【感想】川端龍子展
ちょっと前に行った企画展の感想。
新しい発見が多くクスッと笑う所もありと
見ていて楽しい展示だった!
以下感想殴り書き。
川端龍子という画家について
展示内キャプションで初めて知ったが、
川端龍子が手掛けた装幀が本当に多くて驚いた。
雑誌「少女の友」の付録である双六を趣向を凝らして作成していた点も興味深かった。
飾られていた双六を見ているだけでやりたくてたまらなくなる。
子供向けの雑誌の本や雑誌の表紙などを描いていた影響か元々の素質かは分からないが遊び心のある絵が多かったように思う。
私が感じたその遊び心がおそらく彼の独自性のある感性というものなのかもしれない。
見た人にどんな風に感じてほしいのか、
どんな体験をして欲しいのか。
明確な目的をもって制作をしていたからこそ
龍子は「独自性がある」と評価されたのだと思った。
龍子に限らない話かもしれないが。
身の回りにある知識から言葉といった様々な刺激を自ら手繰り寄せて自身の糧にしていた結果である様に感じた。
龍子は自分の描いたイメージを魅せるのが上手い。
生涯をかけて追求していたからこその結果なのだと思う。
だからこそ龍子にしか描けない表現であり着眼点となる。
龍子の表現を大衆に社会に受け入れられるにはどうたら良いのか。
これを誠実に着実に取り組んでいたのが川端龍子という人なのかなと感じた展示だった。
俳句を「スケッチの変形」と捉えていた龍子。
絵という画面では表現しきれない感情や空気を
俳句という言葉で記録していたのだろうか?
そう考えると絵も俳句も彼が見た世界を映し出しているのだろうと思う。
お気に入り作品について
「草の実」昭和6年制作
特に好きだったのはポスターにも使われていたこの作品。
黒地の上から金色で生い茂る草を描いた絵。
元々この作品が見たくて行ったのもあり見れて良かった作品。
生き生きと伸びた茎の勢いを感じる筆使いと
葉の描き込み具合による奥行きが印象的だった。
「稲妻」昭和17年制作
「草の実」の近くにあった作品でこの作品も印象に残っている。
雷に照らされ浮かび上がる寺の迫力から目が離せなかった。
勢いのある一発で書かれた雷の表現と、墨の濃淡で書き込まれた寺との対比が良かった。
その対比が印象に残って何度もその作品を見返してしまったぐらい好きだったな。
「ミスカッパ」昭和32年制作
作品の中で一番ハイライトだった。
その名の通りかっぱの姫様の絵。
その絵の前を人が通るたびにクスッと笑いがおきてたのがホッコリした。
誰かが笑うたびに「わかる思わずツッコミたくなる絵だよね」と心の中で頷いてた。
ぜひ実物を見てほしい作品!
ポスターについて
今回のポスターデザインがすごく好きだった!
このポスターをみて行きたくなったぐらいに。
最近の企画展ポスターはお洒落なものや趣向を凝らしたものが多くて見ているだけでも楽しい。
こういう広告って本当に面白くて難しいなと思う。
普段ここに来ない人たちに足を運んでもらうために、企画展はあると思う。
どれだけの人の目に触れるか、見た人にどんなイメージと感情を伝え興味を持ってもらうのか。
広告はこれを正確に組み立てて提示するのが役割。
どの仕事でも当てはまる大事な事柄だなと思うなどした。