尊みをめぐる瀬戸内旅 2日目(2018.1/23 尾道〜しまなみ街道〜松山(道後温泉))

2018年1月23日

尾道での朝。

からりと乾いた晴れの日。

宿泊していたONOMICHI U2のベーカリーにてお土産と朝ご飯用のパンを買い、早めに行動開始した。





まずは尾道を出る前に、また千光寺山の皆んなに会いに来たかったからだった。

またね。

さて。

尾道から通勤通学で賑わう渡し船に乗り、再び向島へ。

前日行けなかった後藤鉱泉所に来てみた。
前もって調べていた際に見つけ、外観からしてツボだったのだけれど、これまたアジのある瓶のジュースが飲めるとのことでとても気になっていた。

しかし入口は開いているものの、ピンポン鳴らしても呼んでみても誰も出てこない。

しばらく居てしまって、ウロウロしつつこんなに写真なんか撮っちゃえるくらい滞在していたのだけれど、一向に人の気配がない。


…さすがにどうしようも無くて、後ろ髪引かれながら何もすることなく次の目的地へ向かうことにした。

まずは向島から因島へ。

何をしに行ったかというと、まず僕が普段から愛用している鋏のメーカー、岡恒の工場を見に向かった。

ただ、見たかっただけなんだけど。

岡恒は大正14年創業、農業用の肩掛けポンプ(農薬などを噴霧するためのもの)の製作販売から始まり、その後剪定用の鋏を作るようになったそうな。

僕はステンレス製の蕨手を使っているけれど、確かな切れ味、長持ちする品質とメンテのしやすさ、とにかく使いやすい。

まぁ剪定鋏や生花用の鋏のメーカーとしては有名なのだけど、まぁとにかくなかなか、作っている工場がある様など見ることができないので、ただそれを拝みに向かっただけだった。いつもありがとうございます…と内心思いながら、ついでにいつか工場見学させてくれへんかな、とも願いつつ、因島を後にした(ほとそれだけ)。


様々な柑橘の畑が広がる生口島を通り抜けつつ、大三島へ。途中途中、島の斜面に広がる畑には様々な色味のオレンジやイエローの斑点が美しかった。瀬戸内の景色は、花の時期やあつい太陽の煌めく時期も良いのだろうけど、丁度柑橘の旬になる冬に来ることが出来てよかったと思えた。



大三島では大山祇神社に立ち寄った。
全国に分社のある大山祇神社は、山の神、海の神、戦いの神として崇められているそうな。
境内にある樹齢2600年を超える楠が有名とのこと。

ゆっくりと島々の景色を楽しみたかったのだけれど、この日のうちに愛媛まで渡りたかったので、先を急いだ。

続いては伯方島へ。

はぁ〜!かぁ〜!たぁ〜!のぉ〜!しおー!!!

の伯方島なのだ。

音で聞いてると、はかたって博多?と思ってしまうけど、伯方島(はかたじま)のはかたなのだ。

瀬戸内の島。ちなみに愛媛県今治市。

これもややこしいのだけど、しまなみ街道で渡る島々のうち、向島・因島・生口島は広島県尾道市、大三島・伯方島・大島は愛媛県今治市、ということなのね。

それはそれとして。伯方島はかつて塩田を作り製塩を産業としていた島とのこと。かつては愛媛県にも様々な塩田があったが、効率化が図られ殆どが廃止されてしまったそうで、伯方島の塩田は日本最後の塩田とひとつなったそうな(しかし1971年12月には塩業近代化臨時措置法により廃止された)。

一旦伯方島の塩田も全廃された後、塩化ナトリウム99%以 上の過精製塩が普及することに不安を覚えた有志が自然塩存続運動を起こし、1973年に塩専売公社より自由販売塩として製造を託され、現在の伯方の塩となった、という歴史があるようで。


説明が長くなったけれども(しかし大事なことと思うので記す)。

今はそんな伯方の塩を使った塩ラーメンも名物となっていると知り、お昼ご飯に食べに行ってみた。

塩田が全廃された1971年に塩田から脱サラしたご夫婦が始めた三和食堂が今は伯方の塩ラーメンさんわとなっている。

ミネラルたっぷり優しい塩のスープに細麺、そしてカマボコや切り昆布、海苔など。美味しいわそりゃ、海。

一人満足しつつも、ひとつひとつ島を楽しみながらしまなみ海道を渡るにはなかなか時間が足りないので、急ぎ次へ向かった。

さてさて大島へ渡り亀老山展望台へ。標高307.8mの亀老山の頂上からは、渡ってきたしまなみ海道も島々も綺麗に見えた。

そして展望台の建物がやたらかっこいいなとパシャパシャ写真を撮っていたのだけど、隈研吾のデザインだと後から知った。

さぁ島々を渡り、いざ四国の地へ。

来島海峡大橋を通り今治の街へ入った。今治城下の街並みはどこか哀愁の残る景色に、近代の産業の気配を感じるものだった。造船の街からタオルの街へ。

というわけで、今治タオルLABへ。


いつから今治タオルってこんなに知名度を得たんだろう。日常で使うものな割に、日常で使うものにこそなかなかお金をかけられなかった修行時代から特に気に留めてこなかったけれど、改めて沢山のタオルの中から好きなテクスチャのタオルを吟味し、自分のタオルを数枚購入した。3年経った今でもそのタオルは変わらぬ柔からさでお気に入りだったりする。

さて、17:00、日も暮れてきたので、急ぎ車を走らせこの日の宿地、道後温泉へ。
短い滞在の今治、また行けるかな。

途中割と暗い山道を抜けたけれど、知らない土地を走るのは妙に気分が良いものだった。

今治から道後温泉のある松山までは車で1時間ちょいだったかな。

10歳とかそれくらいの頃に一度来たことがあった道後温泉。思い出もあるけど本当に前のことなのでうっすらとした記憶があるくらい。
改めてこういう街だったのかと感慨深くなりつつ、夜の道後温泉本館を見に行ったりなどした。

宿は朝食のみ付いているプランにしていたので、夕飯は道後温泉の街で。観光地だから7日夜は早くに閉まっているお店が多く、夕飯の選択肢も限られたけれど、せっかくなので愛媛名物の鯛めしを頂けるお店に入った。

鯛に馴染みがない物としては、鯛めしというと鯛と一緒に炊き込んだご飯のイメージがあったけれど、愛媛の鯛めしは鯛のお刺身をおだしと頂く鯛茶漬け的なものだった。

新鮮な鯛がすぐに届く土地だからこそ、だね。とても好み。


さて、この日はここまで。
この度は短期間ながらボリュームの多い旅程だったから、振り返ってまとめるにも筆が遅くなってしまう。

もう少し、頑張る。









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