【LIENER NOTES:対談】富サンタナ愛 × 三峰結華 『もっとはっちゃけられたらいいのに』


富サンタナ愛(とみさんたなあい)
:アイドルユニット『ビーンズ・クラッシュ!』所属のアイドル。音楽番組でカメラに抜かれた満面の笑みが、クールな印象を良い意味で裏切り一躍有名となった。
三峰 結華(みつみね ゆいか)
:アイドルユニット『アンティーカ』のメンバー。ゴシックな世界観でステージを作り上げる一方で、テレビやラジオでの気の利いたトークで安定の人気を掴んでいる。



─ 富さんより、三峰さんとお話がしたいというオファーがありました。

三峰:はじめまして!『アンティーカ』の三峰結華です!今日は、サンちゃんからお話したいことがあると伺いまして、お呼ばれに上がりました〜!

富:来てくれてありがとう〜!

─ おふたりはお知り合いですか?

三峰:はい!現場でしょっちゅうお見かけしております!サンちゃんたち『ビンクラ』(『ビーンズクラッシュ!』の略称)は、三峰たちアンティーカが現場に入るよりも必ず先に揃っていて、うちらが挨拶に行くと、背筋をシャンと伸ばしてピシッと返してくれるんです!あれ、かっこいいんですよね〜。うちらもやりたいな〜。


富:
えへへ、ありがとう!そういうコンセプトのユニットだからって、結成した当時に徹底されたんだ!でも、ふだんはこうやってゆるゆるとしてるよ〜。

─ 富さん、今日はどういったテーマをご希望ですか?

富:今日はですね・・・。『どうしたらはっちゃけられる?』っていうことをみっちゃんに聞きたくて。

三峰:はっちゃけ...?うーん。考えたことなかったかも。

富:みっちゃんって、すごくちゃんとしている方だなぁって印象があるんですね。挨拶の話でビンクラのことを褒めてくれたけど、みっちゃん、というかアンティーカさんって、現場での身の置き方や振る舞い方、お仕事を滞りのないように進めていく力が凄まじいなって思うんです。大人っぽいとかそういうレベルじゃなくて、社会人、もっというとプロフェッショナルな方々って感じがするんです。

三峰:褒めすぎだよ〜!

富:そんなことないよ!ほら、この前『アイドリップ』っていうフェスイベントがあったでしょ。出演するユニットさんたちが控え室に集まったあと、ちょっとバタついててみんな立ち尽くしちゃったじゃない?あそこで先陣を切って動いてくれたのは、みっちゃんだったよね。スタッフさんが来るまでの間、確認に回ってくれたり、仕切ってくれて!

三峰:やだなぁ、買い被りすぎだって〜!三峰的には、アンティーカのメンバーがいたからできたといいますか、一人だったら動けなかったかもしれないし。

富:もちろん、アンティーカさんもすごかったよ!みんな冷静に連携し合ってて、本当に頼りになるお姉さんたちって感じだった!

三峰:ユニットごと褒めていただけるのであれば、素直に光栄です・・・!照れるなぁ〜!

富:それでね、ああいう場面でも冷静で的確に振る舞えるから、みっちゃんってすごく真面目で大人の方なんだなぁって思ってたら、ライブとか配信とかでは結構「イェーイ!」って感じでしょ。もちろん、パフォーマンス中はクールでミステリアスだし、かっこいい感じなんだけど。MCだったりラジオだったり、それこそ、バラエティ番組とかのときは、恋鐘ちゃんと一緒に前に出て活躍してて、すごいなぁって思うんだ。いつだったか、みっちゃんが自分のことを『省エネ系』って称していたことがあると思うんだけど、私から見たらバイタリティが溢れてるように見えるの!でも、セーブするところはきちんと抑えてる気もするし、そういうオン・オフの切り替えが本当に上手なんだと思う。

三峰:いやぁ〜〜。ここまで真っ直ぐ褒められるのって慣れないなぁ。でも、どうなんだろう・・・。サンちゃんが言ってくれたように、三峰は根が真面目・・・っていうと語弊があるけど。変なとこで気にしいといいますか、慎重なところがあるから、もし三峰のことが冷静に見えてるんだとしても、実は頭の中は大パニックだったりすることもあったりするかも?サンちゃんは、前に出るを躊躇しちゃう感じ?

