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着ぐるみ頭の作り方
こんにちは。涙腺です。主にハロウィンの時期にぬいぐるみとして飲み屋やイベントを徘徊することを趣味にしています。
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頭部は主に工作用紙とファー生地で手作りしています。先日、私の通う「美学校」という画塾のような場所で、こちらの作り方を説明する機会がありました。せっかくなので、その際に作成した手順書をここで共有しようと思います。
細かめに記載しているので冗長ですが、私自身、被り物は倉戸みと様による「動物マスクの作りかた」を見て作り始めましたので、大枠の作り方はほとんど同じです。下記の手順書はぬいぐるみっぽい仕上がりにするために改変したものだと思って下さい。
【絶対必要なもの】
・工作用紙 …………………短冊状に切って枠組みを作ります。100均で買えます。
・コピー用紙などの紙………破って水で溶いたボンドを染み込ませて張り子にします。
・ファー生地…………………毛足の長いものだと作りやすいです。
・グルーガン…………………100均で買えます。1パック使います。
・木工用ボンド
・カッター
・ホッチキス
【デザインによっては必要なもの・代替可能なもの】
・滑り止めシート…………………カーペットの下とかに敷く網目状のやつ。目の部分に使います。100均で買えます。
・厚めの発砲スチロールやスポンジ …………内側に貼り付けて頭のサイズに合わせるのに使います。自分はダイソーの羊毛フェルトキットについてきた厚さ1㎝程度のスポンジマットを使いました。
・ボタンと毛糸 …………………目玉になります。平たくて真ん中に穴が開いているもの(所謂四つ穴、二つ穴ボタン)が良いです。毛糸でくくりつけます。
・裁縫道具…………耳の形状によって、またはファー生地がほつれる場合は縫う必要が出てきます。
・紙粘土………………作りたい顔の形が複雑な場合、紙粘土を盛って成型できます。※今回の手順では使っていません。
【作り方】
①工作用紙を4cm程度の短冊状に切って枠組みをつくります。
最初に頭の顎からつむじの距離に合わせて輪っかを作り、半球を作るイメージで縦横・斜めに工作用紙をくっつけます。
細めの工作用紙も足して更に安定感を出します。
上下左右対称の半球が作りやすいですが、縦長や横長にしたい場合はこの時点で希望に沿った形に作っておくとよいです。
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②鼻など出っ張っている部分に工作用紙を足していきます。
形は後から紙粘土を盛って整えることもできるのでざっくりでOKです。
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③フレームの隙間を張り子で埋めていきます。
ボンドを水で1:2くらいの割合で溶き、2~3cmくらいに千切ったコピー用紙などを浸して、工作用紙の隙間を埋めるように貼っていきます。埋まったら乾かします。(こうして紙をカチカチに固めることを張り子といいます)
強度を出すため、一定方向に並べて貼るよりも、不規則に重ね張りするのがコツです。個人的には2日に分けて一日で1~2層ほど貼って一晩乾かし、翌日にもう1~2層重ね、最終的に3~4層くらいになるように貼っています。そのくらい厚みがあれば後々形を歪めたり切ったりして加工しやすくなります。
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後々ファーを貼るには強度が足りないので、コピー用紙などを使います。
④ある程度貼り終えたら後頭部を作っていきます。
写真のような逆三角を作ると安定します。後頭部全体が覆えていなくてもあとでファー生地を被せるので気にしないでください。こちらも張り子で隙間を埋めていきます。
横顔が綺麗に丸くなるように作ろうとすると、被る人間の頭よりだいぶ大きくなってしまうと思いますが、後から中に発砲スチロールをいれて調節できるので、ここは形重視で作ると良いです。
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⑤目の部分をくりぬきます。
後々ファー生地に覆われるのでざっくりで大丈夫です。実際に被ってみて目の位置を確認しましょう。視界の確保と通気性を考えて広めにくりぬくのがおすすめです。
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⑥形を整えます。
歪ませてクセをつけたり、細かく形を変えたい場所があれば紙粘土を盛ったり、逆に作りすぎた部分を切ったりしながら、好みの形にしていきます。
⑦滑り止めシートを大きめに切り取り、グルーガンで目の穴に貼り付けます。
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次の画像から顎なしになりますが気にしないでください。
⑧工作用紙とファー生地で耳を作ります。
耳の形に切った工作用紙に生地を貼り付けます。張り子に切れ込みを入れて工作用紙を刺し、上から生地を貼ると安定します。
少しリッチにしたい方や、垂れ耳にしたい方は縫って作っても良いです。
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⑨グルーガンでファーを貼り付けていきます。
数パーツに分けてファー生地を切り、張り子を埋めていきます。ざっくり大き目に切った生地を貼りつけてから余分な部分を切りとっていくと作りやすいと思います。
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ガンガン貼ってください。
後ろにもファー生地を被せます。頭全体が隠れるように、張り子が無い部分もしっかり生地で覆ってください。生地の切りっぱなしの部分がほつれる場合は縫ったり、内側に折り曲げてグルーガンで貼り付けたりして処理してください。
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⑩目を作ります。
滑り止めシートに毛糸でボタンをくくり付けたり、描いたりして目を作ります。
⑫必要に応じて内側に発砲スチロールを貼り付けて、被り物がきちんと頭に固定されるように調節します。
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⑬完成!!!!!!!
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以上です。
今回は自分の作っている着ぐるみ頭について詳細に記載してみましたが、「会話に支障が出ないように、声の籠りにくさと顎の動かしやすさを重視する」「被ったままでもフライドポテト程度の軽い飲食が出来る」等の条件の元に制作しているため、手順も仕上がりも好みにあわせてアレンジいただくと良いと思います。工夫次第では一切縫わずに作ることも可能なので、思ったより簡単に人間を辞めてぬいぐるみにジョブチェンジすることが出来ますよ。何かの参考になれば幸いです。
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