【読書感想】 ふたえ
文庫版で購入 2018年刊行 白河三兎著 351p
あらすじ
感想
裏表紙を見て、修学旅行を通した青春活劇的なものと予想していたがみごとに裏切られた。
ミステリー要素がすごく、最後まで完全に分からなかった。
二度読み必須というのも頷ける、それくらい緻密に書かれた作品だった。
物語は二年五組に「手代木麗華」が転入してくるところから始まる。
しかし。その傍若無人な振舞いからクラスで完全に孤立することに……
修学旅行で集まった「ぼっち班」で、各章ごとに一人ずつエピソードが展開されていく。
「ジミー」「ノロ子」「美白」「劣化版」「タロットオタク」、それに手代木麗華を加えたグループはぼっちであるが個性的でそれぞれの思惑を胸に修学旅行を迎える。
全員の心の動きが丁寧に描かれ、劇的なことは起こらないけれども心が動かされる、いい作品でした。
個人的には先生は読んでいて一番印象が変わったキャラクターだった。読む前と後で印象ががらりと変わる、まさにこの作品を表しているかのようにも見えてくる。
本書以外の作品も手に取ってみたいそう思わせてくれた。