フィクション
度重なる水害で、
その日浸水から逃れられず両親が死んだ
駆け付けて
遺体を目の前にすると泣き崩れた
全てが要因となってこんなことになってしまった
人の世全てが原因となってこんな結果を招いている
呪わしい、
争いは日々絶えず、
憎み合うこと、いがみ合うこと、妬み合うこと、
優劣を決める為に競い合うことをやめない
それは勿論自分自身も含めてだ、
人であることが愚かしくて堪らない
半日ほど泣いて
そのまま寝てしまった
目が覚めると
ちょうど日が昇り始めていた
景色が照らされていくのを
茫然と見つめていると
「がんばれ、がんばれ」と、
いつの日か励ましてくれていた母の声を思い出す
父に至っては叱られたこと自体が思い出せない
自分は幸せものだと、
昨日とは打って変わって、
真逆なことを想う
人生はそんなことの繰り返しだ