、「コドモンの足立さん」からのご提案で資料を大幅に刷新し、大きな改善に繋がっているとお話されました。
具体的には、下記の流れで構成されているそうです。
①課題と解決策をセットで紹介
・課題:書類が届いたけど1枚足りない
→ 解決:紙が無くなるので1枚足りないことは起きません
・課題:期日までに提出されない
→ 解決:ボタン一つで催促できます
・課題:内容に不備を見つけたが、回収までに1週間かかる
→ 解決:1週間も待たず、その日中に回収できます
②SmartHRの機能を紹介
このように課題と解決が整理されていると聞いているお客さん側は理解しやすいですし、資料を作成する過程でプロダクトへの理解も深まるので一石二鳥の取り組みですね。私も取り組んでみようと思います。
ちなみに、コドモン足立さんのツイッターとnoteはこちらです↓
4. プレゼンの時に意識していること
「初回商談を長くやりすぎないこと」とのことです。
2次元のコミュニケーションでは場が持たないこともあり、40分程度で商談を終わらせ、残りの時間は追客に向けて雑談をされるとのことでした。
オンラインでの打合せは対面より疲れるので、40分程度が丁度良いですよね。オンラインでの打合せが多い日は、本当くたくたになりますよね。
リモートワーク下はパソコンと向き合う時間が長くなりがちで目が疲れるので、こちらをよく使っています。ほんと気持ち良いので是非お試しください!
5. 事前準備
準備にかける時間は30分程度。ポイントは「自分が入社する気持ちで準備すること」とお話されてました。
プレスリリースや事業内容を調べて関心を持ち、好きなところを探す、褒めポイントを見つけることが正木さん流の事前準備なのですね。
前田ヒロさんから質問された際に、隠す素振りをされたので余計気になってしまいました。
6. フォローアップの重要性
オンラインセールスは、訪問と比べるとインパクトが少なく、
その比較は「訪問:オンラインセールス=5:2」と感じているそうです。
その為、オンラインセールスは2→4→6と商談を重ねる度に信頼を積み上げることが重要で、気持ちの良いコミュニケーションをとるために何を行うべきか考えなければいけないとお話されていました。
7. 上達する為に行なっていること
正木さんはお客さんの本音を確認する為に、自身の過去商談を頻繁に振り返りされているそうです。また、オンラインセールスであれば商談を録画できるのも良い点とお話されていました。
自分の商談を見るのって少し恥ずかしいですよね。また、普段聞きなれない自分の声を聞くのも気持ち悪いですよね。私も録音して聞き返すことはあるのですが、普通に過ごしていては気付けない癖を知ることもでき、学びが多いです。
ちなみにSmartHRでは、いつでも全員の過去商談を見れるようになっており、良い商談は正木さんが気付かない内に社内で展開されているそうです。まさに、Valueの自律駆動が体現されていることがお話から伺えました。
8. オンラインセールスはプロダクトを磨くのが任務
オンラインセールスの役割として、プロダクトが売れない場合はその理由を明らかにし、それを解決する為に何をすべきなのか行うことが重要であるとお話されていました。
例としてで売れない理由が「WP・営業資料・サービス紹介動画など」のコンテンツにあるので、競合と比較して弱い点を見極め、他チームと連携して解決していく必要があるとお話されたうえで、参考にされている方としてスマートドライブの弘中さんを紹介されました。
下記に弘中さんのツイッターとnoteを貼っております。
特にこちらの「オンラインセールスは生産性と同時にプロダクトを磨くのが任務」は正木さんお薦めだけあって、学びことが多かったです!
是非、ご覧ください!
9. オンラインセールスの未来
営業組織はフィールドセールスとオンラインセールスで分けるのではなく、訪問は事業成長の一つの手段として位置付けた上で、オンラインで完結できる体制を作るのが良いと、正木さんはお話されました。
顧客の成功を考えると、導入後にお客さんが自らプロダクトを活用し自走している状態が望ましいかと思います。
実際のところ、CSが毎回訪問してサポートすることは難しい為、営業段階から一貫してオンラインで行い、自社のスタンスを示すことで導入前後のギャップを埋めることが大切だとお聞かせくださりました。
この考えには強く共感し、参加者は皆パソコンの前で激しく頷いていたのではないでしょうか。私はとても共感しました!
最後に
今回はこのような機会を企画いただき有難うございました!
オンライン上でサービス提供が完結するモデル作りに各社が取り組む中で、今後より一層注目されるのがオンラインセールスではないでしょうか。
そのような中、培った知見を社外へ共有し、オンラインセールスの普及を後押しする取り組みはとても価値があると感じました。改めて感謝申し上げます!私も皆に役立つ知見を共有できるよう精進します!!
※前田ヒロさんが使用されているマイクはこちら↓