富:私って、どっちかっていうとあんまり前に出ていくタイプじゃない気がするんだけど、もうちょっと頑張りたいなぁとは思ってるんだよね。でも、やっぱり気後れしちゃう部分があって。「あれ?私、本当にアイドルだったっけ?前に出て行っていいんだっけ?」って。

三峰:あはは、わかる!三峰はスカウトされてアイドルになったんだけど、最初は自分がアイドルになったっていうことが信じられなくて、しばらくはドッキリじゃないかな?って思ってたよ!『もし、一般素人がアイドルのスカウトを受けたらどうする!?』みたいな!

富:うわ、それすごくわかる・・・!というか、私はまだその気持ちが抜け切っていないところがあるかも。それで、最初に言った『どうしたらはっちゃけられる?』っていう質問になるんだけど。みっちゃんは、オンとオフとか、前にガンガン出ていくときと冷静でいるときとか、どうやって切り替えてるんだろうなぁって、そういうお話が聞きたかったの!それこそ、これはドッキリじゃなくて、私はアイドルなんだって自信を持てたときのこととか!

三峰:うーん。そうだなぁ。いま言ったみたいに、まさか自分がアイドルになれるなんて思ってなかったから、目の前で起きてることが夢なのか現実なのか全然わかんな〜い、みたいな時期があったんだけどね。それでも、やるからには頑張りたいっていう気持ちだけは自分のなかで間違いないものだなって思ってたから、もしこれがドッキリで、三峰がアイドルになれたことが本当じゃなかったとしても、後悔だけはしたくないし、もしかしたらそれがキッカケでチャンスに繋がるかもしれないって思って、前のめりになってたのかも。ただ、そのせいで空回りしちゃったり、逆にブレーキを踏みすぎて前に出るタイミングを伺いすぎちゃったりしたこともあったなぁ。いまは、三峰がアイドルだって心から思えてるけど、何か特別な瞬間があって自信を持てるようになったっていうよりかは、ちょっとずつそうなっていった感じかな。そんなだから、オンとオフの切り替えも、サンちゃんが言ってくれたみたいに必ずしも上手にコントロールできてるわけじゃないかも!

富:え!意外!みっちゃん、初めて見た頃からそういうバランス取るの上手そうだったよ!

三峰:あっはは〜!それはありがとう!それこそ、自分ではバランスを取るのは上手いって思ってたし、かなりわきまえてるつもりでいたけど、アイドルになってみて全然そんなことなかったんだなって思うようになったかな。だから、まだまだ全然かな。でもね、ありがたいことにアイドルになってすぐ忙しくなってくれたのもあって、浮かれたり落ち込んだりしながらでもお仕事をさせてもらえてたから、「うまくできてなかった〜」って思うことはたくさんあっても、どんどん進めたかももしれない!

富:え〜〜!そうなんだ。うまく言えないんだけど、みっちゃんって最初からすごく安定してるように見えてたから、驚いた!それと同時に、私と似てるところもあるんだなって思ってちょっと嬉しくなっちゃった。おこがましいかもしれないけど・・・!

三峰:ううん!サンちゃんとの共通点が見つかって、三峰は嬉しいよ〜!

富:みっちゃんは、不安定だなって感じる瞬間ってある?

三峰:そりゃあ、もちろん!まぁ、誰にでもあると思うけどさ!

富:そういうときは、どうやって過ごしてきたの?

