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マンガのドラマ化について

「監察医 朝顔2025新春スペシャル」をトナさんと二人で見た。

ファーストシーズンから、ずっと見てきた作品なので、登場人物のすべてが頭に入っている。
大満足のスペシャルだった。

「ウォーキングデッド」のページにも書いたけれど、同じ作品を見続けることで生まれる各キャラクターへの思いは、付き合いの短い僕らにとって貴重な「共通の知人たち」への思いであり、僕らの関係性を深める手伝いをしてくれる。
「監察医 朝顔」もそんな作品の中の一つだ。

「監察医 朝顔」には、元となったマンガ作品があるとのこと。

そういえば、昔見た「逃げるは恥だが役に立つ」「重版出来!」も、マンガが原作のドラマだったらしい。

僕らは「ドラマが面白く感じられたらそれで良い派」なので、原作の有無はあまり気にしない。
ドラマが面白ければ満足してしまうので、原作に興味を持ったことはなかった。

なので、上記3作品は、原作マンガを一切知らない。
元々二人とも普段あまりマンガを読まない、というのもあるけど。

唯一の例外は「ミステリと言う勿れ」だ。

この正月休みに一挙放送されていたので思い出したのだけど…。

僕らは、3年前に、「ミステリと言う勿れ」を毎週楽しみに見ていた。
主人公の性格やセリフ回しの面白さが最高で、翌年のスペシャル版も、劇場版も見た。

そこまでハマっておきながらアレなのだけど…。
見ながら、僕らは今までに感じたことのない違和感を味わっていた。

何かが足りない…モヤる…。

まだ連載中の作品をワンクールのドラマに無理やりまとめたせいだからなのだろうか、面白いのだけど、ところどころ「むむむ?」という部分があった。

トナさんが「原作のマンガも読んでみたいね」というので、僕らは超久しぶりにコミックスというものを買って読破した。

すると…。

なんと。ビックリ。たまげた。

マンガの方が、ドラマの数百倍、いや、数千倍面白かったのだ。

マンガって、すごいんだなぁ。

「ミステリと言う勿れ」は、主人公が複数の事件を解決しつつ、ひとつの「大きな謎」が同時進行する、という二重構造の作品なのだが、テレビドラマの方は「大きな謎」をほぼカット。
まだ連載が終了していないので「大きな謎」を描くわけにはいかないから当然だとは思うのだけど、「大きな謎」に関する重要なキャラ「我路くん」の存在が、テレビドラマの中で妙に目立ちすぎてて、ドラマ最終回まで不完全燃焼…。

だから、原作、読んでみよう、ということになったのだけど、マジ読んで正解だった。

一番驚いたのは、ドラマの中で、僕らが「凄い! 面白い!」と唸ったセリフが、100%原作マンガそのままだったこと。

そして、ドラマの中で感じていた「違和感」のあるエピソードが、全て原作にはない、ドラマのために書き換えたり書き加えられたシナリオだった、ということ。

「違和感」の最たるものは、多くの人が指摘しているように、風呂光さん(伊藤沙莉)の描き方だ。

僕らは、ネットミニドラマ「モモウメ」の頃から伊藤沙莉の大ファンだったので、彼女が出演する「ミステリと言う勿れ」を放送前から楽しみにしていた。

なのに、彼女の演じる風呂光さんが、第1話以外は全く魅力的なキャラではなく、見ていて可哀想なぐらい必要のない役どころで、悲しくなってしまったのだ。

で、原作を読んだら、ドラマの第1話のエピソード以外には、風呂光さんは殆ど出ていないではないですか!!

原作には、その後、風呂光さんが活躍するエピソードがあるにはあるけれど、その話は今回のドラマ化には含まれていない。

ドラマは、全てのエピソードに「強引に」風呂光さんを登場させ、主人公に「恋心」を抱く存在として描いていた。
そして、僕らは、原作を全く読んでいないにも関わらず、その展開に「違和感」を感じたのだ。

あんなに深い洞察力が必要な複雑で知的なストーリーに、あの陳腐な恋心エピソードは、明らかに異質だった。

伊藤沙莉にこんな役を与えるなんて酷すぎる…。
伊藤沙莉の無駄遣い、て感じ…。

さらに、作中に登場する魅力的で面白い「セリフ回し」は、全部原作マンガからの丸写しだった。

つまりは、最低限の労力で美味しいとこだけ頂いた、コタツ記事ならぬコタツシナリオだったわけで…。

いや、それはさすがに言い過ぎか。

プロのシナリオライターは、スポンサーや俳優の事務所の意向も取り入れて企画された作品を「上手くまとめる」という大変なお仕事だ。

ドラマはある程度面白くできていたのだから、細かいことはいいじゃないかとは思うんだけど、単なる視聴者であるド素人の僕らでも違和感に気づいちゃったのは、ちょっとアレなんじゃないだろうか。

僕らは普段からマンガをほとんど読まないので「ミステリと言う勿れ」が累計1700万部も売れている有名作だということを全く知らなかった。
この「違和感」さえ感じなければ、原作を読もうとは思わなかったと思う。

作品が「原作に忠実に」ドラマ化されているかどうかは、どうでも良い。
何度も言うけど、僕らは単なる視聴者なんだから。

ドラマとして「面白い」かどうかだけの問題だ。

「逃げ恥」「重版出来!」はマンガを読んでないので、ドラマが原作に忠実だったのかどうか全く知らない。
でも、何の違和感もなく、ドラマは最終回まで「面白く」見られた。

つまり、これって…。シナリオライターの力量の問題…?

とか考えていたら、去年、あの事件が起きて、「あー」ってなった。
(事件に関してはコメントしません)

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