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中澤伸也のマーケティング本質論

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2020年1月の記事一覧

LTVを高めるたった一つの方法 Part1

独断と偏見に基づいてLTVを語ってみたいと思います。たった一つの方法とか書いてますが、なんとなくキャッチーな題名にしてみたかっただけです、すいません。。 LTVとは何か?LTVとは何か・・釈迦に説法ではありますが、直訳すれば「顧客生涯価値」を意味し、1人の顧客が一定期間にどれほどの利益をもたらしたかを示すマーケティング指標のことです。 顧客がある製品や企業・ブランドと継続して取引を行っている期間に支払った金額の合計から、その顧客の獲得・維持に費やしたコストを引いて算出され

CEM(カスタマーエクイティマネジメント)とは何か?

こんにちはRepro CMOの中澤伸也です。今回は「LTVを軸にした予算編成・管理会計」の実践手法として「CEM(顧客資産マネジメント)」について解説します。経営活動とマーケティング活動をリンクさせる事を目的とした方法論になりますが、主に小売業のケースを想定して書いています。 財務会計と管理会計そもそも「管理会計って何?」という声も聞こえてきそうですので、先に管理会計の説明をしておきます。大前提として、企業会計は、「財務会計」と「管理会計」に大別されます 外部報告のための

マーケティング グロースハック入門 Part5

こんにちは。デジタルマーケティング・グロースハック入門第5回目です。前回は貢献アイテムへのユーザー誘導方法についてお話しました。今回は、グロースハックの根幹となる「ABテスト」について、「ABテストは顧客との対話である」というお話をしたいと思います。 ABテストは顧客との対話まずメソッド全体の目次を貼っておきますね。それぞれのリンクをクリックすると各パートに飛びます。 0: 事前準備(Part1) 1: まずはバケツの穴を塞ぐ(Part1) 2: バケツの穴は後ろから塞ぐ

マーケティング グロースハック入門 Part4

デジタルマーケティング・グロースハック入門第4回目です。前回はグロースハックの肝となる「貢献アイテムを見つけよう」というテーマで書かせて頂きました。今回は、貢献アイテムにどうユーザーを誘導するのかを書きたいと思います。キーワードは「映像で想像する」です。 いかに貢献アイテムにユーザーを誘導するかまず、最初にメソッドの目次を貼っておきますね。一番最初からお読み頂くのが、一番理解しやすいと思います。 0: 事前準備(Part1) 1: まずはバケツの穴を塞ぐ(Part1) 2

マーケティング グロースハック入門 Part3

グロースハック入門、第3回目です。デジタルマーケティングにおける、グロースハックのメソッドについて解説します。今回お話する原則は「貢献アイテムを見つける」です。メソッド全体の「肝」の部分にあたります。 はじめにデジタルマーケティング・グロースハック「10原則」のうち、今回は4番目と5番目の「貢献アイテムを見つける」をテーマにお話します。なお、10原則を以下にまとめておきます。Part1、Part2でお話した部分はリンクを貼っておきますので、できるだけ、1、2、を読んだ上で

マーケティング グロースハック入門 Part2

前回に引き続き、デジタルマーケティングにおける、グロースハックのメソッドについて解説します。今回お話する原則は「二兎を追わない」です。デジマ初心者の方、または担当者の教育に悩まれるマネージャーの方向けに作成しています。 前回の振り返り前回のPart1では、このメソッドが一般的なECサイトやアプリを対象とし、CVRを向上させる為の、全体的なグロースハックメソッドについて書かれているという事と、メソッドそのものの重要性、そして「事前準備」と「10個ある原則」のうち、前半2つを紹

マーケティング グロースハック入門 Part1

今回からは、デジタルマーケティング初心者の方、または、部下の育成に悩むマネージャーの方向けに、グロースハックの基本的な「メソッド」について書いていきたいと思います。例によって中澤自身の経験に基づくオリジナル手法のため、一個人の意見としてお読みください。 はじめに・・まずはじめに、この記事がどういった事を書いていくのか、その前提条件も含めまとめさせて頂きます。 どんな人に読んで欲しいの? ・Repro等のWeb接客ツールを用いて、WebサイトやアプリのCVR改善を担当する事

LTVを高めるたった一つの方法 最終回

LTVのお話、最終回です。これまで色々書いてきましたが、やはりマーケターも本質的価値にアプローチする事が大事と思っています。そしてその一歩として「マーケティング・サービス作らない?」という内容を書きたいなと思います。 LTV向上には本質的価値の向上が必要前回、Part5で書いた通り、マーケティングコミュニケーション等による「取引コストの削減」は、ユーザーの全体としての「体験価値」に与える影響はそれ程大きくは無いというのが現実です。 アマゾンは確かに卓越したマーケティングコ

LTVを高めるたった一つの方法 Part5

LTVのお話5回目は、具体的に顧客にとっての「取引コスト」をいかに引き下げるか、という点について考えてみたいと思います。例によって、独断と偏見に満ちた内容のため、もしかしたら業界関係者の皆様に怒られるかもです。 はじめに・・・まず、皆さんの置かれている状況によって、様相はだいぶかわります。 前提として、今回は、本質的価値(製品やサービスそのもの、または品揃えや価格決定権)をコントロールする権限が無く、プロモーション等のコミュニケーション面しか、いじれない場合を前提としてい

LTVを高めるたった一つの方法 Part4

今回は、ECをモデルとした場合に、LTVを向上させる為に、どのような戦術を取っていく必要があるのか、その優先度も含め、毎度ながら独断と偏見に基づいて考えていきたいとおもいます。 Part1のおさらいPart1の投稿で、LTVを高めるには「本質的価値」を上げ、「取引コスト」を下げる事で、「総和としての競争力」を高め、ユーザーから選択される確率を上げる必要がある、という趣旨の説明をさせて頂きました。 【本質的価値】 ユーザーが解決したいと考えている課題に、直接的に応える価値。

LTVを高めるたった一つの方法 Part2

LTVのお話第2回目です。前回のPart1ではLTV構成要素のうち、顧客からの収益面、主には顧客維持率をどう上げるかを中心に論じましたが、今回はLTVを経営活動とどう連動させていくのか、そのマネジメント面のお話をしたいと思います。(主に小売業を対象に書いてます) LTVをマーケティング課題から経営課題にするためには?主にマーケティング的な話題として取り上げられるLTVですが、本来は最重要な経営課題の一つであり、企業経営マネジメントにおける最重要KPIの一つです。 企業の本