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CS準優勝 アドバンス環境で狡猾に立ち回る ドロマー退化を解説 

筆者の経歴

CS優勝🥇×1 準優勝🥈×3 3位🥉×2
DMGP2023 1-st アドバンス完走 2023年後期滋賀県5位

関西を中心に活動しています、ゾロスター/TKMと申します。記事を読んでいただきありがとうございます。今回の記事では、2024/04/07のびわ湖CSで準優勝したドロマー退化について解説していきます。前半はこのデッキを扱う上で必須のリソースの考え方についての基礎的な教科書を掲載しております。後半はアドバンス環境における各対面の立ち回りなどを掲載しております。

リソースの教科書(当たり前すぎるので飛ばしてもOK。)

リソースと言っても、いくつか種類がある。
・手札リソース(ハンドともいう。)・・・手札の枚数
・墓地リソース・・・墓地の枚数
・マナリソース・・・マナの枚数
最早言うまでもないことではあるが、記事ではその枚数を意識的に計算するという考え方を解説する。さらに、これらのリソースの変換について解説する。
・計算方法(手札を例に。)
例 天災デドダムを手札からプレイする場合。
手札からプレイ(-1)
山札からの供給カード(+1)収支=0
マナ(+1)墓地(+1)
デドダムが優秀と言われる点は、このように、手札を減らさずにマナと墓地を伸ばし、デドダムというカードを欲しい他のカードに変換できているためであると言える。これまた当然の話ではあるが、意識的に計算していないと、手札がなくなる危険性が伴うだろう。同時に、マナリソースを伸ばすと、将来的にチャージするカードをチャージしなくてもよくなるため、デッキや手札の状況によっては手札+1と見なす考え方もあるが、今回はこの限りとする。では、例題を解いてみよう。
・例題 アーテルゴルギーニを手札からプレイし、デドダム×1を蘇生したときに最終的に残る手札リソースの枚数を求めよ。
アーテルゴルギーニを手札からプレイ(-1)
デドダム効果で山札から供給(+1)収支=0
ここでのポイントはデドダムを墓地からプレイしたという点。このとき、墓地のデドダムが手札1枚に変換されたという考え方ができる。このように、カードをどこからプレイしたかによっても計算方法が異なるため押さえておきたい。さらにDiSジルコンを追加的に蘇生する例を考える。効果により、
墓地からプレイ(±0)2枚ドロー(+2)、1枚切り(-1)収支=+1
このように、各リソースは互いに変換可能であり、意識的に計算することによって手札の枚数を増やすことが可能である事が分かる。加えて、一定のマナが溜まると、チャージせずに手札の枚数を維持または増やすことも視野に入る。
・以上のような解説を行ったのは、ドロマー退化というデッキはリソースが細い、つまり手札とマナが伸びにくいデッキであるためである。この点で、非常に繊細なデッキであると言わざるを得ないだろう。以上の解説は以下のプレイ解説で用いることがある。

びわ湖CS 2024/04/07準優勝 リスト



あくまで暫定のリスト

他のテンプレリストにはトリガー枠として、バリスパークや、ホーリーが採用される場合がある。この構築はオリオティスジャッジが環境的に非常に通りが良く、バリスパークやホーリーには不可能な、非常に小回りが利いた使い方が可能なカードであるため採用されている。七王無き宮殿の採用によって、4T退化ができなくとも、オリオティスジャッジとセットでコントロールに移行できる構築となっている。アドバンスの強いカードはおおよそ多色であるため七王無き宮殿の通りが良いことは自明である。

各対面の解説

赤青マジック

・五分対面。以前は不利対面であったが、ラッキーナンバーが消えたことによりこちらのトリガーを完全にケアすることが不可能になったため、改善がみられるようになった。
・デスマーチをブロッカーとして設置することでカラクリバーシやカクメイジンを牽制することができるが、ヒメカットでバウンスされることもあるため、確実に正解のプレイであるとは言えない。手札の状況と、墓地の有効な退化先(ゲンムエンペラー・バルカディアNEX)の枚数によっては、これらを進化元にせず、それ以外を進化元にするなど、デコイとしてデスマーチを用いることもある。デスマーチが2枚以上手札に存在し、手札を減らさずに退化先を墓地に落とせるエマタイやアストラルが手札にある場合用いることがある手法である。
・カクメイジンを引いておらず、カラクリバーシ+その他の盤面が形成されている場合、オリオティスジャッジも回答になり、対処が可能である。カラクリバーシがタップされている場合、デスマーチによるタップキルも視野に入る。盤上の小競り合いの結果、対面が溜めるフェーズに移行した場合、七王無き宮殿の多色全ハンデスが有効であることは覚えておきたい。
・対面がヒメカットを出してきた場合、注意が必要である。ヒメカットの能力はこちらのドロー効果に誘発して、1ドローができるというものであるから、こちらがアストラルやエマージェンシータイフーンをプレイすると2ドローが入り、単騎マグナムや追加的なカラクリバーシやカクメイジン等、引かれたくないカードを大量にドローされることとなる。この時のプレイは、ルーターを打たずにナスロスチャをプレイすることや、影世界のシクミで退化先を用意しておくことである。さらに、エマージェンシータイフーンの効果は「2枚まで」ドローし、1枚捨てることであるから、後手であれば0枚ドロー1切りも視野に入る。ヒメカットがカラクリバーシの革命チェンジで盤面から消えてからルーターを打つことにより、対面の上振れを一定程度抑制する効果が期待できる。このことから、こちらが先行などの理由で、対面のヒメカットが居ないタイミングではエマタイではなくアストラルを優先的にプレイしておきたい。