三峰:ファンの人たちが、そういう三峰でも大丈夫だって、頑張ってるんだっていうことをすごく認めてくれて、受け止めてくれてね。三峰的には、もっとうまくやらないと、もっと頑張らなきゃ〜ってばっかり思ってたんだけど、そういう気持ちごとまるっと見透かされたみたいに受け止めて応援してくれていてね。だんだん、『三峰結華』っていうアイドルは三峰だけのものじゃないんだって思うようになったんだ。三峰が、三峰のことを「ダメだ〜」なんて言ったら、三峰のことを好きでいてくれるみんなに申し訳が立たないからさ?だから、自分だけでどうにかしようとするんじゃなくて、周りをよく見て、誰かに助けてもらうときは立ち止まるし、反対に、自分が手を差し伸べられるときは自分から前に出て行こうって。そんなふうに、自分だけで頑張ろうとするのを諦めて、周りをよく見ながら動くように意識してみたら、前よりも少しは上手に立ち回れるようになってきたかな。やっぱり慎重派だから、安全運転みたいなものかもね。あ・・・。サンちゃんが言ってくれたオンとオフって、そういうことなのかも?

富:応援してくれた人たちがいて、今のみっちゃんがあるんだね・・・!


三峰:
受けたご恩はきっちり返すのが三峰流。なーんてね!サンちゃんは、アイドルのお仕事、楽しい?

富:うん!すごく楽しいよ!自分だけだったらできなかったこととか、踏み出せなかっただろうなって思うことがいっぱいあるし。さっき、自分が本当にアイドルだったかわからないことがあるって言ったけど、それでもやっぱり「私はアイドルなんだ!」って言い聞かせていくと、もう一歩先に踏み込んでいけるような気はしていて。前に出られないって思ってた自分でも、「私はアイドルなんだ!」って思っていいんだって、そうやって心がけることで少しずつ頑張れる自分になっていくなって感じてるよ。そういう瞬間は特に楽しい!

三峰:わかるよ〜。アイドルをお仕事にするまでは、アイドルって本当に特別な人にしかなれないものなんだろうなって思ってたけど、いざ自分がなってみたら、アイドルになったことそのものじゃなくて、アイドルになってから、誰かにとっての特別な三峰でいられるように頑張ることがアイドルなのかもって感じてる。その過程が楽しいのは、サンちゃんも三峰も一緒だね!アイドルになる前は、私が私の枠を越えて行くことなんてできないだろうなって思ってたけど、ファンのみんなの前で安心して「イエーイ!」ってできるようになったのも、サンちゃんの言うようにアイドルになったからこそ踏み出せた一歩だと思うんだよね。それこそ、サンちゃんが質問してくれたように、三峰が『はっちゃけられてる』かどうかはわからないけど、自分の慎重な部分はそのままで、ステージに立つときの自分はいつもの自分とは少し違う感じといいますか。アイドル『三峰結華』でいられるようにって!だから、オンとオフっていうのはたしかにそうなんだけど、自分の中で、アイドルとしての『三峰結華』の枠が広がっていってるって感じかも?


富:
広がる、かぁ。

三峰:サンちゃんが言ってくれた言葉を借りるなら、私の中には一歩踏み出した三峰がいるけど、同時に踏み出せなかった三峰もいるんだよね。それで、どっちの三峰も私の一部だから、踏み出した分だけ「私」は広がるし、引っ込んじゃっても、その引っ込んだ方向に「私」は広がっていくと思うの。前に出るときと抑えるときと、それぞれオンとオフは切り替えるけど、三峰自体は少しずつ、内側から自分の枠を押し広げている感じというか・・・。あれ?えへへ、ごめん!自分でも何を言ってるのかわからないや・・・!


富:
ううん、わかるよ!アイドルでいるときと、自分でいるときのモードをカチッと切り替えるのかと思ってたけど、私たちは内側から私たちのできることとか、思いとか、そういうものを少しずつ大きくしていって、みんなを楽しませたり喜ばせたりできる可能性を増やしていく、みたいなことだよね?

