LSDをキメてアイドルオタクになった話

昨年12月頭にナイショのルートでLSDを仕入れた。
何やら幻覚が見えるとかトリップがどうとかネットで聞いていたし、海外にいる友人もマジカルなキノコをやっているので、目に来る系(?)は前々から気になっていた。
ただし、Lの2枚食いをして自分の首を刃物で突いて血まみれになったまま逆立ちしたという人の話も聞いていたので、興味:恐怖が7:3という感じだっただろうか。まあ、最終的には興味がダブルスコア越えの差をつけて勝ったのだ。

土曜の夜、22時頃に飲む。それから1-2時間ほどは待てど暮らせどあまり効果が感じられない。時折、視界がかすかに歪むというか、何かグラっとしたゆらめきをごく一瞬感じる程度。

後になって知ったのだが、どうやらLSDをしっかりと目にキメて幻覚を見るには、2日ほど絶食しないといけないらしい。当時は下調べもなしで、友達にも紙のジャンキーはおらず、そのことについてはまるで知る由もなかったのだ。大麻がゲートウェイドラッグとなってしまった他のヤクチュウさんたちよろしく、NYCで草を吸ってずいぶん飛んだことがあるというだけで、キマることについて妙な自信が芽生えてしまい、深く考えていなかった。

2時間半ほど経過して深夜。なんとなく頭がぼんやりとしてうっすら陽気、酔っ払いのような感覚(でも暑さやしんどさはない)がだらだらと続くばかり。
なんだ大したことないな、たぶんモノが悪かったのか…僕の保存方法が悪かったのか…食い方が良くなかったのか…と分析しつつ、でもきっとこれでも多少なりとも効果は出ているんだろうし、何かの弾みでバッド入ったりすると危ないので外に出るのはとりあえずやめようと、ベッドの中でだらだらスマホをいじっていた。
その程度の思考力や自制心はあり、メタ思考もできる程度に意識は明瞭だった。

あてもなくYouTubeを観ていると、おすすめ欄に日向坂46の動画がいくつか出てきた。
日向坂は当時ちょっと好きという感じ。コロナ禍の所謂ステイホーム期間や、22年秋に青森県の僻地へ出張になった時なんかは暇を持て余して、YouTubeでひなリハ(リハーサル動画)やMVをちょこちょこ観たりしていたがその程度。新曲はそんなに知らないし、ひなクリ(クリスマスライブ)もちょっと行ってみたいなと思いつつ、特にそれ以上深入りはしていなかった。

たまたま2期生の河〇 陽菜*ちゃんが出ている動画がレコメンドされてきたのでなんの気無しに視聴する。

*トピックがトピックなので、名前は一部伏せ字にします。ファンの方ごめんなさい。

その瞬間、脳が溶けるかと思った。
目から資格情報として入ってくる「可愛さ」が、脳の奥深いところまで染み渡って焼き付くかのような感覚。かわいすぎて笑いが止まらん。

次に、またおすすめ欄に出てきた4期生、藤〇 果歩ちゃんの動画を観る。
おお、エグい。死ぬ。あまりの可愛さにおかしくなる。
それからは記憶があまりないが、口が耳まで避けるほど笑みが止まらず、かわいさに体がうずいてゴロゴロと転げまわる。

ではより刺激を強めるとどうだろう。試しにAVを見てみるが、そっちは全然楽しくない。性に関するものが汚らわしいとすら感じてしまう有様。

そんなこんなで記憶を無くして朝起きると、日向坂46のファンクラブに会員登録していた。
おまけに上記二名のメッセージアプリ(月額制・メンバーからほぼ毎日メッセージが届く)を購読しており、11月に出た2ndアルバム「脈打つ感情」の一番豪華な7000円くらいするやつを買っていた。

ハイになった時だけ限定で好きになったのかと思ったが、効果が完全に抜けて落ち着いても推し活はすごく楽しくて、それまで毎日暇をしていたが、やることができて日々がイキイキしてきた。

思いがけぬきっかけだったが、LSDをキメたことで私はおひさま(日向坂46ファンのこと)になってしまったのだった。


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