巨大天門

・少なくとも微有利対面であると考えられる。こちらがバルカディアNEX or キーナリー(ソレムニス)を決めるか、対面がウェルキウスからゲンムエンペラーをプレイするかの速度勝負である。(先4ゲンムエンペラーは割り切りである。最近のゲンムエンペラーの採用は2枚程度にとどまっているため、アドバンス環境の構築においては高い再現性は無いと考えて良いためである。)
・先4で退化ができなかったとしても、七王無き宮殿を引けている場合、ゲンムエンペラーやムザルミを手札から落とすことで、一瞬で負けることは防げるだろう。
・この対面ではオリオティスジャッジを有効に使うことが求められる対面であると言える。対面が、こちらのハンデス等の理由からゲンムエンペラーを欠損し、スターゲイズゲート→ウェルキウスの大量展開+エモーショナルハードコアで制圧という強行突破を図ることがある。ここで光るのがオリオティスジャッジである。エモーショナルハードコアの選ばれない効果を貫通し、盤面のすべてを山札下に送ることで、手札と盤面を空にすることが可能なためである。
・この対面の落城の計は退化札として用いる他に、対面の強力なドラグハートフォートレスやドラグハートをバウンスすることに用いる場合がある。ヘブンズヘブン等は積極的に除去したいカードではある。

クローシス(赤黒)バイク

・基本的には5分~微有利対面であると言える。
・クロックをヘブンキッドで盾に送ることで耐久可能ではあるが、ブラックゾーンの封印によってケアされることもあるため注意が必要。ここで、オリオティスジャッジである。既に出た追加打点やブラックゾーンを山札下にすべて送ることで、対面の手札と墓地がない状況を作ることができる。(破壊効果だとブラックゾーンがプレイできる領域に残り続けてしまうが、ここでオリオティスジャッジの効果が生きる。)ここでの退化先はゲンムエンペラーでも差し支えない。ヘブンキッドによる退化であれば、レッドゾーンバスターの侵略で、コブラのブロッカーに対処しながらリーサルを作れるためである。(ヴィオラの黒像+クロックで止まる可能性があることには注意。)対面がトリッパーなどのアタッカーを欠損した場合も同様である。
・この対面では禁断開放をいかにケアするかが重要となる。早期に退化が決まり、シールドを全て割り切れる場合は、そのままの進行で問題はないが、封印が残り2枚等の場合、シールドを割り切る行為の後に禁断開放があることを前提にしてプレイする必要がある。その場合は手札に浮いた落城やヘブンキッドを用い、禁断開放にあえて誘導するプレイを行い、オリオティスジャッジの効果を禁断に適用し除去することで対面を特殊敗北させることも視野に入れる。ただし、盤面のクロックをヘブンキッドで盾に送ってからシールドを割りに行くことができれば、禁断開放をほぼ完全にケアした状態でリーサルを組むことが可能である。(バルカディアNEX→ヘブンキッドの踏倒し等の手段が考えられる。)結果、対面のシールドが0になった場合、禁断開放されたとしても、すでに封印されているクリーチャーの封印をヘブンキッド・落城で剥がしてそのままリーサルを組むことができるだろう。さらに、禁断が解放され、既に場に出ている盤面でバルカディアNEXに退化すると、その攻撃時効果で禁断を破壊し特殊敗北を発生させることが可能である。このように、デスマーチの進化元を慎重に検討するなど、禁断開放を見据えたプレイが重要となる。

