M-1グランプリ2024 準決勝・準々決勝感想
1.準決勝の感想
ついに出揃ったファイナリストたち。準決勝はライブビューに行きました。どのコンビも甲乙付け難いハイレベルな闘いでしたが、予想は例年のごとく半分も外しました。
ただ外した4組が個人的にめちゃくちゃ面白くて、当てた5組は好きよりも誰もが当確と思ったくらい当てるのイージーだったと思います。
ネタバレ無しですが、ダンビラムーチョと家族チャーハンが面白すぎた。。。
それからインディアンスはM-1の4分ではもうきついのではと思っていましたが、ものすごく仕上がってた。3年ぶりに準決勝まで勝ち上がったの理由がわかる完成度でした。
心配なのはフースーヤ。4年くらい前から決勝に行っていいレベルの実力ではあるのに、なかなか恵まれずネタも認知も消費され続けています。ラストイヤーまではまだまだあるものの、年を重ねるごとに厳しい闘いになりそう。
一体誰が敗者復活を制し本戦に返り咲くのか。楽しみでたまらないです。
2.準々決勝の感想
全組見て特に好きだったコンビをピックアップします。なんで準々決勝に行けなかったの?というくらい面白かったです。
1.キュウ
もはや周知の世界観ではあるものの、ぶれないキャラと独特な言葉遊びは冴え渡り続けています。ツボると永遠に笑ってしまうけど2年前のファイナルのように初手で掴めないと苦しいスタイルではあるのかもしれない。
2.三遊間
正統派ど真ん中のネタの強さは若手にも関わらずどっしりと安定感を感じます。
パワーワード無しに充実した掛け合いが魅力的で、いずれ決勝の舞台で輝くんじゃないかなと期待しています。
3.コーツ
永田敬介が漫才をしている喜びがここにあります。
ワードセンスと闇のニンの強さは他の追随を許さない。地味にネタへの入りが速いのも構成として凄いなと思いました。
4.華山
誇張なしに20回は見ました。なんで敗退したのか一番解せない面白さでした。
こちらはキャラが周知されればされるほど面白さが浸透していくコンビだと思うのでいっそ東京進出して露出増やしてみたら?という気もします。
5.涼風
お恥ずかしながら、存じ上げておりませんでした。
とんでもない収穫です。詳細後述。
先日偶然東京に来られており、たまたま予約していたライブにも出演されていて生でみましたが、抱腹絶倒しました。
3.凄いぞ涼風!!
ワイルドカードは華山と悩みに悩んで涼風に投票しました。
このネタはマジで凄かった。
(できれば視聴いただいて下記の語りを読んでほしい)
4分のネタで1分の語りが2回、沈黙が10秒。半分以上笑いが起きない構成になっています。これが如何に胆力があることかは他のコンビと比べても明白。
加えてこの二人の漫才も際立ったパワーワードは無いんですよね。
沈黙とまどろっこしい語りを逆手にとったくだらない切り口が誰も予想できない展開を作り上げているようで、度胸が凄いなと思いました。
初手のツッコミ(もはやボケ)は「ほうれん草のクリーム煮では米進まんよ」なのですが、語りの部分では直接そうは言って無いんです。
実家に帰った時のご飯が「お母さんの得意料理がほうれん草のクリーム煮」「ご飯もパックじゃなくてちゃんと炊いてる」の2文で語るので全く違和感がない。
「クリーム煮」というワードも確かに少し引っかかるワードではありますが、その「少し」が絶妙でした。語りに1分割かなければ頭に残るワードだったと思います。その後のダラダラした1分で、「ワードは覚えているけど気にならなくなるレベル」まで薄めたことが技あり。
次の語り1分ではそのスタイルを見せながらさらに強い構成。
さらに凄いのは残りの1分半はグッと二人の会話を詰めることで、ゆっくりな話なのに相対的に終盤がラストスパートに感じてしまう。時間配分までも完璧に思わされる展開を作り上げていました。
これも玄人好みになって一般層置き去りになってしまうのかな?いやいやそんなチンケなレベルでは無いはず。
このネタを見た後にもっと二人の漫才を見たい!と可能性ほぼ0の大阪転勤を妄想し、楽屋Aと職場にアクセスのいい物件をsuumoで探してしまうほどに大好きになりました。
この二人、要注目。
youtubeに完全版もあがっております。