【コラボ小説】魔法に殺された家族と俺の復讐劇4

「そういやぁ雷人」
「なんだ?」

ぎゅっと握った杖を天を突き抜けるかのように上に伸ばす。

「この杖も、きっと苦労して作ったものなんだろうな」
「まぁ、俺も父ちゃんが作ってるところよく見てたからな。大変そうだよ」

握っていた手をパッと開き、杖が床に落ちる。
そこには折れてしまった魔力のない杖が落ちていた。

そこへ手を伸ばし、目をつぶり、心の中で唱えた。
(魔力よ、戻れ)

するとカタカタ…と杖が動き出し、何もなかったかのように元に戻る。

「この仕組み、どうなってるんだろうな」
「杖ってのは、魔力が90%、木が10%なんだ。魔力を木で覆っている感じ」
「へー」

適当に返事を返しながら、杖を拾う。
杖は少し紫色がかっていた。そして重たい。

「魔力の詰め過ぎだよバカ。杖の大きさで魔力の入る量が変わるんだ。夜月は今、30cmの杖に、5mですら入りきらない程の魔力を詰めたんだ」
「じゃあこんぐらいかな。さっきの5/1・・・いや、10/1くらいかな」

今度の杖は魔力が溢れておらず、重さも先ほどよりとても軽い。

「お前・・・杖職人が5年かけて習得する技だぞ」
「まぁ、簡単だよ。できるようになればな」
「全杖職人に謝れよ」

二人は軽い雑談をしながら魔法練習の位置へ着く。

(的よ、いでよ!)

そこには大小様々な10個の的があった。
全て杖と同じ仕組みになっており、
魔法を当てれば壊れる。
魔力を込めれば直る。

この機能を使って、魔法ですべての的を壊すのが先か、
魔力を込めて直すのが先かを競う。

「用意、スタート!」

雷人が魔法を放ち、的を壊す・・・
と思ったらかすり傷も付かなかった。

「こんなの無理ゲーじゃん」
「これはずっと魔力を込めてたら簡単に勝てるな」
「交代だ!交代!」

子供の様に駄々をこねるので、交代してもう一度することになった。

「用意、スタート!」

星野が魔法を10個放ち、全て同時に破壊する。

「魔力込めてたのに壊れたんですけど?!」
「雷人が込めた魔力より強い魔法を放てばいいだけだろ。頭使え?」

全敗した雷人が泣いているのを無視して、俺は考える。

魔法は便利だ。
でもそのせいで起こるテロや殺人、社会問題など
問題が相次いでいるのになぜ、人々は魔法を使い続けるのだろうか?

どう考えたってデメリットが目立つ。

「また家族の事気にしてんのか?」
「そりゃ気にするだろ。でも今は結構大丈夫。自分の心を廃棄したから」
「そりゃまた大変なことを簡単にやってのける」

まぁ、そうだよな…
魔法が使えて魔力量が多く将来有望でかつイケメンハイスぺ男子だもんな。
魔法が嫌いなんてもったいないって意見も、反対はしない。(フフン)

でも、

家族を世界のために殺すのは…

絶対に許せない…!


俺はこの世界を支配し、頂点に立ち、魔法をなくしてやる…
どこまでだって苦しませてやるよ、世界。

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りんごもち
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