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【2024年 ライブまとめ-下半期】

表題の通り、2024年に筆者が参加したライブまとめの下半期分となります。
年末年始等々で、だいぶ投稿が遅れました。。。
また、上半期分も読んで頂けると幸いです。


2024/7/26 View From The Soyuz

こちら札幌のVOMIT OUT RESTRICTIONというバンドが主催するNORTHERNMOST MOSHPITという企画。国内の若手メタルコア・ハードコアを聴く人なら知っていると思いますが、最近話題のView From The Soyuzが来札しました。筆者もVFTSの評判をよく耳にするので、せっかく札幌に来るなら行こうと思い参加。結果から言うと、VFTS、ヤバイです!噂通りのライブバンドでした。とにかく熱量が半端なく、モッシュ不可避なハードコア節が炸裂。さらにメタルコアのような勢いのある疾走感もあり、両者を上手に融合させていると感じました。音源も良いですが、間違いなくライブで化けるバンドです。筆者も大好き弦飛びリフも組み込まれており、魂が震えましたね。メロデス風味のリフではThe Black Dahlia Murderが何度も脳裏をよぎります。
国内で留まらず、どんどん海外にも進出して行って欲しいですね。
筆者も近いうちに見たいと思います。

2024/8/31 FRONTLINE FESTIVAL

Sable Hills主催のメタル・ハードコア祭り、FRONTLINE FESTIVALに今年も行ってきました。2023年には、Phinehas(USA)やICDDなどの激レアバンド、巷で噂の明日の情景など国内外問わず、彼らの好きなバンドを集めてライブをするお祭りが今年も開催。Wacken Open AirのMetal Battleで優勝後、飛ぶ鳥を落とす勢いで人気上昇。国内に留まらず海外の大型フェスにも出演している彼らは、間違いなく日本のメタルコアシーンの中心的存在でしょう。そんな彼らは今年も極上な空間を提供してくれました。

Kokeshi

日本のブラッケンド・ハードコアバンド。独特な世界感がクセになる巷で噂のバンド。白装束を纏った亡霊のような女性が線香を焚きながら登場。ホラー感満載の雰囲気は演出だけではなく、スクリームというよりほぼ悲鳴のような脳天を突き刺すような声に、筆者の鼓膜も悲鳴をあげました。ハードコアが主軸となっていますが、緩急ある曲展開とクリーンサウンドがマンネリ化を防いでいる印象。そして静と動の使い方が非常に上手く、一瞬の静の時間の後に断末魔のような金切りシャウトが静の空間を切り裂く。その後、禍々しい雰囲気の中、モッシュを誘発させるコアパートが他のバンドでは表現できない要素の1つだと思います。最近のメタル・ハードコア界では異彩を放つ存在で今後の進展が気になる注目株の1つです。

EARTHISTS.

日本のメタルコアバンド。最近は電子音やポップでキャッチーなサウンドを前面に出すことで女性のリスナーも増えてきている印象。正直、1stと2nd時代のような楽曲が好みな筆者のストライクゾーンには入りませんでしたが、相変わらず電子音の使い方はマジで上手かったです。OCEANSの様な足軽メロディ自体は好きなので、これからも惜しまず楽曲に取り入れて欲しいですね。

FLOYA

ドイツ発のポストハードコアバンド。元ALAZKAのギターの新バンドなので期待してましたが、しっかり音源越えのライブを披露してくれました。
ALAZKAの音楽をよりキャッチーにし、クリーン成分マシマシにした印象。普段は手足を振り回したくなるような音楽ばかり聴いていますが、思わず飛び跳ねたくなるようなサウンドと曲展開に感銘を受けました。そしてVo.Phil
の透き通る美しいクリーンに筆者の汚れた心が綺麗になった気がします(笑)。ヘヴィ疲れした時の気分転換として最適なバンドだと思います。是非、再来日して欲しいですね。また、メンバー達も日本での反応が予想以上で感動しているっぽいので、再来日もそう遠くないかもしれません。

KRUELTY

東京のヘヴィ・ハードコアバンド。メタル・ハードコア界隈でもアングラ部分に精通している人なら絶対知っていると思います。極悪サウンドにビートダウン、デスメタル由来のリフはフロアにモッシュの嵐を発生させます。
Voの低くてドスの効いた声は地響きを感じる程。筆者は北海道で初めてKrueltyのライブを観ましたが、第一印象は轟音、音の暴力でしたね。身体の表面はもちろん、内臓まで振動が伝わってきました。戦車が砲弾を放つのに対し、彼らは轟音を放つ音の重戦車とでも言いましょうか。彼らの肉厚で重厚感あるリフや大人観している人々をモッシュピットへ駆り立てるビートダウンとグルーヴ。Harder Than Beforeで歌っているように、彼らの音楽に突き動かされ、抱えている痛み・恨み・辛みを捨て残った破壊衝動がモッシュピットへ導いているのかもしれませんね。
筆者在住の札幌でライブをする際は必ず足を運ぼうと思います。あの音の轟音が忘れられません。

DEXCORE

ここ数年の急激に伸びてきているメタルコアバンド。見た目はV系ですが、見た目に反して激低のDjentyなサウンドが特徴。サウンドチェック時点でバスドラからは破裂音。鼓膜が死ぬ未来が見えましたので耳栓を装着。ライブが始まると案の定、爆速ブラストの嵐でした。ギターもベッキベキで多弦低音集団の印象。こちらも音の暴力でフロアを一蹴していましたね。
彼らが主催のDEXFESTで2024年はBlessthefall(USA)を呼び、2025年はあのWoe is meを来日させるとのこと。2022年に復活以降、初海外公演らしく日本国内の大泉リスナーも歓喜したことでしょう(筆者も来日情報をみて声でました笑)。もしかして彼らはコアキッズなのでは???

BLEEDING THROUGH

アメリカのシンフォニックメタルコアバンド。エネルギッシュでメタリックなリフにシンフォニックの壮大さが融合し独自の空間を作り出し、現代のメタルコアバンドには無いものが詰まっていました。というか、モダンさが無く、無骨っぽさでそう感じるのかもしれません。最近のメタルコアは空間系サウンドが楽曲にほぼ必ず組み込まれていますが、彼らの曲にはモダンさはありません。このギャップがよりダサさを引き立てているのではないでしょうか。
このバンドも音源よりライブ音源の方が良い印象。ノスタルジックな雰囲気、意外と嫌いじゃないかもと内心思っていました。ラスト曲前にVoが感極まった姿を見て、筆者も目頭が熱くなりましたね。途中、フロアまで下りてきて叫び倒すスタイルもGood!!とにかくエネルギッシュなライブで、つい力強く拳を握りしめたくなる様なショーでした。

