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駄々漏れ!
私は50代後半のサラリーマンである。
工場で機械操作を行っているが、特筆すべき出来事が有ったので記述したい。
同僚のNさん
同僚のNさんは20代の女性である。
真面目に仕事に取組み、上長へ対しても物怖じせず、なおかつ煙たがれる事もない愛されキャラの社員である。
洗浄機の液交換
日々の仕事の中で、機械部品を自動で洗う洗浄機があり、定期的に洗浄液を交換する必要がある。
洗浄機とは言ってもワンルームマンション位の大きさが有る為、この仕事は保護具が必要な他、ドラム缶の移送等、器具は有ってもそれなりに体力が必要である。
その仕事をNさんは自ら志願し、数度のOJTを経て独り立ちして本日2度目の実施を迎えた。
事前状況
しかし幾ら勝気なNさんでも、肝心なところでちょっとだけ身長が足りなかったり(失礼!<m(__)m>)、力の要る作業で四苦八苦している。
(こうした点が多様性を阻んでいる様な気もする!?)
その度に私達のいずれかが呼ばれ、私も二つ返事で対応していた。
そして、その時が訪れた。
事故発生!
仕事自体は終盤に差し掛かり、普通の身長では届き難く位置でジョイントを外す作業になり、Nさんは悪戦苦闘の末、他の人を呼んだが外れず、私を呼んだ。
私は身長だけは無駄にあり、楽に手が届く事を見越していたのだと思う。
Nさんと他の数名が見守る中、私は颯爽と手を伸ばし、ジョイント部を外しにかかった。
しかし、外れない・・・渾身の力を込めたが外れないのである。
「あれ?おかしいな」と言いつつ焦る私。
工場内は様々な機械の音が錯綜しているが、稀に一瞬だけ音の途切れる時間がある。
丁度、その時、Nさんのボソッとした声が聞こえた。
「ジジィでも無理か」
駄々洩れ!
「力になれず、すみませ~ん!」と返す私。
Nさんは赤面して平謝りしてきたが、彼女の言動が独特なのは皆周知の事実、サッパリしているから私を含め誰も咎めたりはしない。
それどころか、洗浄機の裏から社長が「トミヤさんも歳だねぇ」と笑って出てきた:;(∩´﹏`∩);:
小柄な社長を前に更に小さくなるNさん。
皆黙ってしまったので、私が口をひらく。
「Nさん、洗浄液は漏らさなかったけど、
心の声は駄々漏れですねぇ♡」
皆笑っていた。
我ながら上手い事言ったと思う。
「今日は帰宅したら、忘れる前にnoteに投稿しよう」と思った。
しかし、話はこれで終わらなかった。
社長の秘密
社長は先代社長のご子息で、私と同世代である事もあり、普通に立ち話出来る間柄であるが、現場を見回る事は有っても、洗浄機の裏から出きたのが不思議であった。
しかし、ほどなくしてその謎は解けた。
Nさんの手伝いをして、一緒に洗浄液を交換していたのである。
Nさん「社長!そっち抑えて下さい!」
社長「ハイ!」
他の同僚達は「Nさんって無双だなぁ!」と引いている。
その後、洗浄液交換の道具を載せた台車を押して社長とすれ違った。
社長「俺もオッサンて言われちゃった。」
私「さん付けなだけ良いじゃないですか!私は付いてませんもの。」
社長「ジジイだもんな(*^▽^*)、お互い頑張ろうな!」
社長の愚痴は私にこぼして下さいな。