『”推し”といつでも疑似恋愛できる』そんな願望を”AI”が叶えてくれるかもしれない|海外スタートアップニュース
10年前の2013年、「Her」という映画が公開されました。
この映画は、人格を持つ最新の人工知能型OSに恋をする男を描いた物語です。
「Her」のようにAIと「恋愛関係」となるまで交流ができるツールがあったら、あなたならどのように利用するでしょうか。
5月19日、注目のTwitchやOnlyFansの人気のクリエイターである、Kaitlyn Siragusa(通称:Amouranth)は、ファンが交流できるAIコンパニオンボットをリリースしました。
1. AI Amouranthチャットボットについて
AI企業Forever Voicesが提供するこのチャットボットは、ファンが声の録音を送信すると、人工知能技術により、Amouranthの音声が生成され、まるでスマホ越しで応答しているように聞こえる応答を受け取ることができるようです。
Amouranthはこのチャットボットサービスに対して、
『どんな時でも、AI Amouranthがあなたのすぐそばでサポートします』
とコンセプトメッセージを発信しています。
まるで、Amouranthと日常的な会話から、疑似恋愛まで体験できる。
それがAIによって世界中、いつでもどこでも体験できるといったように、非日常を提供してくれるような、そんな期待すら感じさせてくれます。
2. マルチクリエイター・Amouranthの正体とは?
Amouranth氏は、簡単にいうと”セクシー系配信者”です。
その美貌とプロポーションなどが人気を呼んでおり、270万人以上のTwitchフォロワーを抱えています。
TwitchやOnlyFansを主戦場としており、主に「お風呂に浸かりながら」雑談を行う配信を主体に活動している。
3. 共同開発企業・Forever Voices AIの狙い
今回の、 AI AmouranthはForever Voices AIというAIによる音声生成系のサービスを取り扱う新興企業が手掛けました。
同社は、わずか 10分程度の音声からイントネーションや抑揚を再現できる音声エンジンと並行して、感情や洞察を行うパーソナリティエンジンなどの「独自のレイヤー」を実装し、実物に近い音声の再現と、違和感のない会話が実現する仕組みをを開発しています。
また、同社がこのようなサービスを始めたきっかけは、CEOのJohn H. Meyer氏が、亡き父と再会したいという。
そんなForever Voices AI社は、上記で紹介した技術を利用して、「ファンへのアクセスを民主化し、インフルエンサーとファンの交流をより活発化させたい」と述べています。
3-a. インフルエンサーとファンをもっと近くに
また、CEOのJohn H. Meyer氏はプレスリリースにて、こんなことを口にしています。
「私はリスクを冒し、ファンとインフルエンサーの境界線を下げることに喜びを感じます。」
「何よりも、私はファンに素晴らしい体験を届けることを注力しています。AI Amouranthは、すべてのファンのニーズを満たすように設計されており、忘れられない体験ができることを保証します。」
まさしく、「喜びを与えたい人」と「喜びを受け取りたい人」を技術によって、同期・非同期関係なく、マッチングさせるような仕組みであると感じます。
3-b. Forever Voices AIの運営情報
◎会社情報
会社名:Frever Voices AI inc.
従業員数:5~10名
投資家:不明
Webサイト:
◎重要経営メンバー情報
John H. Meyer
役職:CEO
経歴:連続起業家、投資家。複数の会社の創業に携わっており、2017 年のフォーブス誌の「30 歳未満の 30 人」リストの最年少メンバーの 1 人に選出されました。また、彼は世界的に有名なテクノロジーアナリストであり、Fox Business News、CNBC、CBS、Yahoo News、Bloomberg、Cheddar TV などの国内外のニュース ネットワークに頻繁に出演しています。
4. ファンの「好き」の表現を多様に
AI Amouranthのような、「推し」と「ファン」との距離感を近づけてくれるサービスは、コっては非常にコアファンに価値の高いサービスであるでしょう。
一方、推しやファンが年齢・性別・国籍・生い立ちをはじめ、同一の文化資本を持っているわけではないことが当然です。
推しが異なるファンダムに君臨し、統治するのは至難の技ですし、ファンからしてみれば純粋な「好き」を表現することに何かしらかのブロッカーが発生することもあるかもしれません。
このように考えると、法に抵触しないことを前提に、それぞれが自由にかつ良識の範囲で「好き」を体現したり、楽しむことがベストであるはずです。
その観点で、両者の摩擦を解決してくれる技術こそが「AI」なのかもしれませんね。
例を挙げるとすれば、AI Amouranthの実現によって、Amouranthがライブ配信をしていなくても、ファンがAmouranthと好きなタイミングで自由で交流をできるようになったわけです。つまり、推しとファンの同期と非同期の関係性に対して、釘を刺したわけですね。
このように、AIの技術がファンコミュニケーションに進出することで、より過ごしやすいファンコミュニティの形成が期待できるかもしれません。