楽園のマッドサイエンティスト「レオス・ヴィンセント」って何者?気になる活動は?その魅力は?(オタク目線で)調べてみました!
「レオス・ヴィンセント」は、2021年7月に「にじさんじ」からデビューした男性Vtuberである。
このnoteでは、彼のライバーとしての活動内容とその特徴を、あくまで1人のファンの視点から広く浅く紹介していく。
レオス・ヴィンセントの名前を初めて聞いた方も、「にじさんじ」に推しがいてレオス・ヴィンセントの名前だけは聞いたことがある方も、もちろんレオス・ヴィンセントを推している方々も、良ければ気になる項目だけでも見ていってほしい。
プロフィール
前述の通り、レオス・ヴィンセントはにじさんじに所属している男性Vtuberである。青い癖毛にメガネと白衣、そして左胸のポケットにいる謎の生物「まめねこ」が特徴的だ。
彼の暮らしている街は、科学技術が発達している近未来都市「エデン」。
元は中央都市の研究所に所属する科学者だったが、訳あって学会を追放され、自他ともに認めるマッドサイエンティストとなった。
大手を振るって地上を歩けない身のため、現在は中央エデンの地下のアジトから、我々の住んでいる地球に向けて配信を行なっている。
ちなみに、彼の地下研究所にあるのは大きな培養槽と、床に転がった大量の自身のクローンだ。
身長180cm、年齢は29歳、喫煙者で、自身の開発した不老長生薬を投与しているため誕生日を迎えても老化しない。
いずれは不老「長生」ではなく不老「不死」になり、文明の終わりを見届けることを夢見ている。
……と、ここまで読んだところで、「レオス・ヴィンセント」の姿を脳内でこのように思い浮かべた方はいないだろうか。
「ダウナーでミステリアスで猫背で、ボソボソと喋る不気味な科学者」
このnoteで初めてレオス・ヴィンセントに触れる方、あるいは、名前とビジュアルは知っていても一度も活動している姿を見たことがない方の中には、ひょっとするとこのようなイメージを抱く方もいるかもしれない。
というのも、レオス・ヴィンセントは見た目やバックボーンの情報から受ける印象と、配信上で見せるエンタメの姿のギャップがとても大きいのだ。
「ダウナーでミステリアスで猫背で、ボソボソと喋る不気味な科学者」というのは、実際のレオス・ヴィンセント像からは大きくかけ離れている。
対極といってもいいくらいだ。
もし上記のようなマッドサイエンティスト像を思い浮かべた初見の方がいたら、まずは以下の動画を見てから、このnoteに戻ってきて欲しい。
こちらは、レオス・ヴィンセントが初めて発表した歌ってみた動画の「天才ロック」である。
愛に溢れたMVのアニメーションは公式逆輸入されたファンメイド作品であり、曲選・歌声・MVの各側面にパブリックイメージのレオス・ヴィンセントが詰まっている動画だ。
言うならばこれはレオス・ヴィンセントスターターデッキ、3分半でわかるレオス・ヴィンセント、あるいはアニメ「レオス・ヴィンセント」1期最終回特殊神EDである。
ぜひ、レオス・ヴィンセントに初めて触れる方にこそ視聴してほしい動画だ。
活動内容
レオス・ヴィンセントは、生配信による「その瞬間でしか味わえないエンタメ」を愛するライバーである。
かつてバラエティ番組が大好きなテレビっ子であった彼は、時にはプロデューサーのような観点で自分自身を1人のパフォーマーとして活かし、あらゆる切り口から「レオス・ヴィンセントという存在のエンタメ」を体現している。
ここからは、そんな彼の活動内容を、以下の4つの観点から紹介していこう。
ゲーム
企画
バラエティ
歌・ダンス
1.ゲーム
レオス・ヴィンセントの基本的な配信内容。短い単発ものから長時間のシリーズものまで、幅広いジャンルをプレイしている。
ゲームセンスの高さとコミカルでオーバーなリアクションが持ち味な彼のゲーム配信だが、中でも特筆すべきなのは、なかなかの頻度で行われている耐久配信だろう。