CRYSTAL LAKE

日本人のメタルコアリスナーで知らない人は居ないのではないでしょうか。国内外共に高評価を受け、海外の大型フェスにも頻繁に出演する彼らも今回の祭りに参加。筆者も学生時代からよくライブに行っておりましたが、実はVoが変わってから見るのは初めてで、新Voがどんなパフォーマンスをするのか非常に楽しみにしていました。ですがその反面、前任のVoより、、、
と心配もありました。
いざ、ライブが始まるとAstraからのPrometheusという『The Sign』の収録順で演奏するとは想像しておらず、気づけばフロア後方から前方へ。新曲も少しずつではあるが出してきている中、セットリストから中々外れないSix Feet Underって自他共に認める名曲なのかもしれませんね!
肝心な新Voについてですが、エグみのあるドスの効いた良きVoだと思います!前任者より通る声を持っている印象でハイ・ミッド・ロー全て引けを取らない男ですね。CLのフロントマンとして不足はないでしょう!
でも心のどこかでRyoさんと比較してしまう自分が居るのも事実で、加入前の楽曲はやはりRyoさんの声の方がしっくり来ます(長く聴き続けているからしょうがない)。
でもライブ自体は国内メタルコアバンドの中でも頭一つ抜けており、日本のメタル・ハードコアシーンを牽引してきただけあります。特に楽さんのバスドラがもう機関銃。多分、会場の何人かは被弾していたと思います笑。
今後もこの調子で国内外で更なる飛躍を続けてほしいですね。

UNEARTH

もう言葉が出ないくらい最高のライブでした。メロデス由来の疾走感あふれるメタルコアリフ、高速かつ繊細な刻み、みんな大好き弦飛びリフ、メタルコアの教科書に確実に載るバンド。爆速メロディックリフから一気にブレイクダウンで落としてまた加速する。この緩急のつけ方が本当に上手です。そしてヒロイックなギターソロが男心をしっかり掴んで離しません。メタルコアというジャンルが世に出始めた頃、KsEやAILDと共にシーンを牽引してきた非常に重要な存在で、彼らに影響されたバンドはたくさんいるのでは?
セットリストもキラーチューンで構成されており終始、拳を天高く突き上げ、首が折れるくらい振っていました。
そしてUNEARTHを象徴するMy Will Be Doneでは、筆者の頭のIQは3まで下がり、ただ走り回り、叫び、力強く握りしめた拳を何度も突き上げ、UNEARTHしてました(笑)。フロアの盛り上がりも今日1番だった印象です。ただ、Zombie Autopilotだけ演奏しなかったことだけが残念でした。
それ以外は文句等一切ありません!
再来日が待ち遠しいです!

Sable Hills

FRONTLINE FESTIVALのトリを務めるのはもちろん彼らSable Hills。
Wacken Open AirのMetal Battleで日本人バンドで初の優勝を勝ち取る快挙を達成。その後、活動範囲は国内に留まらず国外へ。海外の大型メタルフェスにも呼ばれるようになり、人気は右肩上がりの印象。
直近で3rd アルバムがリリースされたこともあり、期待しまくり。セットリストはもちろん3rdアルバムが主軸で、1st、2ndからも数曲抜粋して披露。冒頭から新譜収録順に3曲披露し、アクセル全開。彼らのストロングポイント『鉄クサいリフ』が疲弊しきったフロアを再起させ、会場全体を臨戦状態へ。Odysseyのイントロが流れた瞬間、曲が終わるまでの記憶がありません(笑)。少なくとも元居た位置からステージ側に移動していたので反射的に身体が動いたのでしょう。続いてのMisfortuneはメロディックメタルコアを濃縮したような曲で、短いながらも中身がしっかり詰まった楽曲でした。その後、王道のthe Envy等を披露し再び新譜へ。特にAnthemの冒頭のヒロイックなフレーズには自然と口角があがり、喜びを隠せませんでした。
7曲目にSnake In The Grassを投下。この日1のクソデカWODが発生し、フロアはカオスに。彼らの楽曲の中でも声もサウンドもヘヴィで筆者お気に入りの1曲。後半のピロピロフレーズもクセになるんですよね~。間髪入れず、Battle Cryを演奏。イントロの高速メロディック弦飛びフレーズが炸裂し、再び歓喜の雄叫びを上げる筆者。刻みとメロディックなリフの掛け合わせは大好物で、これをおかずに白飯が食えます。
小休憩を挟んだ後、The PathからのEmbersという不動の流れを披露。やるとわかっていましたが、発狂不可避です。身体の内側に溜まっていた感情やら何やら全てがEmbersと同時に解き放たれ、ブチ上がりました。曲単体でみてもEmbersは欠点が見当たらない最高の曲です。
ラストはNo Turning BackでUNEARTHのトレヴァーが途中から参戦!いきなり完全再現を拝めるとは、、、こんなTRUE METAL COREを体感できる機会を与えてくれたSable Hillsには感謝の言葉もありません。
前回に続き、今年も大成功で終わったと言ってよいでしょう。また来年、再来年と続き、日本のHEAVY MUSIC発展のきっかけになるようなイベントに成長することを願っています。

2024/9/9 Bury Tommorow

UKメタルコアの雄、Bury Tommorowの3回目の来日公演に行ってきました。今年の来日案件の中でも期待値は上位にあったバンドです。ド平日に1日だけの公演だったため、休みが取れるか不安でしたが何とか有休を勝ち取り参戦。過去の楽曲はもちろん、新譜もかなりの傑作だったので非常に楽しみでした。

初めの2曲は新譜収録順で演奏。The Seventh Sunのイントロが流れた瞬間、フロアが沸騰。程なくしてデッケェモッシュピットも発生し、手足振り回す奴、走り回る奴、ダイブする奴、叫び散らかす奴が混ざりカオスな状態に。筆者含め、待ち焦がれた存在だって証明されましたね(笑)。音は思っていた以上に良く、楽器隊の音もちゃんと聞こえていた思います。Vo.danielもキレッキレで調子良さそうな印象。
次にAbandon Usを投下。新譜の中でイチオシの曲が冒頭に来たのでもちろん筆者もピットイン。How could they do that to us?の部分がノリ易くクセになりますね。続くBlack Flameではサビでバカデカシンガロングで会場が一体化し、メンバー達もご満悦な表情でした。
とまらない勢いのままEarthboundを演奏。ブレイクダウンにギターリフを重ねる筆者の『好物』が生で聴けて両手を握りしめてガッツポーズ!
9曲目にはMan on Fireを披露し、刻み&短いウワモノリフの組み合わせの繰り返しがたまりません。
そして終盤にCannibalとChokeを連続で投下。もちろんフロアは沸騰し、ハーコー運動会が再び開催され、最後は皆でゴール。
Cannibalはイントロとサビ後の刻み&メロディックリフが一生聴いていられるくらい心地よく、Chokeでは冒頭からハーコーしまくるキッズ達でフロア前方はまさに無法地帯。
ライブが終わってから知ったのですが、Bury Tommorowなんとリハーサル無しの一発勝負だったとのこと。活動歴は長いとはいえ、リハ無しぶっつけ本番であんなショーできるって、どんだけ経験積んできたんだよ。。。筆者の中では、もう既に再来日が待ち遠く、なんなら海外へ見に行ってもいいレベルにあります。

