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部屋が変われば、暮らしが変わる。理想の空間を作る設計者の視点から見る部屋づくりとは

「部屋の内装を決めるプロである内装設計者は、普段どのような視点で生活しているのでしょうか?」

ただ漠然と部屋を眺めているだけ、ということは決してありません。実際には、街を歩くときやカフェで過ごすとき、あるいは友人の家を訪問したときなど、どんな場面でも“普通の人が見逃してしまう細部”を無意識のうちに観察しています。

例えば、椅子の配置が空間に与える印象、壁紙の模様が光の加減でどのように変化するのか、さらには音の響き方や空間に漂う香りまでもが、彼らにとっては貴重なデザインのヒントになるのです。生活空間に存在するあらゆる要素が、設計者の目には特別な情報として映り、日々の創造に活かされています。

もし、あなたもそんな“設計者の視点”を手に入れることができたなら、いつも過ごしている部屋がどれほど新鮮で面白く感じられるか、想像してみてください。この文章を読み進めることで、あなたもきっと“内装設計者の目”を持つヒントを得ることができるはずです。

1. 空間全体のコンセプトと雰囲気

設計者は、内装設計を依頼してきた施主の要望に沿って設計をすることが大切です。相手の意見をヒアリングし、予算、法律、環境なども考えながら最適な設計をしていきます。

設計を依頼する人は、より良い空間にしたいという思いで依頼してくるため、どんな空間にしたいかを思い描いていることが多いです。それをどれだけ汲み取って実物に表現できるか、が設計者の力が試されるところでもあります。

目的に合った部屋作り

まず、その部屋をどのように使いたいのかを明確にしましょう。例えば、リビングなら家族がくつろげる空間、書斎なら集中できる環境、寝室ならリラックスできる雰囲気が求められます。この目的に合わせて、家具の配置やインテリアを考えると理想的な部屋に近づきます。

自分らしさを反映する

部屋のデザインには、自分の好みやライフスタイルを取り入れることが大切です。たとえば、ナチュラルな雰囲気が好きなら木材や柔らかい色を使ったインテリア、モダンな雰囲気が好きならシンプルなデザインや無機質な素材を選ぶなど、自分らしい空間を作りましょう。

統一感を意識する

部屋全体の雰囲気を統一することで、居心地の良い空間になります。壁や床、家具、カーテンなど、素材や色の組み合わせを考えるときは、テーマやトーンを揃えるとまとまりが出ます。さらに、照明や小物の選び方にも統一感を持たせると、一貫したイメージの部屋が完成します。

これらのポイントを意識することで、見た目にも使い勝手にも優れた空間を作ることができます。自分や家族が「ここが一番落ち着く」と思えるような部屋作りを目指してみてください。

2. 動線(人の流れ)とレイアウト


動線とレイアウトを考えながら部屋を作ると、日常的にも、誰かを招待したときにもストレスの少ない空間になります。部屋が「使いやすい」と感じられると、自然と心地よさも生まれますよ。

視線の流れを考える

部屋に入ったとき、最初にどこに目が行くかを意識してみましょう。お気に入りの家具やアート作品、観葉植物など、見せたいものを目立たせる配置にすることで、部屋全体が魅力的に見えます。また、視線が散らばらないよう、部屋の中に自然なフォーカルポイント(目を引く中心)を作るのもポイントです。

動きやすさを重視する

部屋の中で頻繁に使う場所をつなぐ動線(人が歩く道筋)を考えましょう。例えば、キッチンでは冷蔵庫、シンク、調理台をスムーズに移動できる配置にする、リビングではソファやテーブルの周りに無理のないスペースを確保する、といった工夫が快適な暮らしにつながります。

人が集まったときの対応も考える

家族や友人が集まることを想定して、動きやすさをチェックしてみましょう。椅子やテーブルを配置するときは、みんなが自然に座れる間隔を確保したり、混雑しやすい玄関や廊下はスッキリさせるなど、複数人で使う場面をイメージしておくと安心です。

3. 細部のデザインと仕上がり

日々生活していて、床材や壁の仕上げを変えることは難しいですよね。
しかし、以下の点を押さえた上で、カーテンや家具の素材を考えたり、簡単に変えることができる床材を選べば、デザイン性だけでなく、使い勝手や維持のしやすさにも優れた部屋を作ることができます。細かい部分にも目を向けながら、自分らしい空間を仕上げてみましょう。

素材選びを大切にする

家具などに使う素材を選ぶ際は、部屋のイメージや使い方に合ったものを選びましょう。たとえば、温かみのある木材はリラックスした空間を作るのに最適ですし、タイルやガラスはモダンで清潔感のある印象を与えます。また、耐久性や掃除のしやすさも考慮すると、長く快適に使える部屋になります。

細かい仕上がりにこだわる

照明の取り付け位置やカーテンレールの配置など、細かなディテールにも注意しましょう。また、家具や床材、壁紙などの接続部分がきれいに処理されていると、全体の仕上がりがぐっと美しくなります。細部へのこだわりが、部屋の完成度を大きく左右します。

使いやすさとお手入れのしやすさを考える

日々の暮らしを想像して、汚れや傷が目立ちにくい素材を選ぶのも重要です。例えば、リビングや子ども部屋には耐久性のある床材や、汚れが簡単に拭き取れる壁紙を選ぶと安心です。こうした工夫が、日々のお手入れの手間を減らしてくれます。


内装設計の視点を取り入れることで、日々の生活空間が驚くほど豊かに、快適に変わります。空間全体の雰囲気や目的に合った設計、動線の工夫、素材選びや細部の仕上がりまで、考えるべきポイントは多岐にわたりますが、ひとつひとつ意識してみることで、自分らしさが反映された理想の空間を作ることができます。

まずは、部屋の用途やライフスタイルを明確にし、小さな工夫から始めてみましょう。視線の流れや動きやすさ、居心地の良さを意識するだけで、空間の印象は大きく変わります。自分らしい空間づくりを楽しみながら、日々の暮らしをもっと快適で特別なものにしてみてください。

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