自分で自分を追い込んで困難を乗り越えていくことを好む彼は、しばしばゲーム配信でも過酷な耐久や挑戦を行い、自分を追い込むことがある。
代表例は、初配信の次の配信で行われた超魔界村ノーコンクリア耐久だ。
耐久や挑戦に挑むと決めた時、彼はどれだけ失敗しようと、どれだけフラストレーションが溜まろうと、何度でも果敢に挑み続ける。
それもただ闇雲に当たって砕けるのではなく、失敗するたびに原因を解明し、解決策を模索し、行動を最適化させていくのだ。まさに研究者のような、トライアンドエラーの繰り返しである。
何度挫けても歩みを止めなかった男がついに掴んだクリアの達成感と開放感は、時に多くの人々を感動の渦に巻き込んだ。
〈ここに注目!〉
ポケモンのエンドコンテンツの中でも圧倒的な難易度を誇ると言われている「金ネジキ」にレオス・ヴィンセントがクリアした配信だ。
クリアするまでにかかった配信の総数は47本、時間にして約128時間。挑戦していた期間は約1年半にも及ぶ。
積み重ねてきた配信1つ1つが「今日こそ必ずクリアするぞ」という強い意気込みと思考の全力投球が(主に運絡みで)砕けてしまったもののため、彼は念願の勝利の瞬間、感涙にむせんだ。
自分に対して強い負荷をかける挑戦に、弛まぬ研究と努力、豊かな感情表現と両立する冷静ゲーミング。
レオス・ヴィンセントのゲーム配信の真髄がここにある。
2.企画
レオス・ヴィンセントはデビュー初期の頃からにじさんじの企画屋としての道を志しており、視聴者参加型の個人配信から箱内大型コラボの主導まで、これまでに様々なバラエティ配信を企画している。
2023年には催しの「催」の字を抱負に掲げ、にじさんじ初の3D大会の副主催や、界隈外まで大きな反響を呼んだ選手権の主催なども務めた。
また、その企画力の高さはライバー仲間の同僚からも認められている。
最近では「七次元生徒会」でも企画屋としての力を遺憾なく発揮しており、今後も企画屋レオス・ヴィンセントのさらなる活躍が期待される。
〈ここに注目!〉
レオス・ヴィンセントの主催するシリーズ企画「コレってOUT?SAFE?」のにじさんじ研究者組(アンジュ・カトリーナ、葉加瀬冬雪、甲斐田晴、レオス・ヴィンセント)回。
ひとつのお題に対する意見について、ゲスト+レオス・ヴィンセントが徹底的に討論し合うトーク企画となっている。ライバーの価値観や人となりを詳しく知りたい方に特におすすめの内容だ。
3.バラエティ
にじさんじ箱内のバラエティ番組やバラエティ企画において、レオス・ヴィンセントの登場頻度は非常に高い。
中でも特異なのは、ガヤ芸人として呼ばれることもMCとして呼ばれることも両方多い点だ。
レオス・ヴィンセントは基本的に、爆発力のある芸人気質のライバーである。
常に前のめりで率先して番組を盛り上げにいき、身体を張り、取れ高を作りにいく。レオス・ヴィンセントの体験した罰ゲームの種類と数は計り知れない程だ。
特に公式バラエティ企画にはツッコミに安定感と定評のあるライバーが起用されることが多いため、個人配信よりもさらに破天荒にボケて、嵐を巻き起こすことがある。
「レオス・ヴィンセント」と聞いた時、まずこの姿が脳内に浮かぶ方も多いのではないだろうか。
一方、前項で紹介したとおり企画屋としての側面もあり、ボケではなく進行役を担うことも多い。
にじさんじには言葉を巧みに操れるMC適正の高いライバーが多数存在するが、レオス・ヴィンセントのMC適正の高さはどちらかというと、盛り上げ上手な側面に由来するものだろう。
ハキハキとした声は耳によく通り、ボルテージを上げるのが得意で、3Dでの大振りな動きと姿勢の良さも合わさると、その姿はさながらヒーローショーの進行のお兄さんのようだ。
〈ここに注目!〉
「全力すぎるレオス・ヴィンセント」をテーマにした、にじさんじ公式の切り抜き動画だ。
8分半ほどで見れるので、「気になっているけどいきなり長時間配信を見るのは……」と悩んでいる方にもぜひおすすめしたい。
最初から最後まで濃度をギュッと凝縮した「ボケの時のレオス・ヴィンセント」が浴びせられる、狂気の動画でもある。
