2時間かけてスケジュールを立てれば、勉強も仕事もうまくいく
今回お伝えしたいことは「時間をかけてスケジュールを立てれば、勉強も仕事もうまくいくよ」という話です。
僕は1週間分のスケジュールを2時間かけて立てていました。日曜日の夜か月曜日の夜に、その週のスケジュールを細かく決めてしまうのです。
こんな話をすると「スケジューリングに2時間もかける必要ある?」と言われます。でも、そこにはちゃんと理由があります。
2時間かけても、その何倍ものリターンがあるのです。
僕はこれまで、何度か真剣に勉強するタイミングがありました。
具体的には、大学受験や大学院受験、国家公務員試験に情報処理技術者試験……。官僚時代には法律の勉強をしましたし、コンサルタントになってからもさまざまな業界やスキルの勉強をしてきました。
多くの壁を乗り越えてきましたが、それはほとんどが「スケジューリング」のおかげだったように思います。
僕は「ここぞ」というときには、かならず週に2時間ほどをかけてスケジュールを作っていました。人生のステージを上げようと思ったとき、つねに「スケジュール」が役に立ちました。
今回は、そんな僕の人生を変えてきた「スケジューリング術」についてお伝えしたいと思います。
「勉強を頑張りたい」「資格を取りたい」「副業をしたい」という人や「仕事をもっと効率的にやりたい」「もっと評価されるようになりたい」という人にも役立つ内容になっているのではないかなと思っています。
何もしない時間を制御できるのが「スケジュール」
さて、人間にとっていちばん大切なことはなんでしょうか?
それは「時間を制御する」ことです。
どんな人でも等しく1日は24時間です。人生を変えていける人は、この与えられた24時間をうまく制御できる人だと言えます。
時間を制御するときに役立つのが、まさに「スケジュール」です。
スケジューリングは普通だったら何もしないような時間を制御できます。会計や英語の勉強をしたいと思っていても「時間が余ったらやろう」「会社から早く帰れたらやろう」などとやっていると、だんだん何もしなくなります。それではいつまでもステージは上がっていきません。
そこでスケジューリングが役立つのです。
出社前の朝の時間、帰ってからの夜の時間、週末の時間など、普通だったら何もしないような時間を制御することができます。
ちなみに「予定表」と「スケジュール」は違います。
予定表は決まっていることを書くだけです。他人との約束を書くのが予定表。どちらかというと「受け身」です。一方、「この時間でこれをやるぞ」と攻めの姿勢で考えることがスケジューリングです。
未来を自ら作りあげていく行為がスケジューリングなのです。
人生がうまくいく「スケジューリング3ステップ」
ではあらためて、具体的にどうやってスケジューリングするといいのか? 僕のやり方をお伝えしていきます。
①Xデーを決める
まずは思いきって「Xデー」を決めてしまいましょう。「○月○日に行われる試験で合格する」「○月○日までにTOEICで800点をとる」というように具体的に決めるのです。
この目標設定はテンションの上がるものがいいでしょう。とんでもなく無理な目標でもいい。本気で達成したい目標を立てたほうがやる気が出ます。
②2時間かけてスケジュールを作る
そこから何をすればいいか逆算して、スケジュールを立てていきます。スケジュールは、とにかく細かく設定することがポイントです。
目標達成までの長期スケジュールとは別に、その長期スケジュールに合うように「1週間のスケジュール」を毎週作る。その1週間のスケジュールを作るのに、毎週2時間かけてほしいということなんです。
これが最大のポイント。
「○時〜○時半までは、これをやる」と細かく決める。そして、そのときの自分の状況も解像度高く想像してみるのです。「このときはどのくらい疲れてるかな?」とか「どのくらい焦っているかな?」「ここはお腹がすいてくるだろうな」といったことまで頭の中でシミュレーションする。
1週間を通して自分がどう動いているか、時間をかけて想像するのです。ここの想像力がものすごく重要です。
③絶対に守る
スケジュールを作ったら「絶対に」守ります。
逆に言えば、絶対に守るためにも2時間かけてスケジューリングする必要があるのです。
昔「なんでみんな、スケジュールを作っても守れないんだろう?」と考えたことがあります。僕が思ったのは「スケジュールがかわいくないからじゃないか?」ということでした。
スケジュールをいい加減に作ると守る気がしません。適当に作ったものは守ろうと思いませんし、なんなら忘れてしまう。そうではなくて、ものすごく真剣に考えて作れば守れるのではないか、と思ったのです。実際、2時間ほどかけて作ったスケジュールは守れるようになりました。
大事なのは愛着が湧くほどスケジュール作りを頑張ること。
「これを守らないことは、自分を裏切ることだ!」と思えるほど、スケジュール作りにコストをかけるのです。
このように、
①Xデーを決める
②2時間かけてスケジュールを作る
③絶対に守る
ことで、うまくいくはずです。
