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ヒッチハイクは短編集のよう
山形県西川町という場所で働いており、東京の家に帰る際、ヒッチハイクで帰ってみた。
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ヒッチハイク自体は5、6回くらいやったことあるけど、ここまで長距離は初めて。
とりあえず、停車できる場所を見つけ、そこで開始。
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ダンボールを掲げること30秒、車が停まる。
1人目(西川町→寒河江)
45歳消防士の男性の方。
朝9時半だが、24時間の勤務が終わって、帰宅するところと言う。めっちゃ疲れてるのに、ありがとうございます。
ヒッチハイクを見るのも、乗せるのも初めてだと言う。
なぜ乗せようと思って下さったか聞くと、寒そうだったから、と。
仕事のお話し。元々、30歳まで建設の管理者をやっていたが、人の役に立つ仕事がしたい!と思い立ち、消防士になったと話してくれた。なんてかっこいいんだ。
あっという間に到着。
名刺ないですか?と言われるが、生憎持っておらず、写真でもよければと言って、一緒に撮った。
「お互い良い思い出になりそうですね」
と、嬉しい言葉まで言ってくれた。
年下の自分に対して、最初から最後まですごく謙虚で丁寧な敬語まで使って接して頂いた。そして、ヒッチハイク乗せる側として、嬉しそうにしてくれた。
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思ったより車少ない寒河江SA。
トラックが2台と、乗用車が1、2台。しかしすぐ本線に行ってしまった。あぁ、待って。
すると、グルーっと回って自分の前に戻ってきた。
2人目(寒河江→山形蔵王)
若いカップルの方。
「山形駅に行くんですけど、乗ります?」
と言われる。駅か、高速降りたくないんだよな。
交渉の末、少し遠回りして次の山形蔵王SAまで行って頂いた。ありがとうございます😭
男性は、整備士の方で、庄内から山形の本社の方に用があって来たらしい。
前の方同様、ヒッチハイクを乗せるのは初めて。
助手席の女性が無口なので、自分が邪魔だったかな、と思い少し気まずい。
10分ほどで到着した。
わざわざ窓を開けて、「お気を付けて!」と言ってくれた。
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寒河江より小さい。
これは苦戦するな、と思いきや、ダンボールを見て「お、ヒッチハイク?乗る?」と声を掛けられる。
3人目(山形蔵王→菅生)
49歳、建設業の男性の方。
鶴岡の方で、仕事で仙台に行く途中。
この方は、ヒッチハイク乗せたことあるらしい。今回は仙台だけど、関東にも支店があって、そこに行く時に外国人を乗せたみたい。
その方は日本語話せたんですか?と聞くと、翻訳機で会話したと。むず。
というのも、建設業界は、外国人が多く、ポケトークを普段から持ってるって。にゃるほどね。
途中、仕事の電話が掛かってきたので、自分は黙る。会話はきこえてくるが、専門用語が飛び交って何がなんだが。
この方は、足場職人。橋を架ける工事の時の、足場を組む人。へー、そんな細かく分かれてるんだ。
度々電話がかかってくる。取引相手のスーパーゼネコンさんたちから。
「不躾な質問で恐縮ですが、そうなる
と、ゼネコンはどういう仕事なんですか?」と質問。
今の建設会社は、ほぼ管理会社で、足場とか電気とか塗装とか、すごく細かい分業制らしい。自分の浅学さが恥ずかしい。
前まで建設会社の管理者の方にいたけど、依頼する側じゃなくて、自分でお金を決める側がいいなと思い転職したみたい。
到着。
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ヒッチハイクの時はいつもお礼をお渡ししてるんだけど、受け取ってくれなかった。なんとも気前のいいかっこいい方でした。
ここは下り方面なので、歩いて上りのSAまで移動。
もう12時なのに仙台か、今日中に東京は厳しいかもな。
待つこと30分、1台の車が止まる。
