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【読書感想】 学生街の殺人

文庫版で1990年刊行 東野圭吾 著 475p

かなりのボリュームで読み終わるのに三週間くらいかかった。ここまでの長編を久しぶりに読んだ。読書って体力要りますね。


あらすじ

学生街のビリヤード場で働く津村光平の知人で、脱サラした松木が何者かに殺された。「俺はこの街が嫌いなんだ」と数日前に不思議なメッセージを光平に残して……。第2の殺人は密室状態で起こり、恐るべき事件は思いがけない方向に展開してゆく。奇怪な連続殺人と密室トリックの陰に潜む人間心理の真実!

裏表紙より

感想

大学を卒業後、親に大学院に進学したと嘘をつき、喫茶店「青木」のビリヤード場でアルバイトをしている津村光平はひょんなことから同僚の松木の殺害現場の第一発見者となってしまう。

その後も学生街のなかで起こる連続殺人事件の謎を追っていくミステリー。

事件の犯人が明かされた後も謎が残されていて、その隠された真相が明かされたときはかなりスッキリした。

前半は学生街と、そこの人物紹介がメインとなっている。
このの舞台設定がいい味を出していて、これから何か事件が起こりそうな雰囲気を感じさせる。

主人公は自分の将来について悩みつつ暮らしているが、
本作が出版されたのは1990年の平成初期あたり。
この頃の将来を斜に構えたような見方が、今と少し似ている気がする。

ずっと将来像について靄がかかっている状態から、恋人との過去を清算し、
一歩を踏み出すようなラストは個人的に好きな終わり方だった。

おわりに

ボリュームがあったけど時間がある方はゆっくり読み進めていくのも楽しいと思います。


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