古塔つみ氏のトレパク騒動について今さら語る
およそ今から1年ほど前、あるイラストレーター(「古塔つみ」さんとゆう方)の「トレパク騒動」がありました。
現在ほとぼりが冷めて忘れ去られた感ではありますが、今さらながら、このことに関して思ったことを記したいと思います。
このことについて今さら語る理由は、単にわたしはつい最近まで知らなかったためで、あえて取り上げる理由は、クリエイターを生業としている方にも関わりのある問題であると考えたからです。
※今回、扉絵はnoteが連携するAdobe ExpressのAI画像生成機能を試しに使用しました。
本件の概要
本件のあらましはすでに公知のことであり、このお名前でnoteやYoutubeで検索していただけると騒動の詳細がわかります。
参考までに次のnoteの記事を紹介しますが、たぶんこの他にもいろいろな記事や情報があります。
(引用元)「古塔つみ氏トレース疑惑関連記事を見て思った事」(著:大山大工)note記事
(本件の詳細に関しては、すでに他で多く記述されているため本著では省略したいと思います。)
※この他、性別詐称などの指摘もあるようですが、本著ではあくまでクリエイトに関する部分だけにフォーカスしたいと思います。
「トレパク」の言葉は「トレース」と「パクリ(盗用の意味合い)」を合わせた造語のようです(わたしは本件においてその言葉を知りました)。
「トレース」とはイラストや写真などの画像の主に輪郭線を謄写することです。
これは「構図」の盗用につながりやすい工程ともいえます。
「トレース」そのものは単なる技法や作業工程の一つであり、必ずしも違法行為や著作権侵害に直結するものではないとゆう意見もあります。
話を簡潔にしたいため、本著では「トレース」自体の良し悪しについて、または、著作権侵害に関する事項については触れないでおきます。
ネット上で調べる限り、本件、古塔つみ氏の画像トレース行為について、法律的な専門家からは悪質性が高いとする意見もみられました。
わたし自身がこれを見知った際の個人的な感想も同意見に近いです(あくまで、わたしの個人的な意見ですが)。
わたしが悪質と思える点は、
(1)これが単なる「トレース(輪郭線の謄写)」だけでなく、元画像そのものを加工転写する行為のようにみえること、
(2)元画像のクリエイターに無断であるだけでなく、むしろ元画像の出典を隠ぺいするような行動がみられること(元画像のクリエイターに対するリスペクトはない:まるで、フリー素材のような取扱い)、
(3)このことで利益を得ていたこと、などです。
実際、古塔つみ氏ご自身の商品の販売が停止されたり、ご自身のSNSやプラットフォームが一部閉鎖されたとの報道もありました。
古塔つみ氏の功罪
一方、わたしは今回の騒動で逆に古塔つみ氏のある種の功績もみられるように思えるのです(あくまで、わたしの個人的な意見ですが)。
それは、イラスト(一枚絵)でこれほど稼げるのかと思ったことです。
イラストといえば、挿絵や、広告などが、よくある生業として思いつくところだったのですが、イラストだけでこれだけの利益をあげる方はあまりいないのではと素直に感じいったところです。
自身の一枚絵のイラストをダイレクトに売ってゆくなど、わたしには到底およばないことです。
古塔つみ氏の場合、イラストそのものをダイレクトに売る手法が豊富であり、また、様々な企業や他の主要なクリエイターからの採用(コラボ)も獲得していることを実現してみせています。
その売り方や様々なプラットフォームの利用方法など、イラストレーターで食べてゆきたい方への参考になるかも…(いや、どうでしょう?)。
また、古塔つみ氏の提供する作品群が、若年層を中心とした特にサブカル界隈のクリエイターや消費者につきささるものを提供したとゆうことも確かな事実です。
どういった傾向のイラストがそうなるのかを教えてくれたのでは、とも思っています。
たとえば、アンニュイな雰囲気をかもしだす、丸顔で唇がぽってりとした少女の画像など。
そして、彼が(無断で)採用した元画像(元絵の傾向)を選ぶ際の審美眼もある意味的確であったし、商売としては有効であったことも示されたのでは、と思いました。
これはもちろん、古塔つみ氏が利用した元画像そのもののクオリティが担保されていたことに他なりませんが。
※もちろん、本件に関わらず既存作品の盗用や著作権侵害は好ましくありません。