デイガマゲ

・ここでは対面相性は微不利とさせていただく。先3のルドルフ→デスザロストによる全ハンデスがあまりに重いためであるが、今回はそれ以外のルートを解説していく。
・禁断爆発は禁断開放よりもケアが困難であるが、基本的にはゲンムエンペラーでも良いのでとにかく早期に盾を詰めていきたい。物理的に不可能であった場合、ソレムニスorキーナリーを立てて一時的に詰ませ、禁断爆発にあえて誘導し、手札を整えてクロックを盾に送ることで爆発後の生存を確実にし、禁断爆発を消費させることで禁断爆発に依存した受けを突破すること。
・対面のフォービドゥンは2コストのカードである。よって、ヘブンキッドによる除去が可能であることは覚えておきたい。後手3のルドルフ→デスザロストをケアしたい場合、ヘブンキッドをプレイした次のターンに七王無き宮殿をプレイし、対面のゾージアやルドルフをすべてハンデスすること。
・オリオティスジャッジはルドルフ→アルモモの動きに対処が可能であるため、覚えておいて損はないだろう。対面のマナの状況によっては他の打点ごと山札に返すことができる。

5Cモルト

・微有利~有利対面であると言える。4T退化が決まらなかったとしても、七王無き宮殿を引ければ対面の手札リソースに甚大な被害を与えることが可能であるためである。こちらはルーターで細かく動くことが可能であるが、5C側の動きは多色の多さによって大きく制約されるためである。
・先4でグレンモルトを出されると厳しく、その後にソレムニスやキーナリーを出してもドラグハート2枚で突破され得る。結果、回答がバルカディアNEXしかなくなり、重い要求を通さなければならくなるためである。デッドダムドや、テック団が控えている可能性を考慮すると、最終的にはバルカディアNEXでフィニッシュすることが確実である。
・お清めシャラップを打たれた場合でも、七王無き宮殿でリソース勝負に移行することができる。(ルーター+そのままデスマーチ召喚でお清めをケアする場合もある。)

4Cドラグナー

・有利対面であると言える。プレイは5Cモルトとほぼ同じであるが、勝利条件がそれより緩く、グレンモルト着地前にソレムニスで蓋をすると勝ち盤面を形成できる。このデッキやガイアッシュ覇道はラフルルラブをプレイしてくることがあるが、アナカラー系統のシャッフ宣言2も含めた呪文ロックへのカウンターとしてアストラルが採用されているという側面がある。

モルネク

・有利対面であると言える。こちらの豊富な受けをギャイアを除いてほぼケアができず、こちらもソレムニス1枚で決着がついてしまうためである。

黒緑アビス

・ガン不利対面である。リソースが細く、トップ解決力が皆無と言えるこのデッキにおいて、マーダンロウやテレスコ・マクアの妨害はそれひとつで致命傷となるためである。
・オリオティスジャッジは物理的に可能であれば積極的にキープされたい。対面の早期ターンのジャガイストの展開であれば、対面のアビスを全滅させることすら可能なためである。

逆アポロ

・対面したことがないので不明。キーナリー+バルカディアNEX+ソレムニス(ヴィオラの黒像ケア)で確勝ちではあるが盾落ちの際は割り切るほかない。

リソース管理について

・2コストのルーターとして、アストラルの海幻が採用されている理由は呪文ロックへの回答の他に、場から回収できるリソースである点が挙げられる。これは、場のアストラルを落城の計で回収し、再利用できるということであるが、このデッキにとって、ルーターが途切れないことは非常に重要である。(リソースの変換・・・教科書より)
・手札が4枚、5枚の時に多色が手札に2枚以上存在する状態は手札に残しておきたいカードが多いこのデッキにとっては好ましくない。
・4マナ帯に来るとマナチャージをせず、手札を増やすまたは維持するプレイも考えられる。6,7マナ帯に到達すると2コスト+デスマーチ+退化札の動きや、退化札+オリオティスジャッジなど、組み合わせによって強い動きが可能になる。

初手埋めクイズ①


そろっているからこそ迷う良問を取り上げ

ゲンムエンペラーかシクミの2択。このデッキの青単色は12枚であって、単色全体の場合30枚。ここは、次のターンにルーターを確実に打ちたいのでゲンムを置かざるを得ない。よってゲンムマナ置きが正解であると考えられる。ルーターを優先するこのマナ置きは、追加的にナスロスチャやバルカディアNEX、2枚目のゲンムエンペラーに期待ができ、七王無き宮殿など、選択肢を増やすことができるというメリットがある。
これ以外にも多くのパターンが存在するので追加の練習は必須である。

追記


・マーダンロウのハンデスケアで、こちらの通常版のエマージェンシータイフーンを使用することが考えられる。ツインパクトの上面を召喚しているタイミングは勝ち確or負け確の場合がほとんどで、∞クライムを使う機会は結局苦しい展開なのでこちらを推奨。

総括

アドバンス特有の大型クリーチャー同士での殴り合いをせず、トリガーでの駆け引きをしているようでしていない、そんな対話拒否系のデッキが好きな方におすすめです。




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