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コスタリカ旅行を考えている人たちへ 其の4
現在、世界のかなりの国では英語が通用する。
取り敢えず、ある程度英語が話せる、理解できれば、大抵の国ではそれほど不自由せずに旅行できるだろう。
グループツアーに申し込めば、同行の添乗員の方が、現地での細かいやり取りを代行してくれるし、日本語ガイドも付くので、言葉の不安は少なくなる。
それでも、現地の言葉で地元の人とコミュニケーションが取れたら楽しいものだ。
コスタリカはスペイン語圏だが、スペイン語圏は世界の広範囲に渡る。そして、国毎に少しずつ言い回しや発音などが変わってくる。日本の方言のようなものだ。
初めてコスタリカに来た頃、ヨーロッパ系とラテン系の人の区別は多少ついたが、同じスペイン語圏で相手がどの国の出身者かはまるで分からなかった。
まあ、中南米の人がアジア人の区別が付かない様なものだ。
耳が慣れてくると、相手の喋りで、大体出身国は分かってくる。
中米は小さな国が7カ国あるが、それぞれの国にて微妙に方言は存在する。
南米になるともっと変わってくる。
逆に私はコスタリカでスペイン語を覚えたので、ほかのスペイン語圏へ行くと、必ず一度は、コスタリカから来たの?と言われる。
他の国には無い、使わない、コスタリカ独特の言葉や言い回し、発音があるからだ。
ここでは、コスタリカ旅行での、便利なスペイン語を中心に解説していきたい。
Pura Vida
Pura Vidaの使い方
Pura Vidaという言葉、コスタリカでは日常的に使う大事な言葉だが、厳密にはスペイン語であってスペイン語ではない。
コスタリカでのみ通用する言葉であり、この単語を訳してもあまり意味がないからだ。スペイン語の教科書にも載っていない。
この言葉の語源は、1956年のメキシコ映画のタイトルだ。
メキシコではそれほど流行らなかった様だが、なぜかコスタリカでヒットし、主人公が映画内でこのフレーズを、
Puuura vida, no maaas!
と何度も叫んで使っていることが、当時の若者の間で流行り出し、いつの間にか定着する様になった。
主人公は、挨拶がわりに、また、嬉しい表現にこのフレーズを使っており、流行語としてコスタリカでも同じ様に使われる事となった。
現在では、公式に、コスタリカを表現するフレーズとして、コスタリカといえば、Pura Vida、が当たり前になっている。
発音としては、プラビダ、とカタカナ読みで全く問題はない。
少し感情を豊かに表すためには、
プーラビダと伸ばし気味に、出だしのプの部分にアクセントを強めに出せば完璧。
挨拶、感謝の気持ち、嬉しい気持ち、美味しかったり楽しかったりした時など、自分のポジティブな感情を表現したい時、この一言で事足りる。
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Pura Vidaを使う文例
まずは挨拶から。
"Hola buenos dias. Como estas?"
"Hola Buenos dias. Todo bien gracias y usted?"
"Muy bien gracias! Que tengas un lindo día."
ホテルなど、宿泊施設、観光施設でも日常的に使われるフレーズで、
おはようございます。気分は如何ですか?
おはようございます。全て良いですありがとう。貴方は?
全て順調です。ありがとうございます。良い1日をお過ごしください。
スペイン語圏では、よく使われるフレーズだ。
コスタリカでは、ここでPura Vidaを入れて省略ができる。
Como estas?
と、問いかけられた後、
Pura Vida!
この一言で全てを伝えられるのだ。
更には、Pura Vidaはコスタリカ国内のみで使われるフレーズなので、
外国人は使えないという前提だ。
だからそこでPura Vidaの一言が出た途端、コスタリカ人は嬉しくなり、距離が一気に縮まる。
レストランやショップにて、買い物や食事をした後、会計でもこのフレーズは使える。
スペイン語の一般的な、どういたしまして、の表現は、
"De nada"
コスタリカでは、これよりも、
"Con mucho gusto"
という表現が一般的には使われる。
この時に、Pura vidaと一言、この場合はどういたしましての代わりになる。
ツアーやアクティビティに参加した時、終了後にガイドや施設職員から、どうだったかの感想を求められる時はあるが、この時にも使える。
ツアーは楽しかったですか?など聞かれると思うが、その場合も一言、
”Pura Vida!" もしくは ”Todo Pura Vida!"
これで相手には素晴らしかったよ、という気持ちが伝わってくれる。
Pura Vidaに込められているもの
このように、Pura Vidaというフレーズは、自分が持っているポジティブな感情、感謝の気持ちなどを伝えたいときに、とても便利な言葉だ。
更には、とても良い状態である、だとか、良い人などを表現したい時にも使える。
例えば、
"Has visitado algunas playas de aquí?"
ここの何処かのビーチへは行きましたか?
"No todavia pero si quisiera ir."
まだですが、行ってみたいです。
”Debris ir a Manuel Antonio. La playa muy linda y muchas naturalezas. Lugar muy Pura Vida."
マヌエルアントニオへ行くべきですよ。美しいビーチと自然がいっぱいです。とてもPura Vidaな場所です。
この時に使うPura vidaな場所とは、自然に囲まれて美しく、心身ともにリラックスできる場所、という意味が込められている。
要は、お勧めの場所、を言いたいときに、Pura vidaを使う。
人も同じで、良い人を一言、Pura vidaで表現する。
自己紹介で、
”Soy pura vida"
私はプラビダです。
と最後に言えば、良い人なんだなと理解してくれるし、
"El es muy pura vida"
彼はとてもプラビダな人です。
など、紹介する事もある。
ここで面白いのは、Pura vidaは英訳するとPure life、日本語に直訳すると純粋な生き方の様になるのだが、
豊かな自然、平和、心の平安など、コスタリカの風土や気質に合っている物事や生き方を表現する時に使われる。
つまり、寝る暇も惜しんでバリバリと働く人、遣り手の成功者や企業、高層ビルに囲まれた大都市などは、Pura vidaの対象にはならないのだ。
自然の恩恵を享受しながら、身の丈にあった生活をしつつ、人生を楽しんでいる。
これが、コスタリカでの良い生活であり、Pura Vidaなのだ。
元々が貧しい自給自足の農業国だという認識が根底にあるのか、豊かな森に囲まれた、美しい農村の風景が、彼らの原風景。そこから流行ったPura Vidaなのだ。
スペイン語とコスタリカ
私はコスタリカに来て、スペイン語に初めて触れ、スペイン語が話せる様になった。日本のスペイン語学科とは無縁だし、スペイン語という語学も理解はしていないと思う。
私にとってのスペイン語は、あくまでもコスタリカで話されているスペイン語を聞き取、会話することができる、というものだ。
スペイン語を勉強している方にとっては、コスタリカで話されているスペイン語に、戸惑いや違和感を感じる方もいるらしい。
日本の方言の様なものに近いのかな、とも思う。
Ticoという概念
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Sloth Lifeを目指して
20年以上過ごしているコスタリカより、コスタリカを訪れたい人、リアルなコスタリカを知りたい方への情報発信をします。コスタリカは、現在世界中…
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