セットリスト↓↓↓
・The Seventh Sun
・Abandon Us
・Begin Again
・Black Flame
・Earthbound
・Boltcutter
・Villain Arc
・LIFE (Paradise Denied)
・Man on Fire
・Cannibal
・Choke
・DEATH (Ever Colder)

2024/9/13 IRON MAIDEN/wKillswitch Engage

Bury Tommorowの来日公演から4日後、今度はIronMaidenのシドニー公演を観にオーストラリアへ飛んでいきました。一週間のうちに札幌ー東京間を2往復と東京ーシドニーの往復で体力と財布が悲鳴を上げていましたが、衝動を抑えることができなかったので敢行しました。同月に来日公演がありましたが、筆者のスケジュール調整が不可能な上、前回の来日キャンセルを食らっていたので、なんとしてでもこの目で見たかったのです。
そこで日本から近く、北米・欧州ほど移動費がかからず、さらにゲストでKillswitch Engageを同時に見れるオーストラリアを選びました。

会場外観

会場はシドニーオリンピックで使用されたQudos Bank Arena。
収容人数は約2万人という普段行くライブ会場とは桁違いの大きさでした。
筆者は開場1時間前に行きましたが、会場周辺は意外と閑散としていて、客入りが少し心配でした。
が、実際に中に入ると大勢のメタルヘッズがおり、一安心。

開演前

開演時間になりKillswitch Engageが登場。前座に彼らを呼べるバンドって世界にどれだけ存在するのでしょうか(Metallica、System of a downレベルですかね、、、)。もしかして今、超贅沢しているんじゃね?って何度も思いました。
1曲目はMy Curse。メロディックで少し切ない雰囲気のイントロが流れると同時にフロアから大歓声が上がり、ライブ開始前まで落ち着きを見せていたオーストラリアのメタルヘッズ達が突如熱狂し始めました。イントロの後のメロディックなリフと共にフロアではメタルヘッズ達が戦闘開始。その後サビでのバカデカシンガロングで会場のボルテージは既にMAX。海外公演を観て特に印象に残る事として、サビ等でのシンガロングのボリュームが日本とは桁違いということです。音楽のジャンルやフロアの人数での差はあるものの、一番の要因は英語を喋れる人数が日本と海外では段違いなのが理由だと思います(日本国内で日本語の歌詞なら大合唱ができるのと同じ)。
ドイツに続き、今回も圧倒されました。
次のThe Fireではフロアはヘドバンの嵐が巻き起こり、続くStrength of the Mindの力強い刻みとメタルコアリフが観客達を更に奮い立たせる。
その状態でJesseの口からThe Signal Fireのタイトルコールが放たれ、オーディエンスは大爆発。その直後に冒頭のスクリームが会場内に響き渡り再びフロアは沸騰。Atonementのリードトラックだけあって、隣の人の熱量が直に伝わるくらい熱狂していました。次の曲も同アルバムからUnleashedを披露し、蒸発寸前のフロアを少し落ち着かせる。

6曲目はHate by Design。急ぎすぎないミドルテンポのリフとピロピロソロが生み出す緩急が絶妙な曲。続いてRose of SharynのThe・メタルコアの様な鉄クサく、漢クサいリフと少し儚さのあるJesseのクリーンが筆者の心を掴んで離さない!綺麗な終わり方をした後に、小刻みなメロディとアグレッシブなギターが印象に残るIn Due Time投下。イントロに反してサビが意外とポップでのりやすい。ただ、KsEの持つ漢強さもしっかり入っており、天高く何度も拳を突き上げました。ライブも終盤、ラストまで畳みかけるスイッチがこの曲だと感じ取り、筆者はフロア前方へ拳を上げながら移動。
9曲目は疾走感溢れるリフで始まるThis is Absolution。イントロがもうメロデスなんですよこの曲!トレモロフレーズも顔を出し、走り抜ける感じが言語化できません(笑)。サビでは疾走感に反して落ち着きを見せるギャップが良いアクセントに。
その後、短いMCを挟み皆さんお待ちかねのThe End of Heartacheを披露。イントロが流れると熱狂的な観客が狂闘士へ変貌。冒頭Jesseは歌わず、ステージ上で指揮を執り、それに応えるオーディエンス。1回目のサビまでシンガロングが途切れることは無く、この曲はKsEの中でも別格な存在だと実感しました。『映画バイオハザードII』の主題歌となったこの曲でKsEを知った人々は沢山居るのではないでしょうか。もちろん筆者もその一人で、映画を見た後すぐさまYoutubeで何度も聴いた記憶があります。
深みのある叙情感と儚さが筆者の心情に訴えかけてきて、激しさと儚さ等が混ざり合い感情に整理が付きませんでした。学生の頃から本当に聴きたかった曲を全身で感じることができ、大満足です。

The End of Heartachのラストパートで感傷に浸ったフロアに次に鳴り響く曲はMy Last Serenade。ハードコア成分多めの楽曲に筆者のハードコア魂が震えあがる。そして最後ははDioカバーのHoly Driver。分かってはいましたが、やはりこの曲強い。本当に強い。原曲より数段重く歯切の良いサウンドと耳を突き抜けるHRっぽいギターソロがクセになります。
KsEは12曲を披露し終了。この時点で心身共に満足しきってましたが、この後にIron Maidenが控えているって恐ろしいですね。
転換の時間は会場内で軽食を取り次に備えて休憩してました。また、フロアの両端部にウォーターサーバーが設置されており、いつでも水が飲める状態で、日本のライブ会場にも導入して欲しいなって思いましたね。

セットリスト↓↓↓
・My Curse
・This Fire
・Strength of the Mind
・The Signal Fire
・Unleashed
・Hate by Design
・Rose of Sharyn
・In Due Time
・This Is Absolution
・The End of Heartache
・My Last Serenade
・Holy Diver


転換が終わり、遂にIron Maidenが登場。Caught Somewhere in Timeのイントロが終わると同時に、赤いパイロットゴーグルをかけたVo.ブルースディッキンソンが登場し熱唱し始める。前回の来日がキャンセルになった分、筆者のメタル魂が震えました。そのままStranger in a Strange Land突入。この曲が最後にライブで演奏されたのは、なんと20年以上前とのこと。長い間眠っていた楽曲が今回のツアーで復活し、その現場に立ち会え嬉しい限りです。続いて最新アルバムからThe Writing on the WallとDay of Future Past、The Time Machineを連続して披露。乾いた感じでアメリカ西部の広大な平原のイメージでメイデンっぽさは他の楽曲に比べ薄い印象。しかし、後半のギターソロを聴くと、『あ、Iron Maidenだ!!』ってなります。
Day of Future PastはブリティッシュHRっぽく、落ち着いた感じのミドルテンポに仕上がっています。The Time MachineはFear of tha Darkのようにスロウスタートで途中からテンポを上げる曲調。でもFOTDほど速くなく、前曲同様落ち着きのある印象。