4.歌・ダンス
※歌う
かつては歌を歌わないことを宣言していたレオス・ヴィンセントだったが、現在では歌ってみた動画の投稿や3Dライブ出演、FOCUS ONでのオリ曲やカラオケ枠など、様々な歌唱コンテンツを提供している。
この心境の変化は、ライバー活動を通して生まれたものらしい。
2023年には2周年記念ミニ3DライブMNTVを開催したり、にじさんじ5周年記念共通衣装ライブ「SYMPHONIA」に参加したりと、ますますライブパフォーマンスでの活躍の幅を広げた。
レオス・ヴィンセントにとって、歌や踊りといった活動はあくまで「締めるところを締めるもの」であり、時には伝え方に葛藤しながらも、ステージ上では全力のファンサとパフォーマンスを見せてくれる。
〈ここに注目!〉
七次元生徒会のチャンネルで投稿された「群青」の歌ってみた動画だ。
生徒会に所属する6人の声色が綺麗に合わさり、曲選も相まって青春感が非常に強い。
冒頭に紹介した「天才ロック」がパブリックイメージのレオス・ヴィンセントならば、この「群青」はパブリックイメージのレオス・ヴィンセントを覆すような歌声であると言えるだろう。
「にじさんじ公式番組やコラボ配信で見かけることはあっても個人配信や七次元生徒会は追っていない」という方は、この歌声に衝撃を受けるのではないだろうか。
特徴
ここからは、レオス・ヴィンセントのライバーとしての特徴について紹介していこう。
状況に応じて様々な一面を見せるライバーの姿を正しく記述することは不可能であり、これまで以上に偏った内容になると予想される。どうかご容赦願いたい。
今回のnoteで触れていくのは、以下の9つのポイントだ。
まめねこ
眼鏡
HOPE
3D映え
FAの扱い
バイタリティ
揺るぎない軸
ほんの少しの思いやり
楽園のマッドサイエンティスト
1.まめねこ
レオス・ヴィンセントというライバーを紹介する上で欠かせないのが、いつも胸ポケットの中にいるまめねこという存在だ。
学名は「ハツガソライロマメネコ」。都市エデンに生息している謎の生物で、個人での所有を禁じられている。
レオス・ヴィンセントは、エデンの研究省と税関の目を掻い潜り、まめねこと一緒に地下で隠れながら同棲しているのだ。
ちなみに、彼はまめねこの生態を日々観察しているが、それは彼の専門分野ではなく、あくまで趣味で行なっているものである。
ペットではなく同居人で、互いに好き勝手しながら適度な距離感を保っているのが、この1人と1匹の関係性。
その一方で、まめねこはレオス・ヴィンセントの胸ポケットを気に入っており、レオス・ヴィンセントも随所でまめねこに対する愛を滲ませている。
配信画面やSNSのアイコンにまめねこが映らなければわざわざ調整したり、数少ないFAのNGが「まめねこのセンシティブ絵」だったり、自分自身の新衣装が1着もない段階で新衣装よりも先にまめねこを大きく映すカメラを実装したり……正直、全て挙げようとするとキリがないほどだ。
レオス・ヴィンセントからの猛烈な愛とプロデュースにより、まめねこは多くのファンから「レオスのマスコット」ではなく「まめねこ」として愛されている。
彼らがデビューした2021年7月から現在(2024年3月)までの2年8ヶ月は、1人と1匹が二人三脚で歩んできた2年8ヶ月なのだ。
〈ここに注目!〉
現在にじストアでは、まめねこがプロデュースしたアパレルグッズが受注販売を開始している。
「レオス」プロデュースではなく、「まめねこ」プロデュースだ。
レオス・ヴィンセントはなんと、まめねこに依頼されてイラストレーターとしてこのグッズに携わっている。
さらに、『にじさんじ6th Anniversary shop in 原宿』でも、まめねこアパレルの商品とまめねこ像が展示中だ。
アクセスしやすい地域の方はぜひチェックしてみてほしい。
2.眼鏡
このnoteを読んでいる方の中に、眼鏡キャラガチ勢の方はいないだろうか?
