Mフェス

夕日が西の空に美しく輝き、学校の校門からは生徒たちの歓声と楽しげな会話が響いています。男子高校生のつるかんと青柳は、運命的な出来事によって中学生時代に仲違いしました。それから時が経ち、彼らは高校生となりました。
青柳はバンド活動に熱中し、その才能を開花させていました。また、お笑いやSASUKEなどで知名度を上げた相方とお笑いコンビを組んでいますが、彼は「じゃない方」と呼ばれるようになっていました。彼の成功に嫉妬心を抱きながらも、つるかんは青柳をまだ憎んでいました。
しかし、青柳はつるかんの存在を既に忘れていました。彼の心は新たな友情や情熱に満ち、過去の葛藤から解放されていたのです。一方のつるかんは、いつも周りに青柳のことを愚痴りながら、自分が彼に片思いしていることに気づきました。
ある日、学校で"Mフェス"という大きな音楽フェスティバルが開催されることになりました。青柳もその中でパフォーマンスを行う予定でした。つるかんは、このフェスティバルの終わりに青柳に会い、労いの言葉と共に自分の思いを告白することを決意しました。
フェスの日がやってきました。夜空にはキラキラとした星々が輝き、舞台からは情熱的な音楽が鳴り響いています。つるかんは観客席から見守りながら、青柳のパフォーマンスを心待ちにしていました。
フェスが終わり、青柳は疲れた表情を浮かべながらステージから降りてきました。つるかんは迷わずに彼のもとへ駆け寄りました。「青柳くん、お疲れ様。君の才能にはいつも感動しているよ。あのさ、良かったらさ、また昔みたいに。。。」とつるかんは温かな声で告げました。
青柳は驚きの表情を浮かべながら、つるかんを見つめました。そして、静かに言葉を紡ぎました。「ありがとう、つるかん。でも、今は花房という彼氏がいるんだ。彼との関係は特別なもので、僕たちは互いに支え合っているんだ」と青柳はつるかんに告げました。
つるかんの心は痛みで震えました。彼は自分が遅すぎたことを悔やみ、涙がこぼれてしまいました。しかし、彼は勇気を持って青柳に伝えることを決めました。「青柳くん、君が幸せならそれでいい。ただ、一度だけ言わせてほしかった。君に対する思いを、今もずっと抱いていることを」とつるかんは切なげな声で告白しました。
青柳はしばらく黙ってつるかんを見つめました。彼の眼差しには複雑な感情が交錯していましたが、最終的には優しい微笑みを浮かべました。「つるかん、君の思いには感謝している。でも、僕には花房という大切な存在がいるんだ。これからも友達でいてほしい」と青柳は穏やかな声で答えました。
つるかんは胸の内に刺さる痛みを感じながらも、青柳の幸せを願いながら微笑みました。「それなら、僕たちは友達でいましょう。君の幸せを応援することが、僕の役目なんだ」とつるかんは青柳に伝えました。
二人の間には過去の傷があるものの、新たな道が開けました。つるかんは青柳の成功と幸せを胸に、自分自身も前を向いて歩いていく決意を固めました。彼らの友情は、時を超えて深まっていくことでしょう。
夜の風が二人の髪をなびかせながら、彼らはフェスの会場を後にしました。新たな冒険と成長が待ち受ける未来へと歩き出す二人の姿が、幸せと希望に満ちていました。
こうして、つるかんと青柳の物語は再び交錯し、新たな章が始まったのでした。