3連続新譜の後はThe Prisoners。スティーブハリスのベースラインが前面に出てきており、これぞIron Maiden!って感じの楽曲でした。
その後は再び新譜からdeath of the celtsを演奏し、スティーブハリスタイムのはじまりはじまり。ベースとギターの美しいユニゾンパートが多く、10:20と長い楽曲ですが、気づけば終わっているような不思議な没頭感を感じました。
お次はブルースディッキンソンのCan I Play With Madness~で楽曲が始まり、久々のアップテンポかつキャッチーなサビで筆者もフロアの元気も復活。伸びやかで歯切れの良いギターソロとベースとのユニゾンが最高です。会場の雰囲気をさらに明るくするべく、Heaven Can Waitを披露。Iron Maidenの中でも割とポップさに比重を置いた1曲で、サビでは特大シンガロングが発生。やっぱ簡単に歌えて叫べる曲ってのりやすくて良いですね。
10曲目はAlexander the Great。時折見せるベースソロが曲に緩急を生み出し、長い曲でも飽きさせないアクセントとなっています。
遂に11曲目にFear of the Darkが投下。イントロが流れた途端、この瞬間を待ち焦がれたメタルヘッズ達が声を荒げ、両腕を突き上げ、指は皆、メロイックサイン。UKどころか世界を代表するメタルバンドの存在を再認識した瞬間でした。ブルースディッキンソンパートが終わるとメイデン節が炸裂。静と動のコントラストが完璧で疾走感あるメロディアスなパートと静寂に包まれる静の時間の塩梅はこの上ない絶品とも言えます。ヘヴィメタルを聴く人でこの曲嫌いな人0人だと勝手に思っています(笑)。
本編ラストはバンド名として掲げているIron Maiden。一本のギターソロで始まり、その後ユニゾン、最後にベースとドラムが加わる男子なら皆好きな構成のイントロと後半のスティーブハリスのソロパートが一番の見どころ。ベースソロの部分はつい、腕と指が動きスティーブハリスの真似をしたくなります(笑)。
この後、メンバーが一旦下がりアンコールまでの小休憩を挟む。その間、フロアはIron Maidenコールとスマホのライトで真っ暗な会場を照らしていました。

アンコール一曲目は新譜のHell on Earth。先ほどまでの大歓声が静寂に包まれ、北欧風のイントロを静かに聴き込む時間が流れる。その後、楽器隊が入り壮大なメロディが奏でられます。6:10~のギターフレーズがメタル心をくすぐり、静寂へ。その後、ブルースディッキンソンの声と共に静寂から『動』の時間が始まる。9:03~メロディックなリフを終えた後、一瞬時が止まったかのような時間が流れ再び『静』の時間が訪れ、そのままアウトロへ。正直、ここでライブが終了しても文句が無いレベルの演出に感じました。しかし、まだあの曲が残っているので終われません。そう、The Trooperが!
アンコール2曲目はメタル史に残る名曲:The Trooper!
Iron Maidenを普段聴かないメタラーでも一度は耳にしたことある楽曲がと思います。
筆者が初めて聴いたIron Maidenの曲はこの曲で、トリプルギターと主張の強いベースライン、移り変わるギターソロに目と耳を奪われました。学生の頃から何度も聴いた『あの曲』を遂にライブで見ることができ、筆者の視界には少しモザイクがかかっていました。デイヴマーレイのソロパートは2:45~から少しアレンジを加えており、原曲より速弾きを意識した演奏。
そして最後にユニゾンでビタッ!と最高の〆でした。
最後の曲はWasted Years。歌メロと竿隊のメロディラインが至高の1曲。
エイドリアンスミスが書き上げた曲らしく、彼のメロディセンスが惜しみなく生かされていました。開放弦と単音を組み合わせたリフが激しさと美しさの共存を上手く表現できている印象。最後の曲として申し分ありませんね。

かなりの長丁場でしたが、終わってみれば早かったです。今回のライブはエイドリアンスミスが主役だった印象があります(彼作曲の楽曲が多かったからか?)。スティーブハリスが生み出すメイデン節やベースソロもたくさん聴けて、わざわざオーストラリアまで来た甲斐がありました。あと、ブルースディッキンソン、本当にあなた何者?ステージの端から端まで全力疾走からの急停止で息を詰まらせることなく力強く伸びやかのハイトーンボイスで歌う続ける。噂でよく聞いていましたが、心身共にタフな男ですね。
暫く来日公演はなさそうですが、近隣の国に来た時にはまた観に行きたいです。

セットリスト↓↓↓
・Caught Somewhere in Time
・Stranger in a Strange Land
・The Writing on the Wall
・Days of Future Past
・The Time Machine
・The Prisoner
・Death of the Celts
・Can I Play With Madness
・Heaven Can Wait
・Alexander the Great
・Fear of the Dark
・Iron Maiden
Encore:
・Hell on Earth
・The Trooper
・Wasted Years


2024/10/26 Beartooth/wPoralis,LANDMVRKS

Iron Maiden×Killswitch Engageのシドニー公演から約1か月後、今度はロンドンへ表題の3バンドを観にいきました。
ここ2、3か月のクレカの請求額をみて血の気が引きましたが、見なかったことに(現実逃避)。なぜこの3バンドかというと、単にBeartoothが観たくて公演情報を探していたら、ゲストがLANDMVRKSとPolarisであることが判明。過去にLANDMVRKSとPolarisの同時来日公演があったのですが、当時学生だった筆者には金銭的な余裕が無く、見送りに。
未だに当時の後悔を引きずっていたところ、Beartoothが彼らを同時に見る機会を作ってくれたので、行くことにしました。

会場はロンドン北部に位置するAlexandra Palaceという展示場兼宮殿にライブができるイベントホールが併設された巨大施設でした。

LANDMVRKS

トッパーはフランスのポストハードコアバンド、LANDMVRKS。Creatureのイントロと同時にライブスタート。Vo.Florentがイントロの超絶早口パートを喋りながらステージイン。『I am the Creature!!』で特大スクリームを出し、フロアは大反響。間違いなく彼らはライブバンドだと、この時点で確信しました。ハイミッドが強烈なバキバキサウンドが主軸ですが、音割れしないギリギリのラインで調整されているため、耳に残響するくらい高くも芯のある音に筆者は大喜び。
続いてDeathを披露。Vo.Floの突き抜けるような高音シャウトと骨にも振動が伝わるくらい低音ボイスが入り混じるカオスな印象。後半のモッシュパートに入る前から戦闘開始している観客もおり、彼らのハードコア精神はフロアにしっかり届いていました。3曲目は筆者お気に入りのBlistering。Floの美しい囁きから叙情感溢れるフレーズ、短いベースとドラムだけのリズム隊パートを挟み、シンガロング不可避なサビへ突入。その後フロアが戦場と化す鬼のブレイクダウン。ギターも他の曲に比べ心なしか歪んでいる気がします。ライブ序盤でこんなにキマるとは思いませんでした!
続くVisageは冒頭は落ち着きのある上品な雰囲気ですが、Floのスクリームと同時に一気にハードコア色へ。曲終盤のサビでVoのキーがどんどん上がっていきますが、Floの音域の広さとVoとしてのセンスが光りますね!
5曲目は雰囲気を変え、Say No Wordを演奏。冒頭からコテコテハードコアと重厚感ある刻みがフロアにのしかかります。特にベースが他の曲に比べ、よく聞こえる印象。Floのラップ調の超早口も間に挟み、最後はスローな激重ブレイクダウンをブチかまし、フロアもそれに応えてハーコー運動会を開催。また、Paleface SwissのVo.ZelliもFeaturingし、まさか完全再現を観れるとは、、、
続く6曲目のSuffocateは全体的に落ち着いた雰囲気で、叙情心に訴えかける楽曲ですが、最後にしっかりブレイクダウンを入れてくるあたり、リスナーのニーズを抑えていますね。
前曲が終わって10秒ほど静寂の後、白いスポットライトがステージ中央を照らします。そこにはGt.Nicolasがおり、次はあの曲に違いないと確信しました。そう、Lost in a Wave。

