大分旅、旅好きのきっかけの場所
今回は熊本旅の時の同期と行く予定だったが、前日に彼が風邪を引いたので、1人旅。
1日目
9:40 大分空港到着。
寂しく1人でレンタカーを借りる。
爆音で音楽をかけて運転すること30分、別府へ到着。
ここは個人的に思い出の地。
大学2年生の夏休み、友達に誘われて青春18切符旅行に行った。
自分はその切符の存在も知らなかった。断る理由もないので付いてった。
東京から始まったその旅の、最後の観光地がここ別府だったのだ。
最後だからとタクシーを使ったのだが、なんと運転手が地獄めぐりを案内してくれたのだ。しかも若いからという理由でメーターを止めて。
あの時のおじちゃんが、タクシーに良いイメージを与えてくれたのかも。
友永パン
お昼にパン屋へ。
確か、この店はnoteのどなたかの記事で見かけて、Googleマップにマークした気がする。
安くて美味しい。さすが、noteの先輩たちの記事だな、って思った。
地獄めぐりもっかい行っても良いなーと思ったり、別府タワーでも登ろうと思ったけど、いかんせん天気が悪い。
もう宿に行こう。
泊まるのは、湯布院。
別府と湯布院は車で25分くらい。その道(県道11号)は峠道。イニシャルDを爆音で流してブッ飛ばす。こういう峠道大好き。
エタビア湯布院金鱗湖
チェックインだけ済ませ、湯布院観光。
こっちの宿も考えたけど、結局高くてやめた、フローラルビレッジにも足を伸ばす。
フローラルビレッジ
映えのための退屈な施設かなと思ったけど、狭いなりに世界観がぎっしりと詰まっていて、結構良かった。
宿に戻って温泉に。
と思ったが、1時間半くらい入れなかった。というのは、ここの宿は貸切風呂だが、予約ではなく先着順なのだ。
貸切は良かったけど、入ろうと思った時に温泉に入れないのってストレスだなぁと気付いた。
宿自体は良かったけど、温泉のシステムが合わなかったな。
部屋に戻る。
タクシー時代の同期と電話。この日は東京は大雪に見舞われて、めちゃくちゃ大変そう。
おやすみ。
2日目
6時半起床。
九州とはいえ、朝は寒い。朝風呂で身体を温めてから、浴衣で散歩。
外を浴衣で歩いてても特に見られないのは、大分県ならでは。普通に通勤の人たちと被って少しだけ恥ずかしかった。
寒い中外出て良かった。金鱗湖は水温が高く、湯気で幻想的な雰囲気になっていた。昨日の夕方より人少ないし、来るなら朝。
今日は移動メインなので、早めにチェックアウト。
福貴野の滝
湯布院から車で15分。通った道路は、安心院湯布院線というらしい。変わった地名だ。
前の熊本旅でも思ったが、誰もいない道を走って、1人で滝を見る時間がとてつもなく好き。どんな観光地行っても、心が安らぐのはこういう場所。
九州良いなぁ。
この滝の駐車場に大分観光マップがあり、そこで気になった寺に寄り道。
龍岩寺
受付に着くと猫が3匹くらいいた。
階段を200段ほど登る。他の参拝者はいない。それどころか、長年誰も訪れてない雰囲気すらある。
この寺は行基創建らしく、平安時代建立とのこと。階段の幅とかも平安時代のままっぽい。歴史を感じる。
到着。何の音もしない。
この中に仏像が3体ある。
いや、怖い!
「友達がいてくれたら…」切に願った。
明るい曲を大音量で流しながら、勇気を振り絞り戸を開ける。
神秘的という言葉は、大抵良い意味で使われる。この空間を神秘的だと感じたが、ここでは恐ろしいという意味に感じた。なんというか、この空間は人間のためじゃない、みたいな。
高台にあるから周りから一切音がしない。屋根で覆われてるから自分のいる場所は暗く、目の前には陽の光で照らされた仏像しかない。
恐ろしいと思いつつ、15分くらい見入ってしまった。この空間に惹きつけられた。
お堂を出ると、なんと、受付にいた黒猫が待機していた。こんなとこまで登ってきたのか。
猫に先導され階段を下る。近付くと逃げるが、離れすぎると待ってくれる。RPGのチュートリアルかな。
無事受付に到着。
駐車場に戻って、次の場所行くかとエンジンをかけたところで、おじさんに話しかけられた。
「おお、若いな!こんな所で何してんだ?」
今お寺に行ってきて、これから耶馬溪に行くと話すと、
「平家の七人塚行ったか?今から行くんだけど一緒に行くか?」
と言われる。
時間あるし行くか、と思い車でついてく。
平家の七人塚
このおじさんが、門脇中納言、平教盛の子孫の門脇さん。教盛は清盛の異母弟。
後日Googleマップ見たら、色んな方がこの人に会って案内してもらったらしい。
家系図を見せてもらったり、オーブが写った写真を見せてもらった。
うーん、ほんと?
