よるくまのおかげで
少し前に朝のテレビZIPで坂井真紀さんが絵本「よるくま」を紹介しているのをたまたま見た。ひとりで見ていたが、自分に話しかけるように「わー懐かしいっ!」と思わず声が出た。というのも「よるくま」は二男の唯一最大のお気に入りの本だったから。
その二男はもう大学院生、いい大人でもある。ちょっと控えめに、しかしまあまあしつこく続いた「なんちゃって反抗的期間」(反抗期って書いたら激烈な経験をされた方に申し訳ないので)を経て、何とかお互いのぶつかり合いを最小に抑える受け流し術を覚えた。しかしまだまだ腹立つ発言も多く「コンニャロめっ!」と私に心の中で悪態をつかせることもしばしば。「よるくま」の読み聞かせをせがんだカワイイカワイイ時期のことをついぞ忘れていた。
あー、そうだった、そうだった。今のコンニャロメ野郎こそが、毎晩「これよんでぇー」と指チュッチュしながら持ってきたカワイイ男の子だったではないか。この本に出てくる男の子に似てるわぁ、と訳のわからないプチ親バカも発動させるほどソー•キュートだったではないか!
何年もその存在を思い出してもなかった「よるくま」。でも何回読んだかわからない「よるくま」は一瞬で私の頭の中に夜空のページを広げた。そして「よるくま」とともに、暫く(1週間くらいか⁈)腹立つこともにこにこやり過ごせそうなほどカワイイ二男を思い出した。一節聞けば、今でもそらで読み聞かせできそうだ!
本棚にいき「よるくま」を手に取り、取れかけているページをゆっくりめくった。
よるくま、いい思い出を作ってくれてありがとう。