三峰:うん、そんな感じかな!もちろん、表と裏がしっかりあって、カチッと切り替えてアイドルとしての側面を見せることが上手なアイドルさんもいるから、人によるとは思うけどね!


─ 三峰さんがこれまでで「はっちゃけたなぁ」と思われたことはありますか?

三峰:アンティーカの感謝祭イベントを行ったときは、結構はっちゃけたな〜って気がします。ユニットとしても緊張感のある時期を過ごしていて、そんなときにステージに立つ意味ってなんだろうなと考えてたんです。でも、私たちが抱えている課題は見せ物ではないですし、ファンのみなさんには、三峰たちがどんな事情を抱えているかっていうことなんて気にさせずに楽しんでもらいたいなって気持ちのほうが強かったですから、絶対にやり切ってみせるって思ってました。幸運なことに、感謝祭の本番までにメンバー間できちんと話し合うことができて、それまでより強い絆を築くことができました。そういうこともあって、感謝祭当日はすごくはっちゃけられたなって思います!それこそ、立ち止まって引っ込んでしまった分だけ私の枠が広がったと思いますし、勇気を出して、一歩踏み込んだ話をユニット内で交わせた分だけ、私たちは大きくなったような気がします。

─ 感謝祭イベントの盛り上がりはすごかったですよね。三峰さんだけではなく、アンティーカのみなさんや、ファンのみなさんの熱狂もすごかったとお聞きしております。

三峰:最高の瞬間でした!

─ 富さんは、「はっちゃけられたな」って瞬間はありますか?

富:音楽番組の『ミュージック・テレビジョン』に出演したときです。あれだけ大きな番組に出演させてもらえた機会は初めてだったのもあって、本番直前まで本当に緊張していたんですけど。生放送のCM中、視聴者のみなさんには見えていない場面で司会者さんと他の出演者さんたちがお話を振ってくれたんですね。私たちの緊張を解こうとしてくださったのだと思うんですけど、会場全体が温かいムードになるような場を作ってくださったんですね。最初はアウェイな場所にお邪魔させてもらってる気でいたんですけど、そのときは、会場のお客さんたちも温かく笑ってくれたりして。あぁ、ホームみたいに受け入れてもらえてありがたいなって。こうやってみなさんで歓迎してくれるなら、思いっきりやってみようかなって思えたんです。その日のステージは、自分なりにはっちゃけました(笑)。

─ あの日、ネットニュースになってましたよね。『サンタナスマイル』が話題になりました。


富:
それ、全然覚えてないんです!ふだん、私だけがカメラに抜かれることだって稀なのに、あんなにカメラ目線で笑ってて、しかもウインクまでしてたなんて!あの画像を見たときは「どういうこと!?合成!?」って思いましたもん(笑)。

三峰:それってきっと、サンちゃんのアイドルの部分が広がった瞬間なのかもしれないね!

富:ほんと、そうかも!さっき話したみたいに、会場の人たちが受け入れてくれる雰囲気を作ってくれたから、大丈夫だって思えたのかも!


─ 読者からお手紙をいただいております。『おふたりがアイドルになったきっかけはなんですか?』とのことですが、三峰さんはスカウトでしたよね?具体的にはどんな感じで?

三峰:雨宿りをしてたら、突然スカウトされちゃいました!たまたま私と同じ場所で雨宿りをしていた男性・・・現在のプロデューサーなんですけど、私が落としたものを拾ってくれて、お礼を伝えたら、いきなり。

富:ええ!すごい、運命!?

三峰:いやいや、運命って感じではなかったかも?グッズを拾ってもらって、そのあとすぐに「アイドルに興味はありませんか?」って言われたので、変な人なんじゃないかって疑ってました・・・!

─ たしかに、それだけでは疑ってしまいそうですね・・・!