初めのイントロはNicolasのソロで始まり、一気にハードコア節全開ブレイクダウンに突入。フロアを煽るFloに従い、デッケェモッシュピットが発生し、またまたハードコア運動会が始まりました。筆者も最後の低速ブレイクダウン時にピットインし、ロンドンのハーコーキッズ達に混ざり、見事当たり負け!ほんとフィジカル面では勝てません(笑)。
8曲目はRainfall。ハードコアなリフ→Floの激低グロウル→ブレイクダウンの流れが非常にスムーズな印象。RainfallがFloの激低グロウルが特に光っているいる気がします。
この曲もそうなんですが、LANDMARKSってテンポ落としてスローなブレイクダウンに持ち込むの上手くないですか?凄くテンポ落としているのに変に間延びしないというか、、そこら辺の曲作りが本当に上手だと思います。
最後の〆はSelf-Made Black Hole。冒頭から全力のハードコア節を展開し、サビではFloの美しく通る声で観客を魅了。またハードコアリフからの極悪低音低速ブレイクダウンと共に骨身に響くようなFloのグロウルを投下。身体のどこかの骨にヒビが入った気がします(笑)。そして曲の終盤で再び美しいFloの声に魅了され、LANDMVRKSは終了。
セットリストはBlistrering以外は新譜で構成されており、彼らの自身ぶりが伺えました。今回はゲスト出演なので尺は短め。正直、物足りなさが否めませんでしたが、ライブ自体は非常に素晴らしく、正真正銘のライブバンドだと感じました。今度は彼らのツアーで長尺ライブを観てみたいですね。あと、旧譜からScars、Wake up Call、Winter辺りも聴きたいです。


Polalis

2番手はオーストラリア産のメタルコアバンド、Polaris。前回の来日公演のリベンジが遂に果たされる時が来ました。
1曲目は去年発表した新譜FatalismからAll In Vain。静かで怪しげなイントロから始まり、Vo.Jamieのキレッキレのスクリームでライブが幕開け。
テンポを一切落とさずサビまでJamieが叫び散らかし、Jakeのクリーンが炸裂。再びJamieが叫び散らかし、ブレイクダウンへ。もちろんモッシュはできていたが、LAMDMVRKS程ではありませんでした。その後、イントロに戻りサビで持ち上げ、最後にブレイクダウンでまた落とす高低感が目立つ1曲でした。
2曲目のNightmareでは、冒頭からJamieがジャンプするようフロアを煽る。
疾走パート、スクリーム、クリーン、シンガロング、ブレイクダウンと現代のメタルコア要素が全て詰まった楽曲。サビのNightmare~はシンガロング不可避です。

次も新譜からInhumaneを披露。ベースパートで始まるイントロが超クール!程なくしてJamieの力強いスクリームと同時に竿隊も突入。他の曲よりベースが目立つ印象でグルーヴ感もGood!!PHを混ぜ込んだギターソロはしっかり倍音が出でいて、脳天を突き抜けるような感じが最高でした。その後再びイントロへ戻り、ラスサビで爆発させ終了。Polarisはイントロをラスサビの前にも持ってくることが多い印象があり、コーラスや空間系のサウンド等を加えることで若干の変化を作り出している。だから同じフレーズでも一辺倒にならないのかなって筆者は感じました。

続いてはAll of This is Fleeting。筆者歓喜!個人的にPoralisで首位を争うくらい好きな曲です。空間系フレーズが作りだす神々しさと、ブレイクダウン&Jamieのブチギレボイスが作り出す禍々しさが共存する名曲。特にサビのThis is All I have⤴⤴の部分で張り上げる形が筆者は本当に大好きです。アウトロはイントロ同様静かで、全ての事柄が終わった後のような静けさを出しています。
5曲名はDissipate。ギターのウワモノフレーズからのブレイクダウンスタートは反則級。全体的に刻みが多く、ハードコア要素が強めな印象。時折ドラムが存在を主張しに前に出で来る部分が筆者的に好印象です。
前曲が終わり静寂に包まれる中、クリーンな囁きが会場に響き渡り、Masochistが始まる。歌メロ成分が気持ち多めですが、攻撃力全振りのスクリームもちゃんとあります。Jamieのブチギレスクリームに負けない叙情的なギターフレーズが上手く共存している印象。

Masochistでジャンプ前にしゃがみ込む観客達

続く7曲目はOverflow。筆者的には新譜の中で1、2を争う位好きな楽曲です。冒頭は耳に残るシンセ音とJamieのクリーンで幕開け。Jamieのクリーンには内側に秘めている野獣の様な鋭さが、極僅かに感じます。破壊的なスクリームを持つJamieと美しいクリーンを持つJakeが共存するPolarisの縮図の様なイメージ。序盤の歪みは抑え気味ですが、ブレイクダウンと同時に爆発。あまり竿隊は刻まず、ドラムが前に出てくる印象でした。筆者はブレイクダウンでピットインしましたが、再び呆気なくあたり負けしました(笑)。
その後、間髪入れずにドラムカウントが2回入った瞬間、筆者の脳が再びモッシュピットの中に入るよう指示を出しました。そう、Hypermaniaです。
冒頭からブチギレMAXのスクリーム+ハードコア節全開で今日1のクソデカピットが発生。現代メタルコアを好むキッズ達が聴くと無意識に走り回るかハーコーするかの2択に分かれます(筆者は前者)。破壊的スクリームと持てる力全てを使い握り潰すような力強いサウンドが印象的。終始、ハードコア的アプローチの楽曲のため、絶えずハードコア運動会が開催されていました。
そして最後の曲はもちろんThe Remedy。バンドの代表曲でこれをキッカケに彼らを知った人は多いのではないでしょうか。これぞ王道の現代メタルコア!ノリ易いミドルテンポを中心に、キャッチーでシンガロング不可避なサビと要所に入るブレイクダウンが緩急を生み出すと同時に、激しさと美しさがお互いを引き立てています。曲も4分と長すぎず、中だるみしないよう作り込まれており、音源・ライブどちらでも満足のいく仕上がりです。
また、ラスサビ前のブレイクダウンの入口では、Voと同じくらいドラムが主張するので、曲全体を通して全ての楽器隊の見せ場があり、総合的にみても非常に完成度の高い1曲だと思います。
筆者も全力でクソデカシンガロングとハードコア運動会に参加したので、残りHPは0!でも、LANDMAVRKS×Polarisのリベンジを遂に果たすことができて本望です。やはりオージー産メタルコアに外れは無いですね!


