映画 エレファント
今日からフジロック。
行ってる方は楽しんで来てください。
さて、今日は私の好きな映画、ガスヴァンサント監督作品、エレファントを紹介。
この映画は、カンヌ映画祭で、パルムドールと監督賞のダブル受賞作品なので折り紙付きの素敵な作品です。
アメリカで起きたコロバイン高校銃乱射事件、結構当時は衝撃でしたが、こちらの事件を題材にしています。
静かだけど決して飽きない構成で、緻密に計算されて、かなり練り上げて作られている感じです。
淡々と物語が進んでゆく様子が逆に辛辣で、
ドラマチックな展開などは一切なく、ただただ人が人を殺し、死んでゆく様が、凄い淡白過ぎて怖いと言いますか、ある種の日常の脆さのようなものが、浮かび上がって来ます。
ただひたすらゲームのようにバタバタと死体の山が折重ねられてゆく最中に見ている側も一緒に取り残される感覚です。
でも怖いと言う感じはなくて、それが逆に死の軽さを感じさせます。リアルでもあり、
また登場人物の子供たちの個性というか、一人ひとりに少しずつフォーカスして、それぞれのウィークポイントみたいなものも垣間見えて、でもそれで終わり、みたいな、遮断が、なんとも言い難い余韻を残します。
ちなみに、結構、ゆっくりとした中に、呆気なさがありまして。これで終わり?みたいな雰囲気もあるのですが、私はそこが好きだったりするので、いわゆる、映画映画したドラマチックな展開を求めている方には不向きな作品です。