もしいたとしたら朗報だ。彼は滅多なことがない限り眼鏡を外さない。
なぜなら、彼自身が眼鏡に強いこだわりを持つ、眼鏡キャラガチ勢だからだ。
レオス・ヴィンセントは、自身の好きなところを聞かれて「バチバチの下まつげ」と答えるほど、自分の目元に対して強い自信を持っている。
確かに、彼の裸眼は下まつげの主張が強い。さらに言えば、男性ライバーの中では珍しいほどの、ぱっちりとした濃いメイクをしている。
しかし彼は、自他ともに認めるその綺麗な目元を、納得できる理由(眼鏡を拭く時、パックをする時、ゴールキーパーをする時など)がなければ人前に晒さないのだ。
服は年中Tシャツかジャージでも、眼鏡はこだわって数本を使い分けている男である。
デビュー当初、家賃は3万円でも眼鏡には10万円をかけていた男である。
グッズの際、「まめねこを入れること」と「眼鏡を外さないこと」の2点を必ず依頼している男である。
これまで幾度となく「イメチェン」に裏切られた、眼鏡キャラガチ勢の方にこそ届いてほしい。
彼は信頼できる眼鏡キャラだ。
〈ここに注目!〉
「ですわバッテリー」である壱百満天原サロメ&樋口楓が、レオス・ヴィンセントに似合いそうな某高級ブランドのサングラスを選び、勧めた動画だ。
前後編で見やすい企画であるほか、とある理由で覇気をなくしている珍しい姿のレオス・ヴィンセントも見ることができる。
3.HOPE
レオス・ヴィンセントのイメージを問われた時、「まめねこ」と並んで頻出するのがこの「HOPE(煙草)」だろう。
そう、何を隠そう彼は喫煙者だ。
スタジオでの撮影の際に煙草休憩に向かう姿は多くのライバーが目撃しており、雑談配信では度々スタッフとのタバコミュニケーションの様子が語られている。
さらに2023年3月には、コラボZippoも発売された。
留意しておきたいのは、レオス・ヴィンセントは当たり前のようにマナーを守っており、分煙意識のある喫煙者であるという点だ。
にじフェスなどのイベントの際には、どれだけ離れた場所にあっても当然喫煙所まで歩き、決められた区画内で煙草を吸う。
副流煙の被害がないようまめねこのそばでは煙草を吸わず、配信中も喫煙の際は基本的に離席し、換気扇のすぐそばで吸う。
彼曰く、「こんなところ(禁煙の場所)で吸うやつはそもそも『禁煙場所で煙草を吸わない』というルール以外も山ほどルール破ってるから」とのこと。
また、石神のぞみが逆凸企画で「人生経験として煙草がどんなものか知っておきたい」という話をした際も、レオス・ヴィンセントは以下のように引き止めていた。
にじさんじきっての愛煙家であるが、それと同時に「真面目な後輩が自分に合わせて『人生経験』として煙草を吸おうとしたら全力で止める」のもまたレオス・ヴィンセントなのだ。
〈ここに注目!〉
レオス・ヴィンセントのFOCUS ONには「Hope」という題名のオリジナルソングが収録されている。「煙草」と「希望」という2つの「Hope」の要素が綺麗に組み込まれた楽曲だ。
試聴動画とフルではかなり印象が変わるため、気になった方はぜひ最初から最後まで聞いてみてほしい。
4.3D映え
レオス・ヴィンセントの3Dお披露目が行われた2022年7月29日当時、筆者は自分のスマホにこのようなメモを残していた。
レオス・ヴィンセントが主役の舞台で、レオス・ヴィンセント役をレオス・ヴィンセントが演じている
3D実装前に思い描いていた「3Dで動くレオス像」ではなく、2Dのレオスを見ていた時の「二次元的なレオス像」そのままの動きだった
2Dから3Dに変わってもレオス・ヴィンセントがレオス・ヴィンセントであることに変わりはないのだから、動き方が解釈一致であるのは当たり前のことだ。