Beartooth

USのメタルコア/ポストハードコアバンド、Beartooth。5枚目のアルバムツアーでロンドンに登場。筆者はIn beetweenから時が止まっていましたが、新譜がリリースされたので試聴してみると、意外と好みだったので思い切って参加しました(LANDMVRKSとPolarisを同時に見れる機会でもあるので)。

1曲目はThe Surface。冒頭Vo.calebのスクリーム後のブレイクダウンで特大クラッカーが爆発。スクリーンのピンク色の光と銀テープが相まって桜のような演出に。新譜のタイトルトラックを1発目に持ってくるのは自信の表れとも捉えられます。サビがキャッチーで万人受けしますわこれ。でもしっかり落とすところは落としていて、特に最後のブレイクダウンとCalebのグロウルは今までのキャッチーさを忘れさせます。
お次のThe Past is Deadは、『オオオッオッオ⤴オオオッオ⤴オ~』という誰でも叫びやすいコールを搭載したポップ要素満載の楽曲。フロアは大合唱でBeartoothの人気ぶりが伺えましたね。
続く3曲目はDoubt ME。筆者が新譜で1番好きな曲で、2曲目とは打って変わって曲全体が重めです。クールなイントロ後、序盤から叫びまくり、ブレイクダウンもGood‼。サビの張り上げるような歌い方も筆者が好きなポイントの1つ。ライブ序盤から聴けて嬉しい限りです。

火炎放射器で火を放つVo.Caled

4曲目のBad Listenerでは楽曲終盤にCalebが火炎放射器で火を放つ演出があり、エンターテイメント面でも楽しませてくれます。
5曲目のRiptideは最高に耳障りの良いサビとベース強めのブレイクダウンが堪らない1曲。サビだけなら新譜で1番好きかもしれません。また、アウトロのシャウトとミドルテンポでヘヴィなグルーヴがメタルコア心を擽ります。ライブでもしっかりベース強めの印象でした。
6曲目は3rdアルバムのタイトルトラック、Disease。こちらも素敵なシンガロングパートが目玉の1曲となっています。
お次は2ndアルバムから唯一選出されたHated。最近主流の電子音やモダンなメタルコアサウンドとはかけ離れた、シンプルなハードコア・パンクに疾走感を加えた、どこか懐かし雰囲気が印象的。さらにVo.Calebの歌メロとストレートなサビが明快かつ強い印象を与えてくれます。彼らの楽曲でTop10に確実に入ります。
8曲目はDevastation。ヘヴィなミドルテンポのリフと強烈なCalebの咆哮が印象的で、ブレイクダウンや終盤でも叫びまくるラウドな1曲。やっぱり筆者はキャッチーな要素より、重くて叫びまくり要素が多い曲が好みですね。
続くMight Love Myselfは、もはやメタルコア要素はどこかへ。ヘヴィポップとでも言いましょうか。サビは完全にポップバンドでブレイクダウンの時だけヘヴィなサウンドが鳴り響き、非常にギャップの激しい印象でした。
続いてThe Last Riffを演奏。タイトル通り、楽器隊がメインのインストナンバー。情緒不安定な不協和音とうねり倒すようなベースがダークな世界を作り出しており、直近の彼らの楽曲の中でも異彩を放っています。前曲とは印象が反転し、ポップさが一切無い仕上がりです。
12曲目にはアコギとピアノの旋律が美しいLook The Other Wayを演奏。一気に落ち着きのある感傷的な時間が流れ、フロアの雰囲気が和らぎます。
そしてここからエンジン点火し、1stからThe LinesとBody Bagを連続で投下。ハードコアパンクを主軸に余計なモノを排除した純粋にカッコいいThe Lines。シンプルかつ力強いパワーコード主体の曲運びに、サビではエモ過ぎないエモ要素とCalebのハスキーがかった熱血シャウトが聴く者を鼓舞します。攻撃性とポップ・キャッチーさの共存こそが彼らの強みだと再認識させられました!Body Bagは前曲よりダウンチューニングのため、より重厚感溢れる凶暴なサウンドに仕上がっています。下手に刻みやチャグを入れずとも、モッシュせざるを得ない空間を作り出す点に彼らの自信を感じました。
本編最後はI Was Aliveのメロいシンガロングで会場が一体化。ブレイクダウンやスクリームは無く、多幸感溢れるこの曲は、ライブでもラスト曲が似合う印象を受けました。

その後、数分時間を空けてアンコールへ。
En.1はSunshine!。イントロのコーラスとアコギパートはタイトル通り、太陽と真夏を連想させます。その直後、バッグスクリーンに映し出されるニコやかな太陽とは裏腹に、Calebのハスキーなスクリームとブレイクダウンが曲に変化を加えてくれます。そしてキャッチーなサビとシンガロングが沈んだ気分を晴らし、心の中を照らしてくれる印象。
そして最後はみんな大好きIn Between。イントロでは今日一番のバカデカシンガロング、サビでは皆歌い、前方ではクラウドサーフも見受けられます。
今のモダンなBeartoothの楽曲も良いですが、ハードコアパンク主軸の無骨で荒々しさのある1stは至高ですね。

セットリスト↓↓↓
The Surface
The Past Is Dead
Doubt Me
Bad Listener
Riptide
Disease
Hated
Devastation
Might Love Myself
The Last Riff
Mr. Brightside
Look The Other Way
The Lines
Body Bag
I Was Alive
Encore:
Sunshine!
In Between
※曲の前後はご容赦下さい。

初めてBeartoothのライブを観たが、彼らの楽曲は非常に聴きやすいことが特徴であり優れた点だと感じました。無骨なハードコアパンクを主軸にブレイクダウンやスクリームを入れるが、サビであり得ないレベルのポップ要素を組み込むことで、一辺倒にならずバランスを保っています。それはライブでも同じで、むしろ低音を強く感じるライブではより一層、キャッチーさが隠れないよう演出している印象でした。


2024/11/23 Breakdown of Sanity

4月のIMPERICON FESTIVAL振りのBreakdown of Sanity。
まさか来日公演が実現するとは夢にも思っていませんでした。
元々ライブ本数が少ない彼らが、復活以降、母国スイスですらやらないツアーを日本で行うなんて、、、生きていると良いことありますね。
筆者のスケジュール上、東京公演しか参加できませんでしたが、フルセットの彼らを見れるのであれば何でもいいです。
さらに世界的レア案件な上、メンバーとのミーグリまで実施するとのことで、申し込みが始まった瞬間予約。

筆者はCoexistenceのアルバムにサインを頂きました。墓場まで持って行きます。
4月に彼らを見に行ったこと伝えるをべく、会場限定Tシャツを着ていくとVo.calroから『IMPERICON FESTIVALに来たんだね』と話しかけられ、感無量。Breakdown of Sanityの解散で悲しんでいた学生時代から約7年、未来でこんなことが起きるなんて、、、

