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乗り越えられない試練は無い!と思います。

 こんばんは!
 これから記述するのは、知人の体験談です。

 その人は普通に結婚して、男の子と、数年して女の子を授かりました。

 しかし、小学校に元気に通っていた男の子は次第に左足の付け根が傷んで走れないと訴えてきました。

そこで、かかりつけの病院で診察を受けるも「成長痛か、筋肉痛では?」と様子見してたそうです。
それでも気になり、近隣に新しく出来た病院で診察を受けると、歩き方から「ある病気」に似ていると判断されて、紹介された病院で精密検査を受けたところ、大腿骨(太ももの骨)の骨頭が壊死する病気だと分かりました。

後で知った事ですが、発症例が少ない為、知識として知っている医師はいても、実際にその患者に接した医師は少ないそうで、後者の医師は実際に接した事が有ったから見抜けたそうです。
(後に似た病気を千原ジュニアさんが発症したので有名になった感はありますが)

 その後、男の子の親であるその人は、治療方法を聞いて悩んだそうです。
治療方法が無い訳では無く、2つの選択肢が有ったからです。

 1つ目は、足に「装具」を付けて固定し、車椅子に乗って治癒させる方法で、これは自宅から25km離れた県内のこども病院で出来るのですが、治療期間が数年かかる為、その期間は病院の障害児入所施設に入れなければなりません。
つまり、その施設に入るという事は、今の小学校から、その施設の特別支援学校へ転校し、上手く治癒出来ても、戻ってくる時には中学生になってしまうのです。

 2つ目は、大腿骨を切断し、関節内の骨頭の壊死した部分に負荷がかからない様角度を変えて、骨を繋ぎ直す方法です。
これは自宅から340km離れた他県のこども病院まで行かないと手術出来ないのですが、入院期間は3カ月程で済むのです。
もちろん、手術前後に検査したり、手術後はしばらくの間は専用の装具と松葉杖を使っての生活や、骨を繋いだ際に入れたチタン製の板やネジを抜く際にも数日の入院が必要で、結果として通院が必要無くなるのは男の子が高校生になった頃になります。

(ちなみに、千原ジュニアさんの様に成人の場合は人工関節を入れるそうですが、発育中のこどもの場合は人工関節は使えないらしいです)

 知人は夫婦で悩み、後者の「骨切り術」を選択したそうで、
「何故、こんな試練に見舞われるの?」という気持ちから、
「乗り越えられない試練は無い!きっと、意味があるはずだ!」

気持ちを変えられたと言います。


 その後、男の子は地元の小学校から340km離れた病院の特別支援学校へ転校し、3か月後に再度地元の小学校へ戻って来るという、地元の自治体では初めての「出戻り」を行い、先生方や友達にも恵まれて無事に卒業し、中学校では運動部の部長を務める程に回復し、高校生の時に板とボルトを摘出、ボルトの穴も無事埋まったところでそちらの病院からは卒業が認められ、大学生になったそうです。

 「今、その子は大学で何を勉強しているの?」
 看護科に通っているそうで、看護師資格取得の為、頑張っているそうです。
何でも、こども病院で看護師の仕事を知り、特に面倒を見て貰った男性看護師に憧れて志したとの事です。

 白髪が目立つようになった知人はしたり顔で言います。
「ねっ!意味が有ったでしょ!?」


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