かつて日本に席巻したノーランズ「ダンシング・シスター」(原題と無関係なタイトル)

子供の頃、弘前市土手町の商店街には、祖父母の家、父の実家があって、よく遊びに行っていた。土手町はいわゆる中心市街地で、当時はアーケードもあって、天候に気にせず近所のお店に遊びに行ける素晴らしい立地だった。

この商店街での記憶をたどっていったときに、なぜか必ず流れているのは、ノーランズの「 I'm In the Mood for Dancing」。全くタイトルを覚えていなかったが、それもそのはず、日本でのタイトルは「ダンシング・シスター」なのだそう。原題とは特に関係がなくて、女性グループのノーランズのメンバーが、歌って踊っているから「ダンシング・シスター」なのだろうか。ひどいタイトルだ。

Wikipediaで調べてみると、英国での発売が79年、日本では80年7月にリリースされている。とすると、この年の夏休みか、あるいはお正月に、商店街の放送で流れまくっていたのだろう。

今、土手町商店街にはアーケードがないので、正月にノーランズの曲が流れまくる中、雪を気にせずにお年玉を握りしめていた頃の風景は、もう残っていない。この商店街の風景と、英国のグループ、ノーランズとは、難の関係もない。
英国のグループの曲が、青森の商店街にも浸透していって、商店街のキャンペーン用放送でも使われるようになる。80年頃の日本の音楽シーンには、まだこうした「舶来信仰」のようなものがあった。私の個人的な記憶で終わらせず、無理やり意義付けしようとするならば、そんなところだろうか。


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