書評:武者小路実篤『友情』
男の大失恋と友情の感涙物語
主人公野島の大失恋と男の友情の物語。
この小説の主題・プロットは非常にストレートである。私自身は文学を読む際に、自分にない価値観など謂わば「私とは異なるパラダイム」のようなものを求めることが多いため、そういう意味においては私の読みたいものと真逆の作品であったのかもしれない。
にもかかわらず、いや、であるが故にと言ったほうが適切だろうか。
普通に感動である。
野島が不憫でならない。
本編では恋にやぶれた野島のその後は描かれていない。決意と絶望の吐露で幕を閉じる。こういう主人公には感情移入せずにはいられない。「野島、ファイト!」である。
やはり日本文学に対しては、私は客観的に書評を書く能力を持ち合わせていないということを痛切に感じてしまった次第である。
読了難易度:★☆☆☆☆.
シンプル感動度:★★★★★.
男女共感度:★★★☆☆.
トータルオススメ度:★★★★☆.
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