筆者とBreakdown of Sanity

会場は渋谷サイクロン。照明が消え、SEが流れるとメンバーが登場。
イントロはもちろんProlouge。不純物一切なしの激重ブレイクダウンでライブがスタート。相変わらず重力すら感じるブレイクダウンが会場を押しつぶす。筆者はもちろん、観客も臨戦状態。そのままCrumbleを投下。冒頭の高速で鬼畜な刻みが猛襲し、フロアは沸騰。サイクロンでこんなに沸騰している画を見るのは初めてかもしれないです。間髪入れずにStory of a Strangerを演奏。はい、もう死んでいいです。刻みと短い不協和音の繰り返しの後、Vo.Calroのはらわた煮えくりかえるような咆哮と共に、内臓が揺れるほどのブラストビートとバッキバキの刻みを受け、筆者の細胞一つひとつが喜んでいます。ブレイクダウンのフルコースはまだ始まったばかりですが、終わるころには形を保っていられるかわかりません(笑)。

続いてTracesを演奏。新曲の中でもキラーチューンで冒頭のミドルテンポの刻みが非常にノリ易い印象。最初のサビ後にベースだけでブレイクダウンに繋げる一瞬が堪りません。その後、イントロと同じブレイクダウンを挟み、メタリックなフレーズと共にまた刻みまくります。筆者の『大好物』刻みとメタリックなフレーズの掛け合わせが惜しみなく含まれています。というか、Breakdown of Sanityはそういう曲が多いです。
Calroの咆哮と共に始まるカウント後のブレイクダウンでは、キャパに合っていないモッシュピットができ、ハーコー運動会が開催され、皆優勝。そして地味にアウトロが美しいんですよねTraces。破壊衝動に駆られていても美しいアウトロで我に返れてしまうあたり、罪な曲です。
5曲目はBlind。冒頭はゆっくりとしたブレイクダウンで始まりますが、Calroの咆哮と共にテンポアップし一気に突き抜けていきます。疾走感溢れるメタリックなリフの後はもちろんブレイクダウン。そして再びミドルテンポで進んだ後は疾走感溢れるリフと爆速ブラストとヒロイックなギターフレーズで頂点まで駆け上がり、最後はCalroの合図と共に、地面にめり込むほどの重量を感じるブレイクダウンを観客に届けます。
お次はCoexistence。叙情感マシマシのウワモノフレーズとゆっくりとした曲運びのインタールードが熱狂したフロアを落ち着かせます。
そのまま哀愁漂うイントロから始まるNew worldを披露。涙腺崩壊まったなしの叙情感マシマシフレーズと凶悪なブレイクダウンで筆者の感情はグチャグチャに。2:38からの叙情系フレーズは、一つの物語の終わりを告げるような儚さと新たな世界への一歩を踏み出す時に背中を押してくれるような希望に満ちた雰囲気を感じます。また、4:36から入ってくる力強いツーバス連打が心臓を鼓舞させますね。

8曲目は発表されて間もないEchoes of the Void。開幕はブレイクダウンで始まり、刻んだ後に少しの溜めを作り一気に落とした後、彼ららしいメタリックな刻みを経て、サビへ突入。形あるものを破壊するかの如く、ブレイクダウンを決め、さらに低いブレイクダウンをねじ込み、数秒の間をカウントを取った後、再びブレイクダウンで曲を〆る。筆者の中ではかなり凶悪な曲に仕上がっていると感じました。
続くPerceptionでは調和のとれたギターパートが観客の心の波を整えます。同時に会場の照明が暗転し、波打つ音が夜の浜辺の静寂をフロアにもたらします。程なくすると凪の時間が訪れ、後に披露されたのはThe Writer。神々しい単音リフと骨身に響くタイトな刻みにフロアは大爆発。このイントロフレーズに心を奪われた人は多いのではないでしょうか。
数えきれないブレイクダウンを持つ彼らの楽曲の中で、2:00~からのブレイクダウンがやはり一番強く重く感じます。筆者の中でも思い入れのある曲を再び聴くことができ、喜悦に耐えません。
10曲目はinfest。薄暗く怪しげな雰囲気のフレーズとリズミカルな刻みで始まり、ブレイクダウン後にツインペダルがブーストをかけ、メロデス調の疾走感あるリフを挟み、哀愁溢れるギターソロと、移り変わりの激しい印象。1曲を通して全て異なるパターンの刻みとリフで構成されている点が他の曲と差別化を図れているポイント。最後のブレイクダウン前の『Yes,We Can』コールはタイミングバッチリでしたね(笑)。
本編最後の曲はHero。全体的にミドルテンポで最後のブレイクダウン以外はあまり落としすぎず、ギターのピロピロパートやモダンなリフがメインの印象。最後のブレイクダウンはCalroの咆哮と天に召されるかのような神々しいフレーズに筆者は昇天。(アルバム収録順では次にThe Writerですが、あの神々しい単音リフは天から地上へ降臨するような印象を感じます)。
そしてまさかのアウトロにWhen Silence Breaksのブレイクダウンを加えるサービスまで!

小休憩を挟んだ後、お待ちかねのアンコール。
En.1曲目はBulletproof。水滴が滴る音が聞こえるくらい静寂な空間に突如放たれるCalroの咆哮。それは長年の眠り(活動休止)からの解放と捉えられるような叫びでした。安泰と平和を破壊するような禍々しく凶悪極まりないリフとブレイクダウンはフロアを別世界へ変えてしまう程。彼らの楽曲の中でTop5に入るくらい好きな曲を、終盤に聴くことができ本望です。
そして正真正銘最後の曲はThe Gift。
天にも昇る心地のヒロイックなイントロと、それとは反する落ちるところまで落ちる凶悪なブレイクダウンが最高な1曲。2:00~からの爆速ブラストビートは小細工無しの真っ向勝負感が非常に好印象。そして終盤のアウトロは、フロアに居る全ての人たちへ向けた、最後の別れの挨拶のように感じました。ライブが終わった後の反応を見る限り、彼らの贈り物は確実にフロアに届いていたと思います。

セットリスト↓↓↓
Intro/Prologue
Crumble
Story of a Stranger
Traces
Blind
Coexistence
New World
Echoes of the Void
Perception
The Writer
Infest
Hero
Encore:
Bulletproof
The Gift


奇跡の復活を遂げ、奇跡の来日を果たしたBreakdown of Sanityのライブを2度も観ることができた上、学生時代の無念を完全に晴らすことができた日になりました。会場に居た人達は皆、致死量以上のブレイクダウンを浴びたのではないでしょうか。筆者は今後、今日以上にブレイクダウンを浴びることは無いと思っています。残念ながらDr.Tomの復帰は叶わず、彼の叩くドラムを拝めませんでした。それでも今出せる最高のパフォーマンスを我々に披露してくれたと思います。また、CalroがVoを務める最後のツアーでもあり、フルセットの彼らを観たことは世界中のBreakdown of Sanityリスナーに自慢できるでしょう。最後に本気のBreakdown of Sanityを観ることができて、この上ない幸せで満たされました。そんな彼らを日本へ引っ張って来てくれたT.M.MUSICには感謝しきれません。
余談ですが、4月に観に行ったミュンヘンでのライブはThe Giftで始まり、日本ツアーではThe Giftが最後の曲。始まりと終わりが同じ曲という、ちょっとした面白い偶然がありました。ですが筆者にとって、この偶然は彼らからの意図しないもう一つの贈り物となりました。


