誰かを教える事の喜び

医師としての学年が上がってくると、自然と後輩達が増えてくる。後輩達に色々な事を指導する機会もあるのだが、教えた人が他の人から褒められるのをみると、「あーよかったなあ」と私はとても嬉しい気持ちになる。

皆さんは誰かに、何かを教える機会があるだろうか。人に何かを教えるのは難しい。そして多くの場合大変である。新人の場合はなおさらである。

先日、初期研修医に初めてカンファレンスで発表をしてもらった。長い時間を使って、スライドを作成、原稿も作り、プレゼンテーションの練習もして、カンファレンスに望んだ。カンファレンス当日は自分が発表のする時より緊張をする。まるで親になった気分だ。無事に発表自体は終わったが、他の参加者から、ここはもっとこうした方がいいといくつかアドバイスがあった。ある先生からは「話すのがゆっくりすぎるから、もっと練習して、スムーズに話せるように準備もしなさい」と少し厳しい意見も頂いた。

後日改めてカンファレンスで発表する機会があり、前回の反省点に活かして本番に臨んだ。発表が終わった後、前回厳しい意見を下さった先生から、「前回よりかなり良くなったよ」と声をかけて頂いた。少し褒めて頂き、自分がほめられる以上に嬉しかった。

誰かに何かを教える事は確かに大変であるが、その人の成長を見るのは本当に嬉しい。そんな事を改めて感じた出来事であった。これからも根気と愛情を持って後輩達の指導を頑張りたい。

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