涙もろいのにドライアイだと困ること
初めて感動して泣いたのは小学生の時だった。友達から借りた漫画を読んでいたら涙がぽろりと出てきた。それまでは親に叱られたとか、痛みに耐えきれなかったとか、追い込まれた状況でしか泣いたことがなかったため、自分が感動して泣いたことにとてもびっくりした。そのせいで感動がふっとんだのを覚えている。
それからそう時間が経たないうちに、今度は映画を見て泣いた。『オールウェイズ』という作品で、あらすじは一言でいえば『ゴースト/ニューヨークの幻』によく似ている(が、当時の私は『ゴースト』を知らなかった)。家で父が見ていた横で何気なく一緒に見ていたところ、終盤の展開にぐっときて涙がぽろりと出てきた。今度は驚きはしなかったが、この前感動して泣いたのは偶々じゃなかったんだ…と思った。
ちなみに、父も同じようなタイミングで泣いていた。母が感動して泣くところは見たことがないが、父はテレビのちょっとしたシーンでもよくウルっとしていた。それが家族にバレたら恥ずかしいのか、涙が出そうになるとタバコを吸いに行ったり、トイレに行ったりしてごまかしていた。(まぁ、結局バレバレだったけど!笑)
その後は漫画やドラマ、映画で感動してちょこちょこ泣くようになり、今ではちょっとしたショート動画でも、初めて聴いた曲でも、琴線に触れるとすぐ涙が出るようになった。悲しいとか、悔しいとか、負の感情でも泣くことはあるけれど、圧倒的に感動して泣くことが多い。
よく聞く「年齢を重ねると涙もろくなる」というのは、脳の感情を抑制する部分が衰える(だから”泣くと恥ずかしい”という気持ちも薄れる)のが原因らしい。言われてみれば、以前は父のように”泣くのを見られて恥ずかしい”という気持ちもあったが、別に見られても減るもんじゃないし…と最近ではまったく気にしていない。泣く回数が増えたことで、泣くととにかく心がスッキリすることにも気付いたし、感動とかポジティブな理由で泣くなら別にいいじゃん!と思うようになった。
心のデトックスの機会は多いほうがいいのだろうが、私の場合、一つだけ困っていることがある。涙の倍以上の鼻水がほぼ同時に出てくるのだ。
最初はただの偶然だと思っていたが、泣く回数が増えた今、偶然ではなく必然だと気付いた。泣きそうになったらティッシュが欠かせないのは、涙を拭くためというよりも、その後の鼻水が厄介なのだ。だから泣く姿があまり…というか全然キレイではない。そういう意味では今でも”泣くのを見られたら恥ずかしい”かもしれない。笑
恥ずかしいだけならまだよいのだが、最近機内で『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』を見て泣き、ズビズビ鼻をかんでいたところ、近くの席の人に怪訝な顔をされた。確かに、私が感動して泣いたから鼻水が出たのか、風邪をひいているからか、その人には分からなくても仕方がない。
先日見た番組で知ったが、どうやらこれはドライアイが原因らしい。涙が作られても目に留まる量が少ないと、目から流れない分は鼻から出るそうだ。確かに目が乾燥しているなと感じることは多々ある。コンタクトをしているのも原因だろうが、目薬を刺しても足りないし、泣いても”目のうるおい”は満たされない感じはする。
その番組では
「ドライアイが理由なら涙を増やす治療(手術)を受けられるが、鼻水が厄介だからという理由では厳しいかと…」
とも言っていた。ってことは、鼻水は我慢するしかないのかぁ…
…と、まぁそういうわけで、これからも感動してぶわっと泣けて、鼻をばふってかむ機会がたくさんありますように!笑