三峰:
ですよね・・・。なので、その場から離れる算段を考えつつ会話を終わらせようとしたんですけど、名刺を渡されて「本物っぽい?」って思ってからは、つい浮かれてしまって・・・。もともとアイドルに興味はあったので、「よろしくお願いします」って返事をしてしまいました。三峰、ちょろすぎるなぁ(笑)。

富:やっぱり運命的だよ!すごい!

三峰:けど、そのあと帰ってからすっっっごく迷ったんだよね・・・。知らない人にいきなりアイドルに誘われて、相手が本当に怪しい人じゃないのかとか、事務所だって実在するかもわからないのに。なにより、舞い上がってすぐ返事をしちゃったこととか、何やってんだ〜〜って感じ。でも、事務所のことを調べたり、見学させてもらったり、プロデューサーともうちょっとちゃんと話してみたり、親に相談したり、いろいろと少しずつ外堀を埋めるみたいにしていって、信じてみようかなって思えたんだ。当時は、「迂闊だったなぁ〜!」とも思ったけど、あのとき断らなかったおかげでいまがあると思えば結果オーライなんだけどね!

富:みっちゃんは、そのときにアイドルの一歩を踏み出していたんだね!

三峰:まぁ、そうなるね!


─ 富さんがアイドルになられたきっかけはなんですか?

富:私も、実はスカウトなんです。といっても、もともと音楽志望でボーカリストとして活動していた頃になんですけど。ライブを見てくれていたらしい業界の方から「君はボーカリストなんだから、もっとエゴを出しなさい」って言われちゃったんです。けど、そのときは「エゴ」って言われても全然ピンと来なくって。私にとっては、ボーカルも音楽を奏でる楽器隊のひとつって感じで、自分一人でやるものだとは思っていなかったから。いま思うと、たしかにボーカリストとして活躍されている方々ってすごく自分を持っているなっていうのはわかるんですけど、当時はそれが全然わからなくて。そのあとも、その業界の方はライブを見に来てくれて、その度に声をかけてくれていたんですけど、最終的に「あなたはあんまりエゴイストじゃないかもしれないけど、周りと調和する能力はありそうだから、アイドルユニットを組んでみない?リズム感もいいし、ダンスもこれからやっていけば全然大丈夫だし」って誘われて。ちょうどその頃、よく手伝ってくれていたバンドさんたちがそれぞれ忙しくなってきてバンドとしての活動が停滞しちゃってたから、私もボーカリストをやめて誘われるがままにアイドルになったんですね。あ、その業界の人っていうのは、いまいる事務所のスカウトさんだったんですけど、私のボーカリストとしての活動についてよく指摘してくれてたので音楽関係の方なのかと思ってたら、実はただ、私を自分のアイドルプロジェクトに加入させようと躍起になっていただけみたいなんです(笑)。考えてみると変な口実でしたし。おかげで、いまはユニット活動はすごく楽しいんですけどね!


─ エゴを出すということについては現在も探求中ですか?

富:うーん。そうでもないです。「はっちゃけたい」とは言ったものの、それはユニットという輪があってこそで、その中で「ワーイ!」って気持ちでいたいのはありますが、「エゴを出していく」っていうイメージとはまた違うような気がします。


─ なるほど。三峰さんは、ユニット内でエゴを出すぞ〜と思うことはありますか?