若いカップルの方で、「山形行くんですけど、方面違いますか?」
残念ながら、それだと双六で言うスタートに戻るなのよ...。
めっちゃ良い人そうなので、ぜひお話ししたかったが、泣く泣くお断りした。
でも、声掛けてもらえるだけで、ほんとに嬉しい。
そして15分、ハイエースが止まる。
4人目(菅生→国見)
空調機のお仕事してる50代男性。
乗ってそうそう
「なんでヒッチハイクしてんの?自分探し?」
と聞かれる。なぜしてるかの理由を述べるの長くなるので、そんな感じです、と答えると、笑われる。
「よく若い人たちがさ、自分探しって言うけど、ほんとの自分なんて見つかんないんだよ」
あぁ、そういう意味じゃないんだけど。でもここで反論するのは、乗せてもらった手前、違う気がする。
「仕事なんて生活する手段なんだからさ、1日8時間働くだけなんだから、仕事なんて何でもいいんだよ」
うーん、仕事に対する考え方について議論したい訳じゃないけど、どうやら怠惰で仕事してないと思われてるみたい。確かにヒッチハイクしてるくらいなら働けよって、めっちゃ一理あるんだけど、この1年でたくさんの素敵な人に出会えたのは、仕事を辞めたからだし、そこは後悔してなくて。
って色々言いたいけど、さっきの理由と同様、そうですね、と聞くことにした。
この方はたちは、米沢に仕事に行くみたいなので、国見で降ろすね、と言われる。
最後、気を付けてね、と言われ、お別れ。
うーん、コミュニケーション能力の不足をますます実感した。
福島県に入った。
雪はなくなったけど、寒い。どうやら山の上のSAだ。
待つこと45分、プロボックスが止まり、
「ほんとは会社の車だからダメだけど、乗りな」と言われる。
5人目(国見→安達太良)
サンドウィッチマンの伊達さんと見紛うほど似てた、警備会社の男性。
仕事の車なのに、乗せて頂きありがとうございます、と言うと、あまりに寒そうだったからと言われる。
確かに、そろそろフードコートに入らないと危ないかもと思っていた頃だった。
仙台の方で、郡山まで行く途中。しきりに短くてごめんね、と謝られた。とんでもない。
結構長距離なので、色々お話しできた。
警備会社の営業って?すごく単純に言うと、店の現金輸送うちでやりますよ、って営業するのが仕事。なるほどねー。
仙台の人はよく牛タン食べるのか、とか、虫は出るのかとか
将来結婚しようと思ってて、父親になる覚悟が、とか
見た目怖いのに、すっごく優しい方で、気付いたら相談してた。
「親になることを不安に思ってるだけで、真剣に考えてるんだし、今色んな経験できてるんだから良い親になるよ」なんて言って頂いた。
まだまだ話したかったけど
短くてごめんね、と言われ、お別れ。
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すっごく優しい人だったな。
それはいいけど、2時半でまだ福島にらいるのが少し焦ってきた。なぜなら、日が沈むと、暗いからヒッチハイクの難易度がガクッと上がると言われているからだ。夜したことないから、それが懸念点だった。
掲げること5分、車が止まる。
6人目(安達太良→安積)
20歳の男子大学生。
仙台の大学だが、今日から冬休みなので、実家の新潟に帰省するとのこと。
ん?てことは、すぐ郡山JCTで西に行かない??東北本線から外れるのだけは避けねば。
説明すると、「全然急いでないので、いいっすよ!」と言ってくれて、次のPAまで送ってもらうことになった。
年下って初めてだな。彼もヒッチハイク見るのも乗せるのも初めて。YouTuberのオンエア何とかさん?がやってるの見て、ほんとにいた!と思ったらしい。
乗せてくれてる時点で、普通の人より好奇心が強いと思うのだが、「自分はヒッチハイク怖くて出来ないっすね」と謙遜。誰でもできるよ、しないだけで。
日本一周とか、東京から京都まで歩いた話を楽しんでくれた。
すぐに到着。
ヒッチハイク、おすすめはしないけど、一生に一回くらいならいいかもよって伝えた。
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短く刻んでいく作戦
ここもやばいな。車少ないし、立ちたい場所で工事やってて、視界を遮られる。
試行錯誤の末、場所を変えると、おじさんに声を掛けてもらう。
