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「Train TV」に見えた、コンテンツ消費

私は関西在住である。
だが、このGWは帰省もあって東京にいた。
そこで「Train TV」というものが今年(2024年)の4月から東京でOAされていることを知る。


新橋駅のOOH(屋外広告)


名前の通り、電車内のデジタルサイネージ(電車内の上の方に映像広告がよく出てる画面のやつ)にてOAされる企画型映像コンテンツだそうだ。
1コンテンツの時間は60秒で無音字幕再生。
運営は株式会社ジェイアール東日本企画。

これに色々と感じた。
目次だけでも読んで頂けたら嬉しいです。

①電車内広告の売れる枠に限界か

60秒コンテンツを何本も出していたら、その枠で広告枠がいくつ売れることだろうか。
多くの世代にリーチしやすかったり、路線や通る駅などでWhoのターゲティングも比較的考えやすかったりとメリットが謳われる電車内OOHだが、開発コンテンツを出さなければならないほど枠が売れていないのか。

確かにスマホ内でのコンテンツが普及したことにより、電車内での人間の目線の先はほぼスマホだ。サイネージ画面など見てもないし、電車内サイネージを見たとしてもボーッと見ているだけではないだろうか。
(それでも一部の人が見ているから売れている枠があるわけだが。)
であれば、②?

②目線をスマホから移すことが目的か

少しでも面白いコンテンツがあれば見てしまい、その惰性で次に流れるCMも見るだろう。
この本質はTVCMと全く同じ。
人間はぼーっとするのが好きで、つまり惰性でいるのが好きで(つまり変化が嫌いで…)、つい続きのCMも見てしまうもの。
そんな時に、企画型コンテンツのOAは機能するのだろう。

③いや、60秒も無音動画を視聴するか?

いやいや。いやいやいや。
②を書きながら思ったが、そんなこと可能か?
この映像コンテンツには音が使えないというクリティカルなアドバンテージがある。
そのためには相当なコンテンツ力が要る。
内容だけで60秒見せ続ける強力なコンテンツが。
しかし僕が実際に見たのは、あまり60秒気になって見続けるというものでもなかった。

人間、60秒コンテンツを見続けるのには相当な胆力がいる。
TikTok やリール動画が台頭してきたことにより、60秒どころか1秒足らずの時間で「観るかどうか」を判断しているのではないだろうか。
今の時代の「観るかどうか」判断力のキッパリさは、どこよりも誰よりもドライで冷酷なものである…
(洋画ですぐクビにする上司よりも圧倒的に冷酷ですね)

④だったら、企業広告の15秒CMの方が

だったら、TVCMに立ち返って15秒の方が今の時代に合っている。
もはや自社開発コンテンツよりも15秒にメッセージの全てを詰めている企業CMの方が機能しそうな印象まである。
たが、そうも簡単な話ではないのもわかっている。
で、⑤だ。

⑤電車内で視聴されやすいコンテンツは?

なんだろうか。
天気予報?ニュース?
スマホでも見るが熟読まではしないような上記は相性が良く、昔から流されている。
あとは?
クイズ系はどうだろうか?
そんなもの見ない!という人もいるだろうが、ちょっと問題を出されると考えてみたくなる人間もたくさんいる。私もその1人だ。
これは、ちょっとした”力試し系”コンテンツ。
ミニゲームをスマホでやるのと、本質はあまり変わらないのではないか。

まあ、なぜこんなことをくどくどと書いているかというと、スマホで見るコンテンツのうちいくつかはサイネージに移せるということだ。
人間、何も別にスマホであることにそんななこだわりはないだろう。
“コンテンツ消費”をしないと気が済まないだけで、それは何もスマホでなくても良い。

中には、友人とのチャットや、フォロワーの投稿を閲覧するSNSなど、サイネージには移せないものもある。(まあ、それがスマホ消費のかなりの割合をそれらが占めそうなのだが。)
だが、暇つぶしに何かスマホをいじってないと(=コンテンツ消費をしていないと)気が済まないが故に、なんとなく見ているコンテンツもある。
そんなものの中に、電車内映像として視聴されやすいものを見つけるヒントがあるのではないか。

そんなことを思いながら、眠りにつくGW最終日です。

おやすみなさい

KK.

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