しかし、それでもなお3Dに強い衝撃を受けたのは、彼がもともと声での感情表現が豊かなキャラクターで、3Dではそれらがアニメーションのように全身で表現されていたからだろう。
以下は、ライバー仲間がレオス・ヴィンセントの動きや姿勢について言及した発言だ。
「肩をすくめる」という表現が似合う場面の時、彼は本当に肩をすくめる。
バランスボールで鍛えられた姿勢の良さに、コミカルでオーバーでキレの良い動きが加わり、舞台役者か遊園地のキャストか、あるいは芸人のコントでしか見ないような動きで、視聴者のことを楽しませてくれるのだ。
〈ここに注目!〉
レオス・ヴィンセントの3Dお披露目配信だ。
最初から最後までほぼ全て生放送で行われていたアーカイブで、3Dでの身のこなしはもちろんのこと、このnoteで紹介した様々な「レオス・ヴィンセントらしさ」が詰まった配信内容となっている。
5.FAの扱い
上記の引用は、デビューしたばかりのレオス・ヴィンセントが視聴者にサムネイル用のタグを求められたときに発した言葉だ。
本来、ライバーがFAをサムネイルに起用する行動はANYCOLOR二次創作ガイドラインの「第6条(当社による二次創作作品の利用)」に基づいたものであり、ガイドライン的に全く問題がない。
むしろファンはガイドラインへの同意を前提に二次創作をさせてもらっている立場であり、サムネイラスト用のタグにFAを載せるファンは、ライバーがイラストを使ってくれると嬉しい人たちばかりである。
レオス・ヴィンセントがデビューした2021年7月時点でも、FAのサムネイル起用はライバーとファンがWin-Winになれる、にじさんじに根付いた独自文化の1つだった。
それにも関わらず、彼は「他人の創作物を自分が無断でサムネイルに起用すること」に疑問を覚え、報酬を含めて真剣に考えてくれたのである。
熟考の末、彼は以下のような対応をとることで、FAをサムネイルに起用するようになった。
そしてその対応は、2年8ヶ月経った現在でも毎回欠かさずに続いている。
サムネイル用のタグを設立し、そのタグがついている作品以外は起用しない
いいねとRPを行う
リプライでサムネイルに起用する旨を伝える
概要欄の上部(基本的には1番上)に作者のXアカウントのURLを記載する
配信冒頭に作者の名を読み上げてサムネイルを紹介し、概要欄に誘導する(コラボ配信で紹介の時間が取れなかった際には、配信終了後に引用RPで紹介をしていた)
レオス・ヴィンセントはXのライバーアカウントを日常的に使用しておらず、親しいライバーや公式相手にも滅多にいいねを飛ばさない。
現在彼のXのいいね欄にあるポストは、そのほぼ全てがサムネイルに起用したFAである。
また、サムネイルに起用したFAが他者の作品のトレースだと判明した際も、彼は迅速に対応し、丁寧に謝罪を行なった。
彼自身が1人の絵描きであることもあり、FAやクリエイターに対する対応はいつも非常に誠実なものだ。
〈ここに注目!〉
レオス・ヴィンセントが行なっているお絵描き配信の一例「新春まめねこワンドロ」だ。
毎年行われているこの企画は、彼の絵描きとしての側面と、他者の描いたイラストへの姿勢を両方味わうことができる。
彼はアナログ・デジタル・絵描き歴などを一切問わずに、流れてきた視聴者のワンドロ作品1つ1つを数分単位で丁寧に味わうのだ。
とても褒め上手で否定的な言葉を一切投げかけないので、絵を描くのが趣味の方・最近絵を描き始めた方に特におすすめしたい。
6.バイタリティ
レオス・ヴィンセントは時折、少年漫画の主人公に似ている。
それも「三枚目的なキャラクターでいつもトラブルの渦中にいるが、ここぞという時に漢気を見せる諦めの悪い男」のような、ひと昔前の熱く泥臭い主人公だ。
このnoteではこれまで様々な彼の技能を紹介してきたが、それらは決して彼がデビュー当初から持ち合わせていたものではなかった。
