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海運向け産業保健サービス開始までに行なったこと Vol.2
~産業医科大学・基本講座との出会いが“船内巡視手順書”に繋がった話~
はじめに
前回は、船社を巡りながら試験的に船内巡視を行っていたエピソードをご紹介しました。実はその活動を続けるうち、産業医科大学(産業医大)の基本講座との出会いが大きな転機となったんです。今回は、そこから“船内巡視手順書”を作成する委員会に参加するまでの流れをお話しします。
1. 産業医科大学の基本講座を受講
1-1. 学位が取れる&トップ産業医の講義を半年学べる
産業医大の基本講座は、学位取得が可能で、産業医として一流の先生方から集中的に学べる充実のプログラム。
半年間かけて講義を受ける
実務と両立するのはかなりハード
費用も50万円ほどかかる
ただ、それだけの投資に見合う価値があり、産業医としてスキルアップを目指すなら十分“費用対効果バッチリ”だと感じました。
1-2. 仕事と両立しながらの苦労
私はちょうど船員向け産業保健の準備を進めていた時期でもあり、手弁当で船内巡視や海運向けサービスのマニュアル作成も並行していたため、講座の宿題やレポート提出と合わせてかなり多忙。でも、新しい知見を得るほど「これは頑張る価値がある」と思えました。
2. 副学長・堀江先生との出会い
2-1. 講義後、ふらっと2人で飲みに行く
ある日、講義が終わった後に、副学長である堀江先生と一緒に飲みに行く機会が生まれました。(講義後に写真を撮りながらぶらついている所を捕まえました)
「実は船内巡視を試験的にやっていて、船社を回りながらマニュアルを作ろうとしてるんです」と相談したところ、先生の教室が法改正に関わっていると判明。まさに「船員法における産業医の巡視手順書」を国交省と進めている最中と聞いて、驚きました。
2-2. 忘れられない一言
あの時、堀江先生にかけられた一言は今も鮮明に思い出せます。
”先生、海運業の産業保健はブルーオーシャンだと思うでしょ?
あれはね、海ではなくて沼です。沼でも人は溺れるからね。気をつけて”
不穏だなぁ、、、とか、海とブルーオーシャンかけてるのかなぁ?と色んな思いを抱いたのを覚えています。
2-3. 船内巡視手順書作成委員に混ぜてもらう
堀江先生のご紹介で、国交省による“船内巡視手順書”の作成委員に私も参加させてもらうことに。
今までの職場巡視と違う“遠隔巡視”の概念
海上特有のリスクや規定を踏まえたノウハウ
このプロジェクトに関わることで、船員向け産業保健がさらにレベルアップする予感がしたのを覚えています。
3. 手順書の完成と遠隔巡視という新たな概念
3-1. 堀江教室・永野先生の尽力
手順書の作成過程では、堀江先生の教室や永野先生を中心に多くの知見が集約され、とても実践的なガイドラインが完成しました。
ボリュームはそこそこある
内容はわかりやすいが“産業保健経験者向け”の印象
船員の健康管理を担う産業医にとっては必読の一冊です。
3-2. 産業医大での学びが活きる
講座で学んだ法規や産業保健の基本知識が、実際の船内巡視手順書にも直結したのは大きなモチベーションに。試験的な取り組みを国レベルの枠組みに落とし込む経験は、まさに「産業医大での学びを現場で活かす」瞬間でした。
まとめ&お問い合わせ
産業医科大学の基本講座で半年間学んだことがきっかけで、副学長・堀江先生とのご縁が生まれた
船内巡視手順書の作成委員に参加し、遠隔巡視という新しい産業保健の可能性を深く知る
“現場の実践”ד学術的裏付け”を融合させることで、船員向け産業保健サービスが一段と充実
次回は、三井住友海上との全国セミナー開催秘話を語ります。もし船員向け産業保健に興味がある方、船内巡視手順書の内容を知りたい方は、下記からお気軽にご連絡ください。
お問い合わせ
医療法人社団 政松会
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