それをお金で買いますか?

マイケル•サンデル著 "What money can't buy"を読み終わりました。

それをお金で買いますか――市場主義の限界 マイケル・サンデルhttp://www.amazon.co.jp/dp/415209284X/ref=cm_sw_r_udp_awd_5ocLtb0MNFX5F

「経済的インセンティブつけて、行動促進しよう!」という原理の良い面と悪い面を、出来るだけ論点を明確に、かつ具体的に整理してあり、たいへん興味深い内容。

たとえば、以下の事例をどう思いますか?
「子どもに本を読んでほしいから、一冊あたり500円はらう」
「平日の昼にお祭りの無料整理券の列に並ぶのを、民間企業に有料で委託する」
「小学生に自然保護の寄付運動をさせると、無償ボランティアの方が、集金額が高くなる」

考えなければいけないのは、経済的インセンティブをつけて活動を促進するにしても「活動の本質的な目的を変えてはいけない」ということです。

本を読んで知識を得ること自体が喜びであることに気づかないと、読書は「お金のための単調な作業(a job for pay) 」となってしまいます。

ブログも、明らかに著者の記載目的が、商品の宣伝になっているとき、私たちはブログに対してあまり良い気持ちになりません。

地域の草取り活動に来る理由も、「1000円もらえるから」と「久しぶりにAさんの顔を見たいし、地域のためだから」では活動の本質が大きく違います。さらに、最初の動機が、その後の活動目的を固定する場合が多いそうです。

事業として資金はとても大切です。しかし、それ以上のインセンティブのツールとして考えるとき、本質的な目的を変えていないか考えていきたいと思いました。1000円もらえたとしても、すぐに選挙や健康診断に行くわけではありませんよね。

この本は、ハーバードビジネススクールのIXP事務局の方から東北を案内して、プレゼントしていただいた物ですが、とてもとても参考になりました!
日本語版も出版されてますので、よろしければ。


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