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ペットロス

あの日から1年経ってしまった。
しっかり目にペットロスなのだ。
私は今も思い出の中に住んでいる。

新たにお迎えすれば、その子が1番になる事も分かっているけど、それを受け入れたくない気持ちもある。

あの子の、お日様と砂埃のMIX香が今も鮮明に思い出せるし、壁の汚れを今も消せなくて少しの間、見つめてしまう時もある。

旦那が「もっとかまってあげればよかった」と言う。
後からそんな事を言ってもなんの意味も無い。

ジリジリと太陽が昇る暑い朝も
吐く息が白い寒い冬も
お散歩途中で急に歩かなくなっても
話しかけながら朝、昼、晩と散歩した。

ドッグフードを食べ渋る時は、一粒一粒口に運んだ。
暫くすると波に乗ってモグモグよく食べてくれた。
要は甘えていたのだ。

見た目は犬。心はキング。やる事は子供だった彼は
私にとって唯一無二のわんこ。

ガウガウとボヤかれてもかわいいし
爆音のいびきは癒しだったし
シャンプー後に濡れた体を私のバッグで拭いていても気にならない。

かくれんぼの時には、途中で飽きた彼に放置されても楽しかった。
散歩時に付いて来な的態度も面白かった。

息子が修学旅行で帰ってこなかった夜は
彼に「◯◯君はどこ?」と聞くと
それまでおやつのおねだりをしていた彼は、表情はそのままで「そういえば◯◯君見てない」と記憶を辿っている様子を見せ
ダッシュで私の所に来た。

私が「◯◯君どこ行ったんだろうね?」
と言うと
彼はまた考え込みダッシュで玄関に向かい20秒ほどで戻って来て
「おらん!」と言いに来て、すぐおやつのおねだりに戻った。

私はちょっと偉そうで、端正とは反対側の見た目の彼が何処を切り取っても可愛くて大好き。

お口のタルタルびよーんってしたい!





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物語人 / 星乃 琉香
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