経路決定は「迷路の謎解きゲーム」なの!?:ルーティングプロトコル「OSPF」
「ルータの経路計算って、迷路ゲームみたいなものか?」
はい、こんにちは!松井真也です。シリーズ「基礎から分かる!ルーティング大全」第10回でございます。
前回は、「RIP」というディスタンスベクタ型ルーティングプロトコルをご紹介しました。
RIPv1では、ルーティング情報の交換にブロードキャストを使用したり、クラスレスのルーティングができないといった問題がありました。他方、RIPv2では、それらを解決し、マルチキャストを利用し、またサブネットマスクも利用できるようになったのでした。ただ、今ではRIPは積極的に利用されません。
さて、今回は、リンクステート型ルーティングプロトコルの代表格「OSPF」(Open Shortest Path First)をやりましょう!すでに少し触れましたが、OSPFはデータがAS(自律システム;一つの管理者が管理するネットワーク単位)内を効率的な経路をたどって目的地に届けられるようにするためのプロトコルです。IGP(Interior Gateway Protocol)として、現代の主流のプロトコルですよ!
RIPといったい何が違うのでしょうか?早速見てみましょう!
OSPFとは?
OSPFは、IGPのルーティングプロトコルの中でも、特に広く利用されているものです。その効率性と信頼性から多くの企業や組織に選ばれています(ただ、超個人的には単語が覚えにくい(オーエスピーエフと発音)のが嫌ですがw)。
では、そのOSPFはどのようにして最適な経路を選ぶのでしょうか。
OSPFはリンクステート型ルーティングプロトコルに分類されます。すでに、過去記事で簡単にご紹介済みですね。が、少し触れておきましょう。
この方式では、各ルータがLSA(Link State Advertisement)と呼ばれる情報を交換し、ネットワーク内の他のルータとの接続状況(トポロジー情報)を把握します。
この客観的な情報を基にしてダイクストラ法と呼ばれるアルゴリズムを用いて最短経路を計算するのです。
ダイクストラ法?これまた、おどろおどしい単語が来ましたね~w。
迷路ゲームはお好き!?ダイクストラ法とは?
まず、ダイクストラ法をシンプルに説明すると、これは「迷路を解く方法」のようなものです。
では想像してみましょう。
あなたが迷路の入口に立っていて、出口までの最短ルートを見つけたいと思っています。迷路の中にはたくさんの分岐点(ノード)があり、これらのノードはさまざまな道(エッジ)で繋がっています。それぞれの道には距離(重み、コスト)が割り当てられていて、あなたの目標は、これらの道を通って、できるだけ短い距離で出口に到達することです。
さあ、どうやりますか?てきとうに歩きまくる?それじゃダメなのよw!「下の経路がいいんじゃないか?だって分岐点が2つだけだから」って、それは「RIP」と同じ発想ですよ~w。エッジの距離(コスト)を考慮しないといけないんです。
でも、まずはダイクストラ法とは何か分かった気分になれましたでしょうか?(私は数学的なことはさっぱり分からないです…)。
帯域幅を踏まえた緻密な計算
では、OSPFとはどう関係があるのでしょうか。
OSPFでは、ダイクストラ法を使って、「データパケットの迷路」の中で最短経路を見つけます。ネットワークの各ルータ(ノードに相当)は、ダイクストラ法を使って、他のルータへの最短経路を計算し、その結果をもとにデータパケットを効率的に目的地まで送り届けます。
OSPFでは、エッジの距離(重み、コスト)と呼んでいるものは、基本的に回線の帯域幅のことです。これにより経路の優先度を決めるというわけです。
では、より詳細な経路決定についてお話し、、、したかったのですが時間切れです。次回に回させてください。ダイクストラ法のお絵描きに時間を使ってしまいました…w。お許しください。
はい、本日はここまで!今回は、OSPFの概要とともに、その経路計算アルゴリズムであるダイクストラ法についてご紹介しました!
次回は、OSPFの続きをやりましょう!では。