四半世紀を超えOLとして過ごした。
楽しかった事もあるが、疑問、失意、怒り、誰にでも時起こり得る事象…
OLは楽ぢゃない😞
高校を卒業した年の4月に、機械製造販売会社の総務課に入社した。
一連の仕事を覚え、先輩や同期とは仲が良く、楽しいOL生活を満喫していた。
少数精鋭というのだろうか、事務職の求人は毎年でなく退職者が出る年だけ新卒者を募集するシステムだった。
入社した年は、私と営業に配属された女子2名と男子2名の計5人が採用された。
地方から新卒男子一人、地元の高校から新卒者女子三人、中途採用男子一人、仕事でも協調し合い、プライベートでは飲み会をしたり休日にも遊んだ。
ある日の飲み会をキッカケに、関係性は大きく変わった。
飲み会を聞きつけた営業部の上司が参加する事になった。
私は他部署でも、他の4人には直属の上司で断る術もない。仕方なく了承した。
仕事上では人柄の良い上司だと聞いていたが飲むと愚痴が止まらない人だと聞いていた。
案の定、飲み出して1時間も経たないうちにホロ酔い加減になり、雲行きが怪しくなってきた。
同席する部下や他の先輩方のダメ出しを始め、自分の上司の悪口を言ったと思ったら奥さんの愚痴までも始まった。
暴れる事はなかったので聞き流したが、次第に自分の生い立ちまで話し出した。
若い頃は仕事に定着できず、スーパーの惣菜作りや飲み屋の調理場を転々としたらしい。
飲み屋で働いていたところ、体力があり接客態度が良かった事から、今の上司に誘われ安定を求めて畑違いの今の職場に転職してきたそうだ。
しかし、誘われた時に聞いた内容(仕事内容や給料)とは全く条件が違ったらしく、10年近くは低賃金の肉体みたいな仕事が続いたらしい。
数年後、真面目さと努力の甲斐あって客先からの評判も良く、役職が付いた。
しかし上司からの扱いは変わらず、部下にも舐められていると感じているらしく、愚痴は止まらない。
同席した全員が話を聞いていて、止める術もなく最後まで、愚痴を聞かされて飲み会を終えた。
飲み会から数日後、総務の責任者に呼び出された。
総務課の資料は個人情報だから漏洩してはならないと。。
「寝耳に水」とはこの事か!
この言い回しは、私が誰かに情報を漏洩したと言われているのだろうが、全く心当たりは無い。
初めての事態に動転したが、考えるに従って、飲み会での会話が頭に浮かんだ。
そう、本人が酔って話した内容と一致しており、同僚4人も同席し聞いていた。
その場にいた人間であれば全員が耳にした話しだった。
少し落ち着きを取り戻し、呼び出された経緯を確認した。
飲み会に参加した営業の上司が、プライバシーの侵害を受けたと総務に申告。
内容としては、部下と飲み会を計画し場所を相談していたところ、部下の一人から、ココに転職する前に働いていた飲み屋に連れて行って欲しい。と言われたらしく、なぜ部下が自分の前職を知ったのか?
また、遅くなって奥さんに文句を言われると大変だから解散時間を決めておこう。とも気遣われたらしく不快感を覚えた。との内容だった。
これは、明らかに数日前の飲み会で、上司本人が酔って話したないようだった。
私は呼び出した総務責任者に、自分が情報漏洩した事実は無く、営業上司の部下がナゼ色々な事を知っていたのかを説明した。
私の話を疑いつつも、一旦、保留とされ、数日前の飲み会に参加した者が、個別に話を聞かれる事になった。
一週間を要し次の週末に、私はまた総務責任者から呼び出された。
先ず、謝罪から始まった。
私が無実を主張し、同期の飲み会で出たはなしだと説明した内容は、他の全員から聴取した内容と一致した、と。。
その後、プライバシー侵害を訴えた営業の上司に、部下の飲み会に参加したことや、飲み会で自分が話した内容を伝えると…
思い出したのか、急に顔色が変わり認めた。との事。
私だけなら認められなかった可能性が高かったが、同期が口を揃えて証言してくれたお陰で、事なきを得た。
総務責任者は全て話を終えると、再び私に謝罪した。
一息つくと、私の顔色を伺いつつ再び口を開き、営業の上司に謝罪させる準備があると言われた。
当然の事だが、私は拒否した。
怒りは収まらないが、同僚が信頼に値する人達だと実感出来た事、社会の大人には色々なタイプの人間がいる事を勉強したと考える事にして、謝罪を拒否した。
代わりに、今後、その上司と関わらなければならない仕事を請け負わないという条件を付けた。
謝罪を受けることにより、その上司のプライドが傷つく事は必然で、また社内で知れると面倒になる。
会社という社会集団の中で生きる、OLに降り掛かった冤罪。
どんな会社にも、大小様々な事件が起こっている。
今の世の中は、人間関係が難しい。
加害者にならぬ様、加害者にされぬ様、気を付けたいものだ。