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【かなえたい夢】老夫婦へのあこがれ


わたしの両親は共に父親を早くに亡くしているため
わたしにもともと祖父はいない。

おじいさん、つまり男性の老人が
身近にいたことがないし、
身近なおばあさんはみんな未亡人だった。

だからなのかなんなのか。
外出先で老夫婦を見かけると
大変尊いものを目撃したような気がしてしまう。

夫婦が共に老年期まで生き残り
そろって外で歩けるていどに健康であるという奇跡と
そろっておでかけするていどに仲睦まじいという奇跡

その奇跡はわたしの身近ではまだ起きていない。

※わたしの両親は健在だけど老夫婦と呼ぶにはちょいまだ若い。今後の成長(老人っぽさの)に期待。


ある日のこと、
公園のベンチに並んで腰かける老夫婦を発見した。

うしろから見てたから表情は見えなかったけど、
2つ並んだ真っ白い後頭部を見て
「デートしてる。あんな夫婦になりたいね」
と言うわたしに夫、
「夫婦じゃない。フリン。」と返すからギョッとした

さらに
「別れ話中かも」
のようなことを言うからギョギョッとした

そして
そんなこと言ってたらほんとうに
おばあさんがおじいさんの頭を
こぶしでボコボコ殴打しはじめて

ギョギョギョッ

とした。

※ちなみに夫は老人たちの雰囲気からするどく何かを察したわけではなく、会話の展開の想定をぶち壊すのが好きなだけ。

※ちなみにおばあさんは凶器にできそうな杖を所持していながら素手で暴行しており殺意はないものと思われる。

あのときは

恋人達は とても幸せそうに
手をつないで歩いているからね
まるで全てのことが 上手くいっているかのように
見えるよね真実はふたりしか知らない

appears - 浜崎あゆみ

が頭のなかで流れました。

勝手に自分のファンタジーを押しつけようとした
わたしが浅はかでした。

世界は、人は、カップルは、
みんなカオスだというのに。


なんの話だっけ?

そうそう、noteで「叶えたい夢」が募集されてるから
わたしも考えてみたとき、

いいかんじの老人になりたい と思った。

老人になった夫も見てみたい と思った。

いいかんじの老夫婦になってみたい。

中年になってきたからそう思うのではなく、
わたしは幼いころから夢も目標もすっ飛ばして
隠居生活へのあこがれがあったのである。

ゲートボールやったり
句会に入って俳句をしたためたり
ロッキングチェアゆらしながら編み物したりしたい。
多趣味だった祖母の姉のように
押し花のようなニッチな領域を極めるのもいい。

押し花の絵画
せいばあ(作者)が亡くなったあとも
ずーっと朽ちない押し花の絵画

たのしそう。やりたい。
なんならいますぐにでも。

でもそういうのが似合ってしっくりくる
わたしの思い描く
おばあさんらしいおばあさんの風情は
70は超さないと出せない気がする。

道はまだとおいな。



夫はどんなおじいさんになるんだろう。

今のままで行くと
足の1本や2本失わない限り
いくつになっても
スノーボードに行きたがりそうだ。

通ってわかったけど、
ゲレンデのお客さんはけっこうシニアが多い。
(とくにスキーヤー)

だいたいストーブ周辺に
じいさんコミュニティみたいなんあるもん。

孫や地域のこどもに教えたりして
彼らとってもイキイキしてらっしゃる。

夫よ、少し出会うのが遅れたその大好きな趣味を
いつまでもできるよう
せいぜい今からカルシウムをたくさん取って
骨密度を高めておけ。

そしていっしょにできれば

いいかんじの老夫婦になりませう。



余談…

先日入った温泉で、
さいきん旦那さんを亡くしたらしいおばあさんが
お友だちになぐさめられていた。

「アンタ、大丈夫?ちゃんと食べとる?」と言われた
おばあさんが、少し笑って小さな声で
「食べとるよ。4キロ肥えたの。あれが逝って。」
と言ったのが
少しおかしくて、たのもしくて
でもやっぱりさみしそうで
けっこう切なかった。

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