空を撮る理由
「どうして空ばかり撮るの?」
そう尋ねられたのならば、何と答えようか考えてしまう。
別に意識して空ばかり撮っている訳でもないし、むしろ植物を撮る事の方が多い気がする。
大体、下を見て歩く事が多い中、それでもたまに空を見た時に感じる一日の終わりと言うのか、やっと解放されたと言う、そんな気持ちになるからかもしれない。
雲は色んな形に変化する。その変化に想像力を掻き立てられるし、雲はいつか消えてしまうけれど、それでも色んな所に行けていいなぁって思ったりもする。
空には、たくさんの星と月をくっつけた夜の帳があって、それを眠りに就こうとする太陽がスルスルと降ろしてくれる。すると帳にくっついている星と月の照明が灯る。そして夜通し明かりを灯して色んな話をしている。
太陽が目覚めると帳を上げるので、そのまま月と星の照明は消えて、夜になるまで眠りにつく。
たまに、消し忘れたのか消した名残なのか、月がぼんやりと映っているのを見つける事もあって、ちょっと嬉しくなる。
「どうして空ばかり撮るの?」
そう尋ねられたのならば、
「空が好きだから」
そう答えようかと思う。
「雲や星、月のある空を撮りたくなるから」
そう言ってもいいかなとも思う。