埋飯はなぜ必要か

酒造勉強の記憶定着を目的に、調べものをつらつらとnoteにまとめはじめてみます。
ほぼ読み手はいないでしょうが、間違え指摘、違った意見、質問等あれば是非。
酒屋万流なので違った見解沢山あると思います。
そして、酒だけじゃなく発酵界隈の学びにも広げて書いていこうかと思います。まずは投稿を続けていくことに励みたいです。

さて、最初は生酛における埋飯(埋け飯とも。いけめしと呼ぶ。)です。
掛米において、蒸した米を通常は急冷します。こうすると外は硬く中は柔らかくなります。これをあえて芯も硬い米にする必要があり、埋飯をします。

え?なんで必要なの?ってなりますよね。

結論、乳酸菌を最初に増殖させたいから。でした。
乳酸菌が増殖すると酸度が高まります。そういった高い酸度の中でも増殖できる酵母の健全な増殖環境を目的としているというものでした(厳密には酵素の働きで糖も濃くなる。つまり、酸が多く糖が濃い環境でも増殖できる酵母の育成が目的といえます)。
米が溶けやすいと溶けてどんどん水っぽくなります。水っぽくなれば酵母が増殖しやすく、さらに乳酸菌が増える前なので酸も低い環境です。故に雑菌(酒造に好ましくない酵母など)の増殖へとつながります。
これを避けるためにまずは乳酸菌を増殖させたい訳です。
よって、水っぽくならない様、芯まで硬い蒸米にすべく、埋飯という行為は非常に理にかなっている訳です。

まとめ
酵母=増殖、発酵には水が必要。
乳酸菌=増殖、発酵に水をそこまで必要としない。
この特性を生かし、乳酸菌が増殖するまでは水っぽくならない(米が溶けて水っぽくなるまでに時間を要する)ような過程で進めていく、これが埋飯です。
乳酸菌が増殖し、多酸、濃糖となった環境でも増殖できる酵母=清酒造りにおいて好ましい酵母。この有益な酵母の増殖を意図し埋飯をしています。

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