2024/12/13 Judas Prist

2024年最後のライブはメタル神:Judas Priest。
1年のライブ〆でメタルの神を拝めるとは、なんて贅沢なんでしょう。
メタルを聴く者として、メタルの神がわざわざ日本に来てくださるならば、行かない選択肢はありません。また、これだけ長寿なバンドになると次いつ観れるかわからないので、来日の際は必ず行くようにしています(考えたくはありませんが、年齢が年齢なので)。

開演前のステージ

開演前は写真の様な状態で、始まる前から既に上気分。時間になるとSEが流れ、観客にもスイッチが入ります。
そしてスタートは新譜1曲目のPanic Attack。イントロが流れ、Vo.パートが入ると同時に垂れ幕がはけると、ステージ中央にはJudas Priestが集結。遂に六本木EX THEATERにメタルゴッドが降臨し、メタルの民達が歓喜の声を上げます。筆者が最後にライブを観たのはDownload Festival Japan 2019なので、約5年振り。神は御年73歳、最後に観てから5年経過しているので、ハイトーンボイスが出るか不安でしたが、要らぬ心配でした。流石に身体の動きはゆっくりでしたが、喉は一切衰えていません。第一印象は『まだその声量で歌えるのかよ!』です。メタルの神は未だ健在で、自他共に認められる理由がそこにはありました。この曲ではハイトーンボイスをサビとコーラス部分でしか使わないので、より一層、神が目立ちます。ドラムはツーバス踏みっぱなしではなく、細かくパターン化することで緩急が生まれ、曲のテンポ感を操っている印象。ギターは前作のFire Powerの様に、リフとパワーコードが非常に良い塩梅で作られています。また、曲の展開が比較的に早く、気づけばギターソロ、そしてアウトロという時間を忘れさせる1曲でした。

セットリスト↓↓↓
Panic Attack
You've Got Another Thing Comin'
Rapid Fire
Breaking the Law
Riding on the Wind
Love Bites
Devil's Child
Saints in Hell
Crown of Horns
Sinner
Turbo Lover
Invincible Shield
Victim of Changes
The Green Manalishi (With the Two Prong Crown)
(Fleetwood Mac cover)
Painkiller
Encore:
The Hellion
Electric Eye
Hell Bent for Leather
Living After Midnight

新譜からは3曲を選出し、後は過去作の名曲たちで構成されたセットリスト。個人的に新譜からもう数曲演奏して欲しかったですが、ライブを観れる時点でありがたいので文句は言いません。だた、前作のFire Powerが外れるとは予想外でした。
Breaking the Lowでは、竿隊と神がステージ前方で並んで演奏するお決まりの演出。また、割と序盤での演奏だったので少々意表突かれました。
5曲目のRiding on the Windでは、イントロの爆速ドラムと疾走感あるヘヴィなリフがフロアを更に熱狂させます。『これぞギターヒーロー!!』と言わざるを得ないソロパートに筆者の心も声を上げ歓喜。
Painkillerでは、ロブ・ハルフォードの超絶ハイトーンボイスが空を切り裂きます。ここでメタルゴッドの『凄さ』を再認識した方はたくさん居るのではないでしょうか。筆者は普段、ライブに行くときは音量調節イヤホンで耳鳴り等の対策をしていますが、この日は耳栓をしたのにも関わらず、終演後にも耳鳴りが止まりませんでした。それくらい突き抜ける高音域を、現在でも出し続けられるロブ・ハルフォードは、他のボーカルと一味違います。また、Painkillerは終始ハイトーンボイスで歌い続けるため、他の曲より消耗が激しいと思います。それでも実年齢とはかけ離れた歌唱力を披露できるあたり、やはりメタルゴッドの名に相応しいです。
アンコール後はThe Hellion~Electric Eyeという激熱展開が待っており、歓喜したメタルヘッズも大勢居たことでしょう。壮大でメロディックなイントロを聴くと、『遂にElectric eyeが来るぞ!来るぞ!』と、感情が高ぶりますね。Electric eyeに関しては、イントロ、リフ、サビ、全てが良すぎて、『これぞ、H E A V Y  M E T A L』という楽曲。Judas Pristだけではなく、HMを代表する名曲ではないでしょうか。そして最後はLiving After Midnightでクールに決めて幕を下ろしました。

2時間弱のライブでしたが、気づいたら終わっていました。楽しい時間って何故早く過ぎ去ってしまうんですかね。。。
というか、リッチー・フォークナーがカッコ良すぎましたね!筆者は生まれ変わったらあんな男になりたいです。前回、前々回見た時よりもギタープレイも輝きも増しており、ライブの半分以上は凝視していました。
また、ギターソロを弾く彼を傍で見守る神の構図は神話そのもの。Ba.イアン・ヒルは相変わらず、同じ立ち位置で演奏するスタイル。目立ちはしませんが、バンドの低音を支える縁の下の力持ちのような存在ともいえるでしょう。
ライブ終了後、バッグスクリーンには『The Priest Will Be Back』との表記。
年齢的に次があるか不安でしたが、ライブが終わってみれば、その心配はどこかへ。彼らは必ずまた戻ってくる。その日まで気長に待とうと思います(というか、そんな雰囲気を微塵も感じなかったので)。 
半世紀以上、ヘヴィメタルの中心的存在としてシーンの象徴となっているJudas Priest。今後もメタルゴッドとして在り続けて欲しいですね。


2024年に観に行ったライブは計14本で、海外公演が4本と国内公演が10本。
本当に観たいバンドのライブには、お金に糸目を付けず行動して良かったです。特にメタル・ハードコアバンドは急に活動休止や解散をするので、本当に好きなバンド程、見れるうちに見といた方が良いと思います。現に筆者が好きなAs I Lay Dyingはほぼ解散状態、Breakdown of SanityからVo.Calroが脱退、Our Hollow,Our Homeは突然の解散。。。等々、見に行っていなければ確実に後悔していましたね(OHOHは観れませんでしたが、、)。
海外公演は時間もお金もかかるので簡単には行けませんが、もし行ける機会があれば是非、一歩踏み出してみて欲しいです。言語の壁は気合とジェスチャーでどうにかなるので(筆者もまともに英語話せません)。きっと人生最高の瞬間に出会えると思います。


2025年の予定も少しずつ決まってきたので、先が待ち遠しいです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
今後も不定期で参加したライブの感想等を投稿する予定ですので、読んでいただけると幸いです。

               S T A Y  M E T A L ! ! !

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