今でこそバラエティに引っ張りだこの存在である彼だが、初めて「にじさんじのB級バラエティ」に呼ばれた際は話を振られても答えられずに1人反省会を開き、初めてのMCの後は自分の郵便番号や電話番号も忘れてしまうほど疲弊しきっていた。
しかし、その苦い思いだけでは決して終わらせないのがレオス・ヴィンセントなのだ。
彼はにじバラ後の反省会以降も、大きな企画の度にその時の自分の反省点をメモに残している。
ゲームの項目で紹介した内容とも重なるが、彼はどれだけ挫けても諦めずに立ち上がり、過去の失敗に正面から向き合うことができるのだ。
失敗してもダメージを負わないような、鋼のメンタルを持ち合わせているわけではない。むしろ、どんな物事にも全力で向き合うからこそ、全力で悔しがるし全力で凹む。
ただし、そこから気持ちを立て直し、再び歩みを進められるまでのスピードが異様に速いのだ。
2022年のにじさんじ甲子園で辛酸を舐める思いをした彼は、2023年のにじさんじ甲子園で「まめ高ブレイクスルー」というテーマを掲げた。
この「ブレイクスルー」という言葉はにじさんじ甲子園だけではなく、彼のあらゆるライバー活動にも当てはまるものだと感じる。
失敗を気にしないのではなく受け入れて前に進むことができるからこそ、彼は過去の自分という壁を幾度となく越えることができた。
バラエティにしてもそう、ゲームにしてもそう、にじ甲にしてもそうだ。
ある程度の年齢と社会経験を重ねてなおも活力的に行動し、自分自身を変えることができる。
自分自身の枠組みや限界値を、自分の年齢や性別、現在持つ技能を理由に限定させない。
本気で笑い、本気で怒り、本気で泣けるほど真剣に取り組んでいるものがある。
これらは決して並大抵のことではなく、彼の持つ大きな強さだ。
〈ここに注目!〉
2024年の誕生日記念に行われる「50km禁煙マラソン耐久」配信。
このnoteが投稿される時点では行われていない配信のため全てが未知数だが、伝説の配信になることは間違いないだろう。
50kmマラソンのゴールを祝うまめねこのイラストもXで募集されたため、そちらも要チェックだ。
(2024/3/23 追記)
見た。間違いなく伝説の配信だった。
このnoteで紹介したレオス・ヴィンセントの魅力が詰まった配信内容である他、にじさんじライバー『Runner』縛り歌枠としての側面もあるため、非常におすすめだ。
10時間かけて50km先のゴール地点に辿り着いた彼だが、ライバー「レオス・ヴィンセント」としてのこの配信は、あくまで通過点に過ぎないのだろう。そんな希望を感じさせるような、底なしの活力が溢れる配信内容だった。
7.揺るぎない軸
上記の引用は、『Detroit Become Human』というゲームに出てくる父親キャラクターに向けてレオス・ヴィンセントが放った言葉だ。
その父親は、娘を理不尽に怒鳴りつけて泣かせた直後に「ああ 俺は何してんだ… ごめんよ、アリス… 許してくれ」と許しを乞い、その一連の行動が彼の逆鱗に触れたのである。
現在よりも負の感情表現を抑えていたデビュー間もない頃の彼が、初めて配信内で強い怒りを露呈したのがこの場面だった。
このような激しい感情の揺れ動きを見せる一方で、彼のストーリーゲーム配信はしばしば「ドライ」と評されることがある。
先輩の温かい言葉や映画で涙を流すこともある彼は、決して感受性が極端に乏しいわけではないだろう。
しかしその一方で、自他境界がはっきりとしていて一貫した考え方の軸があり、人一倍刺さるものと刺さらないものの差が激しいのも事実だ。
(リンク先ネタバレ注意)
彼の倫理観は、これらを基本的に良しとしない。