そう思った。写真はいくらでも加工できるから根拠として薄いし、家系図もいきなり門脇になってた。
缶コーヒーをご馳走になり、色々説明してくれる。平氏と宇佐神宮や厳島神社の関係とか。もしかしたら本当に子孫かもしれない。自分が歴史に明るくないから、よく分からなかった。
でもまぁ、地理的に壇ノ浦から逃れて、大分の山に逃げ込んだってのはありそう。
結局よく分からないままおじさんがこの後用があるってことで解散になった。
最後はタダで家に泊まりに来なよ、何泊でもしたらいいと言ってくれたが、帰りの飛行機もあるし、お断りした。
あと、3月から日本一周するんです、って言うと、そんな金の無駄遣いするなと言われ、あんまり話を聞く気がなくなってしまった。
本当の清盛の子孫だったらとんでもなく無礼。首切られる。
耶馬溪
運転すること30分、青の洞門駐車場に到着。
紅葉が有名な場所だから、今はオフシーズンで無人。ここで昼ご飯と思ったが、店が閉まってたので、近くの弁当屋へ。
とり天弁当を注文。
閉店10分前に頼んだが、めちゃ笑顔で接客してくれた。申し訳ない。
店員さんがめっちゃかわいかった。前に並んでたおばさま方も店員さんにメロメロだった。
耶馬溪に戻り、山国川沿いでご飯。
名物のとり天、美味しかったからまた来よう。別に店員さんに会いたい訳ではない。
案外時間が迫ってきたので、次の場所へ。
この先は、18世紀に和尚が大工とノミで掘ったらしい。山国川が増水し、写真右手の山を通らざるを得なくなったから、掘ったみたい。
洞窟の中を運転するの楽しい!ぜひまた来たい。
大分県立歴史博物館
最近マイブームの歴史博物館。ここの施設はかなり立派。
磨崖仏は東京にはないので、興味深い。
どうやら阿蘇の噴火で、石の質が異なり、その結果大分の南北で磨崖仏の形が異なるらしい。
近くの宇佐神宮についての展示もあった。
宇佐神宮は八幡神を祀っており、全国の八幡宮のトップである。中でも石清水八幡宮、鶴岡八幡宮などは有名。
ということで、実際に行こう。
宇佐神宮
571年に応神天皇の神霊が、八幡神として宇佐に現れたらしい。
境内の看板に「道鏡事件」のことが書いてあり、日本史の授業で習ったことを薄ら思い出した。
ざっくり言うと、769年、道鏡が「宇佐神宮が次の皇位は自分って言ってる」と嘘の信託を言い、天皇になろうとしたという事件だ。
これはつまり、天皇を決める根拠として使われるくらい、重要な神社であったことを意味する。
境内には↑この意味の解説は無かったので、帰ってから調べた。
ちょっと脱線。
645年 大化の改新 中央集権
663年 白村江の戦い
唐・新羅(勝) vs 百済・日本(負)
中大兄皇子軍
負けた日本では中央集権が加速。ここで負けたから、中大兄皇子は北九州の防御を固める。
すなわち、水城を築き、防人を配置して24時間警備させた。
急激な政治変化に、九州の人が「俺らの負担重過ぎんだろ!」っなり、720年に隼人の乱が起きる。
そこでの殺生を悔いた八幡神が、仏にも救いを求めた。それが、最初の神仏習合となる。
宇佐神宮を見終わって、大分空港に車を返し、帰宅。
・・・
平家おじさんとの出逢いから、やっぱ歴史だけじゃなくて、知識の守備範囲広げたいなーと思った。
というのは、あんまり日本史の話になって、よく知らなかったのが恥ずかしかったからだ。
初めて会った人と、話を広げられるくらいにはなりたい。
旅行好きだから、色んな人と初めましての時に話せるようにしよう。歴史に限らず、物知りな人って魅力的だと思う。
あと、龍岩寺のおかげで、また九州が好きになった。
またね、猫ちゃん!
あと弁当屋のお姉さんも!
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