いいじゃないかコミュニティFM
(稚内北星学園大学の授業で、学生が書いた記事。)
私は普段からラジオを聴いている。ラジオ好きといってよい。聴いているのはいわゆる「県域放送」だけ(北海「道」全域で流れているので、道域放送?)。コミュニティFMを聴くことはほとんどなかった。
そんな私が今回、大学の授業でコミュニティFMを訪れたのをきっかけに、あらためてコミュニティFMについて考えることになった。ラジオ好き学生疋田による、愛情あふれるコミュニティFM応援レポート。
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今回私は、大学の授業で実際にコミュニティFMのひとつであるFMわっぴーの現場を訪れ、取締役 放送部長の杉谷賢俊さんにいろいろお話を伺うことができた。
そもそもコミュニティFMとは、市町村の一部の地域において放送されているラジオのことで、最初は町の回覧板のような役割として始まった。その後、1995年に発生した阪神淡路大震災をきっかけに、停電時でも利用できるメディアとして、ラジオが再注目され、防災対策や災害時の貴重な情報手段として活用されるようになった。
災害時のコミュニティFMの役割に関して、杉谷さんから、FMわっぴーの災害時の体制を教えていただいた。
まず緊急告知防災ラジオ。稚内市より緊急のお知らせがある際に、信号を送ることで自動起動し、情報を伝達することができるというものだ。電源と良好な受信環境が確保されていれば、ラジオを聴いていなくても自動起動し、他の局のラジオを聴いている時は自動的に周波数がFMわっぴーに切り替わって、緊急情報が送られてくる。この緊急告知防災ラジオは稚内市民に無料配布されており、多くの市民がFMわっぴーからいち早く情報を得ることができる。
緊急情報以外にも、災害特別放送が行われるようになると、生活情報その他市民のほしい情報が、わっぴーを通じて放送されるようになる。災害時におけるFMわっぴーの役割は非常に大きい。
今回平常時の放送内容をあらためて確認してみて、私が最も感じたのは、FMわっぴーは稚内市民の生活の一部として、非常に有用性が高いということだ。その日起きた地域のニュースはもちろん、お買い物情報や旬の話題を知ることができる。また、実際に現場へ足を運び、現場の音を生中継で届けるというユニークな放送形態も追求しているという。地域とのふれあいを大事にする取り組みは、県域放送にはできない、コミュニティFMの強みである。
今回、FMわっぴーを訪問し、番組を聞いてみて、私の中でのコミュニティFMの印象が大きく変わった。以前は、コミュニティFMの必要性がわからず、県域放送があれば十分だと思っていたが、コミュニティFMだからこそできる災害時の的確な情報提供、ラジオを通じて広がる市民との交流や関係性づくりが市民の心のよりどころになっていることがわかった。しかしその一方で、若者のリスナー層が少ないという問題点もあるようだ。十代に向けた番組を増やすなどすれば、若い層も含めてコミュニティFMの良さを理解する人が増えるのではないか。少しでも多くの人に、コミュニティFMのことを知ってほしいと思う。
いいじゃないかコミュニティFM!
(疋田)