三峰:どっちかというと、三峰もサンちゃん側かもしれないです。アンティーカとして初めて歌の収録をしたときの話になるのですが、他のみんなはすでに歌録りを終えていて、最後に三峰が単独で録ったんですね。そうすると、みんなの声を聞きながら録音できるので、歌唱の際に全体のバランスを取るように歌ってたんです。「ここの部分、ちょっと空いてるみたいだから三峰でカバーできるといいな」みたいな。でも、そしたら監督さんから「もっと真ん中に立って歌ってみて」って言われちゃって。最初は「三峰が真ん中!?ムリムリ・・・!」って思いましたね。アンティーカって、みんなが『個の力』をしっかり持っていると思っているから、しかも、ユニット活動が始動したばかりの頃だったので「私がこのメンバーで真ん中って、いちばん凡人なのに・・・!?」って大袈裟なくらいビビってしまいまして。でも、私の場合はサンちゃんと違ってそこでバランスを取ろうにも、そもそもそこまでバランサーだったわけでもなかったみたいで。制作スタッフさんから「あなたはバランスを取ろうとしているかもしれないけど、それは一旦やめてみよう。欲しいのは『個』だよ。バランスをまとめ上げるのは僕らの仕事だから、まずは自分本位に歌ってみてください。」って言ってくれて、やるしかない!って思ったんです。それが最終的にエゴと呼んでいいものなのかはわからないけど、とにかく『三峰結華としての個』が出せないと、この先もアンティーカとしてやっていけないんだなって、その時ばかりはアクセル全開で行きました・・・!

富:それって、どの曲?

三峰:『幻惑SILHOUETTE』!三峰がソロで歌っているパートがあるんだけど、完成品を聴かせてもらったとき、あそこ使ってもらえたんだ〜!って嬉しくなりました!



─ ありがとうございます。続いてのおたよりです。『アイドルになって良かったと思う瞬間は?』

富:うーん。これはいっぱいあるなぁ。

三峰:同感・・・!

富:私の場合、視野が広がったことがありますね。まず、先ほどみっちゃんが言ってたように、アイドルって自分とは関係のない特別な子だけがなるものだと思っていたんですけど、いざなってみても、私は特別になれたんだって感じはしなくて。アイドルだから特別だってわけではないんだなってことを学べたし、どちらかというと、みんなが私のことを特別にしてくれているんだなって。見え方が変わったと言いますか、だから私も、頑張って特別でいられるように変わっていこうって思えるようになりました。

三峰:わかるなぁ!私も、アンティーカのみんなと出会えたこととか、ファンのみんながいてくれること、プロデューサーと出会えたことも、そういうことは特別な経験だったなって思えるけど、三峰自身が特別になったっていうよりかは、みんなのおかげで特別な思いをさせてもらえているっていう気持ちだよ。

富:そう!そうなんだよね〜!だから、そういうかけがえのない瞬間について思うとき、心から「アイドルになってよかったな」って思うんですけど、一方で、みんなが私を特別にしてくれるなら、私はもっと特別でいられるようにしなくちゃって思うんです。

三峰:責任っていうと義務みたいになっちゃうけど、みんなを裏切るようなことだけは絶対にしたくないって思うな。

富:うん!そうじゃなくちゃ、みんながしてくれたことがぜんぶ嘘になっちゃう気がする!ドッキリじゃないんだから、ちゃんとやらなきゃ!

三峰:サンちゃん・・・!三峰、愛娘の頑張りを見ているような気持ちになってきたよ・・・。ハンカチは─。

富:みっちゃんだって私と同じようなこと言ってたでしょ!(笑)


─ 最後にもう一つおたよりです。『今後、どのようになっていきたいですか?アイドルとして、あるいはその先の夢があれば知りたいです』。

三峰:しばらくは、目の前のことを一生懸命頑張りたいかな〜って思います。大学にも通っているので、そっちの自分も絶対に無駄にはしないように。そのあとのことは、なんとなくは考えているんですけど、ごめんなさい!まだ言葉にできるほど固まってはいないです!

富:私はまだまだアイドルやっていきたいです!その先の夢をどうするかというよりも、まずは今できることを積み重ねていったら、その先でまたアイドルでいることが続いていたらいいなって。さっきみっちゃんがお話ししてくれたみたいに、もっともっと自分の領域が広がって、アイドルとしての自分の割合がすごく大きくなったらなと思っています!あと、できればもっと、はっちゃけられたらいいな(笑)!



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