スケジュールを守るために気をつけること
スケジュールを組むときに気をつけることがあります。
それは「バッファを作っておく」ということです。
極力「守れるスケジュール」にするために熟慮するのですが、どうしてもズレというものは生じます。よって、特に週の後半、金、土あたりにバッファを作っておくといいでしょう。「ズレたぶんは、絶対にここで挽回する」というエリアを作っておくのです。
突然の予定が入りそうなときも、バッファの時間を1時間とか1時間半くらいとっておくと、不測の事態が起きても慌てなくてすみます。
逆に「途中でノッてきたから延長する」というのもNGです。「1時間勉強する予定だったけど、今日は調子がいいから2時間やろう」というスケジュール変更はオススメしません。そこはスケジュールどおりにやめなくてはいけません。
もし、自分が途中でノッてくるタイプだという自覚があるなら、その前提でスケジュールを組む必要があります。
ちなみにノッてきたときにやめることは悪いことではありません。やる気がある状態でやめると、次に始めるとき「集中モード」に入りやすいからです。前回が「集中できたぞ!」という印象で終わっているので、次に手をつけるときにスッとポジティブに入っていけるのです。
慣れてくると「だいたいこのへんでノッてくるな」ということもわかってきます。自分が調子のいい時間がなんとなくわかってくる。そうなってくるとスケジューリングの精度はどんどん上がっていきます。
人生には、驚くほど時間はある
僕がスケジューリングに目覚めたのは、中学生のときでした。
学校で計画表を作らされて、そのとおりにやってみたらテストでいい点が取れたのです。僕は陸上部に入っていて毎日きつい練習がありました。強い陸上部だったので、土日も練習や試合があります。なので、普段はほとんど勉強なんかできません。勉強は、試験前の1週間が勝負なのです。
そこで綿密なスケジュールを作って、1週間はそれをかならず守るようにしました。するとものすごく勉強が進むし、点も取れる。みんなからは「なんでお前がそんなに勉強時間を確保できるの?」と不思議に思われていましたが、まわりの子のスケジュールをチラっと見たらスカスカだったのです。「ああ、これか!」と思いました。
部活は試験の3日前からしか休めなかったので、全然余裕がないはずでした。それでも実際にスケジュールを作ってみると驚くほど勉強時間が確保できることがわかりました。
その成功体験があったので、高校時代は365日×3年間、毎日スケジュールどおりに生活していました。おかげで、高校時代も3年生の夏まで思い切り部活をやったにも関わらず、京都大学も現役で合格することができました。
20人中18人が第一志望に合格
大学時代は家庭教師のアルバイトをやっていたのですが、勉強はあまり教えていませんでした。教えていたのは「スケジューリング」です。
まず勉強をさせる前にスケジュールを作らせるのです。それもとにかく細かく作ってもらう。「19時から20時は数学のこの問題集の○ページから○ページをやる」というレベルです。単位は1時間。あまりに長いと集中できないので1時間が基本です。50分が勉強で、10分は休憩時間にしていました。
たいていの生徒は最初、ざっくりしたスケジュールを作ってくるので、僕は「この時間は何をするの?」「これって本当にできるの?」とツッコんでいました。ちゃんと実行できることが重要だからです。そして、スケジューリングにたくさん時間を使っていいから、その代わり決めたことは守ろうねと伝えていました。
そうやってスケジュールの作成と実行を徹底させていると、次から次へと頼まれるようになって、気づけば人気の家庭教師になっていました。トータルで20人くらい見ていましたが、18人が第一志望に合格しました。
スケジューリングで仕事を制する
スケジューリングは仕事の場面でも、当然役立ちます。
まず予定が入ったら、すぐにスケジューリングすることです。たとえばミーティングの日が決まったら、そのための資料作りや事前打ち合わせ、反省会をいつするかまで、全部決めてスケジュールを組んでしまいます。
スケジューリングをしないと、ミーティングのことがずっと気になって、同じところでグルグルと悩み続けることになります。これがよくある時間の浪費パターンです。気になって集中できない。作業が進まない。
とりあえず何が必要なのかを箇条書きしてみるだけでも、進み方はぜんぜん違ってくるはずです。
あなたが部下の立場であれば「上司から降ってくる仕事」については基本的にスケジュールの勘定に入れなくてもいいでしょう。そこは時間を空けておけばいいだけの話です。
ただ、降ってくる仕事を「先読み」できる人は重宝がられます。
部署の動きを把握して、上司の仕事を見て、上司が指示を出しそうなタイミングで「そう来ると思ってました!」「僕がやっておきます!」と言えると上司からの評価は上がります。こちらがコントロールできる範囲が広がって、効率よく仕事ができるようにもなります。
