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さよなら親友
学生時代の友だち。
私にとっては一番の友だちで親友だった。
少なくとも私はそう思っていた。
卒業して、社会人になってからも時々旅行したり出かけたり。
くだらない話で大笑い。
辛かったことや仕事の愚痴も言い合って
とにかくなんでも話せる人だった。
一度絶交しそうになったこともあったけど、出来なかった。
むしろそのことが原因で他の友だちと縁を切った。
それほど彼女を失いたくなかった。
もちろん私にも他に友だちはいたし、彼女にもいた。それはそれで互いに干渉せず。
一緒にいてとにかく楽しい人だった。
この関係はずっと続くと思っていた。
予兆はあった
互いに結婚し、私は出産した。
私は仕事を辞めて主婦になり、彼女は東京でバリバリ働いていた。
時々連絡して予定を合わせて会いたいと伝えたけれど、会うことはなかった。
それで、それっきり。
理由はわからない。
だけど振り返ると予兆はあった。
最後に会った日。
彼女は少し嫌味っぽかった。
生き方が変わり、彼女は彼女なりに私に対して違和感があったのかもしれない。
決定的な何かより、長年の積み重ねだった可能性たもある。
私は海外や地方に住んだりしていた。
彼女が本当に辛いときや困ったときに寄り添えていなかったのかもしれない。
何度かこちらから誘っては、会うこともなく自然消滅。
実は何年も引きずって、いつかまた以前のように会えるんじゃないかってしばらく期待していた。
それってすごく依存していたんだなって思う。
今はもう事実を受け入れられている。
たまに同級生と今でも仲が良いなんて話を人から聞くと、ちょっと羨ましいけれど、自分にはないのだからしょうがない。
私にとっては彼女が、唯一親友だと思えた人だった。
そういう人はもうできないんじゃないかなと思う。
もし今でも彼女と友人関係が続いていたら
他の人間関係に悩むこともなかったかもしれないなとも思う。
本当に気心知れた1人がいれば満足できるから。
とはいえ、長く付き合っていたら
大喧嘩して絶縁なんてこともあったりしたかも。
傷つけ合わないで終わっただけ良かったとも言える。
仲良くしていた期間は本当に楽しかった。
最後はすっきりしない別れになってしまった。
だけど良い思い出を残してくれてありがとう。