そして、自らの倫理観が拒む状況が物語の中で肯定的に(美しいもの・問題のないものとして)描かれたり、描写不足のまま進んだりすると、その時点で作品と自分の間に壁を作り、冷ややかな視線で物語を眺める傾向にあるのだ。
彼の持つ芯と価値観は、ゲーム内のBGMや醸し出される雰囲気では簡単に揺らがない。
正直、「ゲームを開発する側に立てばこれ以上に面倒な顧客も存在しないだろう」と感じるほどの頑固ぶりである。
筆者も彼の主張全てに共感できるわけではないし、絶対的に正しいものであるとも思っていない。
しかし、演出では流されない一貫した軸から発せられるその主張は、良し悪しを抜きにとても真摯で、信頼のおけるものだ。
少なくとも、泣いている子供を見て間髪入れずに激昂した『Detroit Become Human』のあの場面。
あれは、自分の感情や倫理観に嘘がつけない彼の、心からの怒りだった。
〈ここに注目!〉
この項目で取り上げた『Detroit Become Human』のシリーズ配信だ。
冒頭に引用したシーンのほか、普段は自他ともに認めるせっかちな彼が「子供を言い訳にして色々な犯罪に(子供を)関わらせたくない」という理由で同じエリアを何分も彷徨い続けたシーンが印象深かかった。
終始ストーリーに感情を激しく揺さぶられており、その没入ぶりはオリバー・エバンスとの雑談配信でも語られている。
8.ほんの少しの思いやり
「人体実験の被験者大募集 報酬は、ほんの少しの思いやり」
「常日頃実験中、被験者大募集、報酬は、少しばかりの思いやり」
上記はそれぞれ、レオス・ヴィンセントのXアカウントのプロフィールに記載されている文言と、概要欄に毎回記されている文言である。
いわば、ライバー「レオス・ヴィンセント」のキャッチコピーだ。
「人体実験の被験者への報酬を金銭で支払わないマッドなサイエンティスト」
「自分のファンの『被験者(ファンネーム)』に対して思いやりを返している配信者」
全く異なる2つの捉え方ができる、非常に彼らしいキャッチコピーだと感じる。
ファン目線で彼の「思いやり」を感じる場面は筆舌し難いほどたくさんあるが、紹介しやすい一例を挙げるなら「ファンの応援に対して出来うる限りのパフォーマンスで返そうとしてくれる」点だろう。
絵が描けるライバーということもあり、レオス・ヴィンセントは自らの手で用意したファンへのコンテンツが非常に多い。
メンバーシップのアイコンや40種類あるスタンプも、配信の待機画面・終了画面も、全てが違うデザインの彼の描き下ろしだ。
さらにまめねこLINEスタンプも彼自身が手掛けたもので、恐ろしいことにメンバーシップスタンプのイラストを流用していない、完全書き下ろしの48種である。
溢れ出るサービス精神は、得意分野だけに留まるものではない。
彼は絵を描くのが得意な一方で、字を美しく書くのは不得意であると認識している。そんな彼がグッズでファンへのメッセージを書くことになった時、一体どうするか。
わざわざキーボードで書く予定の文章を打ち、そのフォントの綺麗なバランスを参考にしながらメッセージを書くのである。
ライバーの手描きである必要はない、丁寧である必要はない場面でも、手描きできるなら手描きし、丁寧に書けるなら丁寧に書くのだ。
にじLeeコラボやコラボZippo、まめねこアパレルなどのグッズデザインでも、1人と1匹は常にファンが使い込むことを想定したこだわりのデザインを施し、手描きできる部分は出来るだけ手描きで描き下ろしている。
時には依頼された内容をただこなすだけではなく、「ここの部分もデザインすることは可能か」「〇〇だけではなく△△もしたい」などの提案や交渉も行い、グッズを購入するファンが最大限喜ぶよう努めてくれるのだ。
〈ここに注目!〉
「ドクター=ファンクビート feat.レオス・ヴィンセント」