「これ、たぶん手つかずになってるな」という仕事も先読みして、自分の仕事としてスケジューリングしてしまう。これができるほど優秀なビジネスパーソンです。先読みできる人は出世する、とも言えそうです。
スケジューリングは「お金」になる
どんどん先読みして、スケジューリングできるようになるほど、お金がたくさんもらえるようになります。
スケジューリングは、お金になるのです。
上司の先読みができたら、次はお客さんの先読みをしてみましょう。「おそらくクライアントはこう考えてるから、次こう来るな」と考える。それができると、どんどん仕事は楽になっていきます。
上司やクライアントも「用意しておきました!」と言われると「お! なんてすごいやつだ!」となって、どんどん仕事を頼みたくなるはずです。
極端に言うと、ビジネスパーソンの価値は「先読み力」のあるなしで決まるのかもしれません。先読みを意識すればするほど、少しずつビジネスパーソンとしての能力は上がっていきます。
先読みして、スケジューリングする。未来を予測して、時間を制御する。それがビジネスにおいてものすごく重要です。
スケジューリングで定時に帰る
スケジューリングをすることで、定時に帰れるようにもなります。
僕はもともと夜中遅くまで残業するほうでした。しかしあるとき、当時の上司から「残業なんかするな」と言われたのです。最初は「無理でしょ」と反発していたのですが、ものは試しだと思って、スケジュールを組み直して朝型にしてみると定時で帰れるようになったのです。自分でも驚きでした。
ポイントは「定時で帰る」と決めることでした。
「どうすれば定時に帰れるかな?」などと考えるより先に、もう「明日から定時で帰る」とポンと決めてしまう。いちばん難しそうなゴールをポンと掲げてしまうわけです。
これが「いつもよりちょっと作業を速くして、10分早く帰れるようにしようかな……」などとやっていては、いつまで経っても定時には帰れません。せいぜい22時に帰っていたのが21時半に帰れるようになるくらい。
ひとつずつ変えてもダメなのです。一気に改善しないと、新しい均衡点には到達できない。ひとつずつやっていると、改善するまでに時間がかかって、しんどくなってしまいます。
徐々に変更するのではなくて「18時に会社を出て、そのあとは酒を飲む」などと決めてしまう。そのほうがうまくいきます。
僕の場合は、定時に帰ると決めたらスケジュールに、ものすごい量の予定をぜんぶ詰め込んでいきました。そして毎朝スケジュールを確認して、本当にそのとおりできるかシミュレーションして一気に仕事をこなしていました。
定時に帰らなきゃいけないので、あり得ないぐらい予定を詰め込んでいましたが、スケジューリングをしてそれを守ることに集中すれば、かなり仕事が進むことがわかりました。
やってみて、うまくいかなければ戻せばいいのです。結果的に元に戻すことになっても、必ず何か発見があるはず。うまくいってもいかなくても、すごい財産を手に入れることになります。
「過去の自分」に従う
就職してすぐの頃、僕はスケジュールを作っていませんでした。
次々にやってくるタスクに埋もれて頭の中はぐちゃぐちゃ。いま自分が仕事のフローのどこにいるのかわからない。次にやるべきことを思い出しているだけの時間が1日の3分の1くらいありました。
その頃は脳のメモリーを「次、何するんだっけ?」と考えることばかりに使っていて、ものすごく非効率でした。
スケジューリングというのは、この「次、何するんだっけ?」と考えているだけで何も進まない時間をなくすためにも役立ちます。スケジューリングをすると「あとは過去の自分が決めたとおりにやるだけ」の状態が作れる。余計なことに脳のリソースを割かなくてよくなる。この「考えなくていい時間」が生まれることに価値があるのです。
僕は社員によく「思考と作業を分けなさい」と言っています。
思考と作業を同時にやると、脳はサボります。スケジューリングとは、何をするか考える「思考」の時間です。その思考の時間が終わったら、あとはやるだけ。作業に徹することが重要なのです。
「スケジューリング」とひとことで言っても、奥深いのです。
スケジューリングとは、ようするにきちんと定量化して戦略を立てましょうということ。各作業にどれくらい時間がかかるのかを見積もって「どの順番でやるといちばん効率的か」を考える。そうやって高度な思考をすませておけば、「次に何をするのか?」という余計な思考が減るので、ひとつひとつの業務に対して、もっと集中できるようになります。
脳をフル回転させて、スケジュールを立てる。スケジュールを立てたら、あとはその「忠実なる部下」になる。実行するときは疑わない。過去の自分に命令されているイメージでやることで、勉強も仕事もうまくいくはずです。
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お読みいただき、ありがとうございました! 他にもいろいろ書いておりますので、よろしければお読みいただけるとうれしいです。
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