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電車特急「かもめ」の終焉

2022年9月22日、西九州新幹線の開業を翌日に控えたこの日。九州最大の都市博多と、異国情緒溢れる西の町長崎とを結ぶ在来線特急かもめがその半世紀にわたる歴史に幕を降ろした。とは言っても、西九州新幹線の開業は本来の整備計画からすればあくまで暫定的なもので、その開業区間も長崎から佐世保線の武雄温泉までである。そのため、翌日からは佐世保線の武雄温泉を発着する新たな「リレーかもめ」が運転を開始し、これまで通り博多までの乗客を運び続けている。

そしてこの日から、長崎本線と佐世保線の分岐駅であった肥前山口駅が江北駅へと改称されるとともに、長崎本線の江北〜諫早間は上下分離方式へと移行し、設備は佐賀と長崎両県が出資する一般社団法人の管理下に置かれることとなった。また、電車特急がその役目を終えたことから、肥前浜以南の長崎本線では電化設備の利用が停止され、長崎駅への電車の乗り入れは不可能となった。

こうして、有明海を横に電車特急がひっきりなしに行き交うかつての長崎本線の姿は見納めとなった。46年の歴史をもつ電車特急というだけあって、いまだにその終焉を実感できずにいる。

線形の良くない長崎本線において、振り子機構を用いて速達化を図り、所要時間短縮に貢献した885系
"2000年の旅"を演出した「白いかもめ」はもう長崎駅に乗り入れることはない。


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