本家「ドクター=ファンクビート」を作り上げた大天才P自らが音源・歌詞・MIXを手掛け、MVイラストも本家と同じイラストレーターが担当している、奇跡の歌ってみた動画だ。
何故このようなことになったのかはこちらで詳しく語られており、彼の「最高」を作り上げるために貪欲な姿勢が窺える。
9.楽園のマッドサイエンティスト
これは、ドラマCDでレオス・ヴィンセントが学会を追放された時に放った一言‥‥などではなく、「長時間かけて描いた力作よりも適当に描いた落書きが評価される」という、絵描きあるあるの悩みにゲーム内で直面した時のセリフだ。
この言葉を聞いた時、筆者は心底感心した。
「マッドサイエンティストと呼ばれる人間は、本当にこのような怒り方をするものなのか」と。
なんだかんだ言って、レオス・ヴィンセントはマッドなのである。
クリエイターへのリスペクトや生命力や思いやりがあるからと言って、狂人であることに変わりはないのだ。
ボイス時空、所謂「原作」のレオス・ヴィンセントがマッドサイエンティストと呼ばれる所以の代表例として、以下の2点がある。
度を超えた死への恐怖
一方、配信中にも彼は過去に起きた心肺停止と臨死体験から、死に対して強い恐怖を抱いていると公言している。
また、過去の自分を他人のように客観視して見ることができ、誰に言われたわけでもないのに自分で自分を追い込み、実験的な強い負荷をかけることも多い。
同一人物だから当たり前と言えば当たり前なのだが、「原作」のレオス・ヴィンセントと配信上のレオス・ヴィンセントは、気質や価値観が地続きで繋がっているのだ。
どこまでもマッドサイエンティストな彼は、常に全速力で斜め上方向に駆け抜けていく。
嬉しいのは、彼自身がそんな自分自身のことを誇りに思い、ヴィランでマッドで科学者である「レオス・ヴィンセント」と、その同居人である「まめねこ」のことを愛してくれている点だ。
〈ここに注目!〉
月ノ美兎のラジオ企画「みとらじ」レオス・ヴィンセントゲスト回では、前述した彼の臨死体験のエピソードや、独特な死生観を垣間見ることができる。
このnoteで紹介した「3D映え」についてや、このnoteでは紹介しきれなかったラブプラスやTS癖の話まで、あらゆる側面からレオス・ヴィンセントの人となりに触れたい方におすすめの内容だ。
「いかがでしたか?」
今回このnoteで紹介する「レオス・ヴィンセント」の情報は、これで以上となる。
ここまで付き合ってくださった方々に最後に伝えておきたいのは、「このnoteの内容を『レオス・ヴィンセント』の全てだと鵜呑みにしないでほしい」という点だ。
考えてもみてほしい。
1人のライバーに対して15000字以上にもなる文章を書くオタクなど、基本的に正気ではないのだ。
おそらく、いや確実に、強いバイアスがかかっているのだ。
レオス・ヴィンセントはこの2年8ヶ月の間、あらゆる方向に邁進し、精力的に活動を行ってきたライバーだ。
そのコンテンツの量は膨大で、1つの配信を取ってみても長時間のものが多い。
2年8ヶ月分の「レオス・ヴィンセント」という情報の海から、たったコップ一杯分の海水を掬い取ったのがこのnoteなのである。
遠目から見て青く見える海でも、コップで掬えば無色透明に見える。
そのコップが赤いガラスでできていたなら、赤色にも見える。
筆者は確かに自分なりに、今自分が持っているコップで掬った、現時点での海水の色をこのnoteに記したつもりだ。しかし、それが本当の色である確証はどこにもないのだ。
このnoteを見て少しでも「レオス・ヴィンセント」という存在に興味を持った方は、どうかここに記された情報が全てだとは思わずに、貴方自身の目でそれを確かめてみてほしい。
このnoteが、貴方が貴方の器を持って、「レオス・ヴィンセント」という地に向かうひとつのきっかけになってくれたら幸いだ。