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【読書感想】深夜特急6 南ヨーロッパ・ ロンドン

著者:沢木耕太郎 電子書籍で購入。

言わずと知れた名作で読んだことのある方も多いはず。
シルクロードを路線バスで乗り継ぎロンドンを目指す旅を記したエッセイ。

1970年代に著者が旅をした時の出来事が書かれているためグローバル化前の海外の雰囲気が知れて興味深かった。
今はだいぶ変わってるだろうなぁ……僕もどこかへ行きたい……なんて考えながら読み進めていくのは楽しかったです。


あらすじ

イタリアからスペインへと回った〈私〉は、ポルトガルの果ての岬サグレスで、ようやく「旅の終り」の汐どきを掴まえた。パリで数週間を過ごしたあとロンドンに向かい、日本への電報を打ちに中央郵便局へと出かけるのだが――。Being on the road ――ひとつの旅の終りは、新しい旅の始まりなのかもしれない。旅を愛するすべての人々に贈る、永遠の「旅のバイブル」全6巻、ここに堂々の完結!

裏表紙より

感想

深夜特急を始めて読んだのは高校生の頃だった。学校の図書館の目立つ位置に置いてあり、手に取ってみたら一気にハマった。受験のストレスがあった時期に旅の非日常感がたまらなく面白く感じられたのだろう。

時が経った今、そういえば深夜特急の終わりってどうなっていたっけ?
ふと、そう思った。何しろ読んだのはずいぶん前なので記憶があやふやなのだ。
そんなわけで文庫版の最終巻を購入して、忘れていたラストを読んでみることにしました。

第十六章 ローマの休日 南ヨーロッパI
ローマにたどり着きミケランジェロの「ピエタ」に衝撃を受けたり、友人に紹介された夫人にお世話になったり、イタリアを北上していく。
街の活気や著者がホテル代を値切っていく様子などが、細かく書かれていて、旅の情景が浮かんでくるようだった。

第十七章 果ての岬 南ヨーロッパII
フランスからスペインのマドリードへ向かう。そこで酒や食事を楽しんでいたが、ふと寂しさを感じてゲームセンターへふらりと寄ってピンボールをプレイする。
この頃から深い虚脱感を覚えるようになり、旅をする意味を見失いかける。

旅行をしているときにふと、寂しさを感じる瞬間があるがこれもそうなのか、特に海外での一人旅は孤独感は計り知れないだろう。逃げるようにポルトガルへ移動していく。
ポルトガルのサグレス、ユーラシアの端が実質的な旅の終わりでもありハイライトでもある。
ホテルに泊まり大西洋を眺めるシーンはワクワクした。

第十八章 飛光よ、飛光よ 終結
終わりは結構あっさりしていた。旅の目的地であるロンドンは本当に終着点といった感じで、観光を楽しんでいた。旅としてはサグレスで終わっていたと感じる。
電話で電報を送ることで区切りとしていて、ラストも旅に終わりはないというメッセージで終了。

読み終わると、ため息が出た。
忘れていた物語の終わりはかなりあっさりしていた。
けど、実際の旅と同じように一番最後が盛り上がるなんてことはなく、後になってあそこが一番だったなーと思い出すものなのかもしれない。

それに、今回は最後だけを読んだが、一冊目から読んでいけばより没入感が生まれまた違って感じられるとだろう。
ただ、昔読んだ時と変わらないのは「旅に出たい」と思わせてくれるところで、エネルギーを与えてくれる作品だった。

リンク

電子書籍で読んでみたが悪くなかった。出先で読めて、かさばらないのが便利でしたね。


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