7人目(安積→上河内)
案内された先は、なんと10tトラック。「ほんとはダメだけどね」あ、それ今日何回か聞いたな。
規制が厳しくなったトラック。まさか乗れるとは。やはり目線高いし、運転席と助手席もかなり離れてる。7台目にして、新鮮。
64歳の方で、仙台→四日市まで運送する途中。え!!ゴール!!と思ったが、今は空っぽだけど、荷物を積んでそれを四日市まで持ってくから、途中までなら良いとのこと。それでも十分ありがたい。
ずっと製造業の仕事してたけど、コロナで倒産。定年まであと少しだし、トラックでもやるか、と思い始めたらしい。
10tだと大通りしか通らないから、運転は案外簡単みたい。
自分もドライバー職だったので、運転の話で大盛り上がり。前走ってる車の速度も表示されるんだってね。すごい。
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今は空っぽだから、偶然乗せられたけど、普段はやっぱダメみたい。トラックの人はみんな乗せてあげたいと思ってると思うよって言葉に少し救われる。自分は運が良かったな。
栃木県の真ん中辺りまで来れた。が、日が沈んでしまった。
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昼ごはんを食べて、再開。
意外にも、すぐに止まった。
8人目(上河内→羽生)
27歳の建設機械営業の男性の方。
那須の営業帰りで、加須に帰る途中。
ヒッチハイクを乗せるのは初めて。たまたま最近後輩とヒッチハイクの話になったらしく、次見たら乗せてみたいねーって言ってたらしい。すごい偶然。
乗せるの怖くなかったですか?と聞くと、寒そうだったからと。俺そんな寒そうにさてるのか。
タクシーの話とか、建設は必ずゴルフ文化あるって話とか。話すのが好きで営業入ったけど、実際は聞くのが大事だったとか。
8組乗せて頂いて、やっぱり同年代のが話が盛り上がる。当然か。
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もう19時過ぎ。埼玉来れたし、あと30分立って何も無かったら、電車でいいかなーっと思い、一応立つ。
10分ほどで1台停車。
「お兄さん乗って来ます?東京の方までいくんですけど」
9人目(羽生→飯田橋)
なんと、飯田橋まで行くということで、そしたらあと電車一本で帰れる!すごいありがたい。
27歳で太陽光の営業してる男性の方。
鬼怒川で営業した後、飯田橋の会社に帰る途中。鬼怒川、空き地多いもんね。
乗せるのは初めてだけど、面白そうと思ったらしい。
今の仕事は2年目で、なんか違うなと思ってるらしく、つまらない仕事をするか、夢を追うか、どちらが良いのかって話をしたり。
みかんも頂いた。
ついに東京。首都高5号線から見る夜景は、素晴らしかった。どこを見てもキラキラ光っている。
帰ってきたなぁ。
沖縄出身の方で、自分も来月沖縄行くと言うと、何か困ったら連絡して下さい!と言ってくれた。LINEを交換したいと言われたので、一応した。
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無事終了。
乗車台数 9台
かかった時間 11時間20分
乗せて頂いた方、ほんとうにありがとうございました。
ヒッチハイクは、人の好意にタダでつけ込んでるって批判する人がいるが、その主張も一理あると思う。でも、消防士さんや警備の方、大学生など乗せたことを嬉しいとはっきり言葉で伝えてくれた。
大変だった、と乗せて頂いた立場で言えないけれども、こちら側からしても貴重な話をたくさん聞けたし、向こう側も新鮮な体験ができたと言ってくれて、やって良かったなと感じた。
8:55 開始in西川町
待ち時間30秒
8:55〜9:15 1人目
〜朝ご飯〜
待ち時間8分
10:05〜10:20 2人目
待ち時間10秒
10:21〜10:58 3人目
待ち時間45分
12:15〜12:45 4人目
待ち時間45分
13:30 〜14:15 5人目
待ち時間10分
14:35〜14:55 6人目
待ち時間40分
15:40〜17:00 7人目
〜昼ごはん〜
待ち時間15分
18:20〜19:10 8人目
待ち時間8分
19:30〜20:20 9人目