風野灯織のひとり旅 1月
1月3日(金)
今日は初詣に行きました。といっても、もう二回目なんです。
元旦には、家族とよく行き慣れた近くの神社へ行きました。大きなところではないので、午後にはもう人がまばらでした。この時期でしか味わえない街の静けさが心地良かったです。
あの感覚をもう一度味わいたくなって、今度は一人で参拝してみようと思い立ったんです。なんて、実際にはそんな大げさなものではなく、ここ一年、アイドルになってからの日々が忙しくて充実していたのもあって、予定がなくスッポリと空いた三が日に飽きてしまったと言いますか、何かしていないといけない気がしてしまったというのが、本当のところだったりします。
実をいうと、明日と明後日にはイルミネで泊まりがけのお仕事が入っています。集合時間の前に、三人で初詣をしようって約束をしているので、今年は全部で三回、初詣をする予定です。こうなると、もう「初詣」と呼んでいいのかよくわかりませんね(笑)。でも、なんだか幸せなことだと思います。
年が明けてすぐ、新年の挨拶で二人とはちょっとだけ電話をしたのですが、会うのは一週間ぶりなので、楽しみです。
さて、今日のお話です。大晦日は自宅で少しだけ夜更かししてしまったので、生活リズムが崩れてしまいました。取り戻さないといけないので、七時起きたあと、朝日を浴びようと思って少しだけランニングをしてきました。起床してすぐは体温も低いですから、出がけに白湯を飲んで体を温めました。これは以前、真乃から教えてもらったんです。体が本当に目覚める感じがして、良い習慣だと思いました。それでも、ひとたび外へ出てしまうとしばらく走って体温が上がるまで、すごく寒かったです…。
三十分くらい走ったあとは、帰ってシャワーを浴びました。本当は、そのまま参拝しても良かったのですが、今回はいつも行く神社とは違うところへ行ってみたくて、そうすると、ランニングのルートとは反対側になってしまうので、体が冷える前に帰宅することにしました。もう少し、日が高くなった頃に行こうと思います。
自宅は静かで、家族はまだ眠っているようでした。せっかくのお休みなのに、起こしてしまわないようにそっと冷蔵庫を開け、ラップの掛かった豆皿から、黒豆をつまみ食い。お正月ならではって感じがして、こういうのも楽しいですね。
自分の部屋に戻って、何をしようかなと考えていたのですが、年末の時期に前もってやってしまったことが多く、思ったよりやることがなくて。暇だなぁって感じるのは久しぶりかもしれません。そんなことを考えていたら、知らない間にウトウトしてしまって、気がついたらグッスリと二度寝をしてしまっていました。いつもだったら「やってしまった・・・!」と感じるところでしたが、これもお正月らしくて、こういうのもアリなんじゃないかって思いました。「お屠蘇気分」というやつでしょうか。
家族が起きてきて、テレビが付いたからか、少しずつ生活らしい音が聞こえてきました。ちょうど、換気をしていた窓の外からもどこか賑やかな気配がします。
朝だと思うと少し遅い、でも、お昼と思えば少し早いご飯を食べ、居間に日が差し込んで来た頃に、新年二回目の初詣に出発です。
自宅を出てすぐ、いつもは向かわない方へと向かって歩き出します。見慣れない景色というのは不思議で、その時点で、新しいことが始まったかのようなワクワク感がありました。おおよその場所は知っていたものの、間違えてはいけないと思い、立ち止まってはマップを確認しながら歩いていきます。
この街の好きなところは、よく陽が差し込むところです。駅前はそれなりに栄えていて、大きなビルがいくつか立ち並んでいるものの、それらを遮る建物がないため、太陽が真っ直ぐ当たるんです。自宅からは離れてしまいますが、少し足を伸ばして川沿いまで行くと、水面に反射した夕焼けが見られます。本当に綺麗で、すごく好きです。
天気は快晴。とはいえ、最高気温が八度のですから、やっぱり肌寒い...。なるべく日なたが多い道を選びながら、二十分くらいかけて神社へ到着しました。
鳥居が立派なこの場所は、この辺りでは歴史がもっとも古く、この街を守ってきたと言い伝えられているそうです。「畏敬の念」というものでしょうか。なんとなく、お辞儀をしてから境内へ入りました。
思ったより人が多く、まだまだお正月であることを感じます。鈴を鳴らそうと思ってならんでいるとき、他のみなさんが手を合わせている様子を眺めていると、ここにいるみんなが、それぞれの願いを抱えてここに来ているのだなと、不思議な気持ちになりました。
私の番になりました。お賽銭に小銭を入れ、木札に書かれた作法の通りに礼を済ませました。何を願ったかは、秘密です(笑)。
明日も、真乃とめぐるとまた別の場所で初詣をします。ふと思ったのですが、こんなにいろいろな場所でお願いごとをしてしまって良いのでしょうか。欲張りだと怒られたりしないかな。ちょっとだけ不安になりました。でも、真乃とめぐるを神様に紹介したいなって気持ちもあったりします。やっぱり、楽しみだなぁ。
今年もイルミネーションスターズを、風野灯織をよろしくお願いします。