横須賀美術館「瑛九 -まなざしのその先に - 」展
フォトデッサン、コラージュ、油彩、エッチング、リトグラフ、コンプレッサー、点描と多彩な手法に取り組みつつ、抽象画に独自の境地を開いていった画家の回顧展。
長年、国立近代美術館のコレクションカタログの表紙は瑛九「れいめい」だったので、その印象が強かったのですが、他の作品をこれだけまとめて見たのは初めて。
主要な作品は郷里の宮崎県立美術館に収められているらしい。
その時々のチャレンジで、画風は大きく変わっていくのですが、それぞれが過渡期の作品として片付けられないよさがあります。
キュビスム風の油彩画も色のバランスが絶妙だし、シュールレアリスム風のエッチングにも風変わりな味わいがある。
でもやはり後期の網目〜水玉〜点描と発展していく作品群が圧巻でした。
もちろん映像作品ではなく油彩画なのだから、静止しているのですが、眺めていると脳内で錯視が起きているのか、立体感をもって、じわじわと動いているよーに見えてくる。
光り流動するものに満ち、無限に広がり続いていく空間の一部を切り出したよーに感じられる。
あら不思議。。
中心性のない絵画という意味では、オールオーバーペインティングを思いだすわけですが、ジャクソン・ポロックに十分、張り合えるだけのオリジナリティがあるよーに思えました。
世界レベルなのでは?
特に遺作となった大作「つばさ」はいくら見ても見飽きなかったなー。
純粋な視覚体験の快楽が得られました。
これは画像だと伝わらないと思うので、ぜひ実物の前に立って見てほしいところです。
おすすめ。
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横須賀美術館
「瑛九 -まなざしのその先に - 」
会期 : 2024年9月14日 (土) 〜 2024年11月4日 (月)