心臓:心エコー
今回は1,2年目の先生みんな嫌いなんじゃないかなと個人的に思っている心エコーについてです。項目は多いし、レポートは全部英語なのも相まってとっつきにくいですよね。実は歯科麻酔認定試験で心エコーに関連する問題はまだ3問しか出ておらず、簡単な問題しか出題されていません。
過去問の解説はそんなに必要ないかなと思いますが、今回は解説とそれに関連してその他の項目について簡単に触れていこうかなと思います。
認定医試験は大丈夫でも、日々の業務で使えないと本末転倒ですからしっかり勉強していきましょう。
🦷過去問
44回31番:駆出率の定義はどれか。1つ選べ。
a 心拍出量÷収縮末期容積×100
b 1回拍出量÷収縮末期容積×100
c 末梢血管抵抗÷収縮末期容積×100
d (拡張末期容積-収縮末期容積)÷拡張末期容積×100
e (収縮末期容積-拡張末期容積)÷収縮末期容積×100
46回16番:左室駆出率(EF)を求める式で正しいのははどれか。1つ選べ。
a EF={(LVEDV-LVESV)/LVESV}×100
b EF={(LVEDV-LVESV)/LVEDV}×100
c EF={LVESV/(LVEDV-LVESV)}×100
d EF={LVDSV/(LVEDV-LVESV)}×100
e EF={(LVEDV+LVESV)/(LVEDV-LVESV)}×100
44回47番:心エコー検査で左室収縮能の指標となるのはどれか。1つ選べ。
a 左室駆出率
b 左室容積係数
c 三尖弁逆流速度
d 左室流出路圧較差
e 左室流入血流速波形
答えは、44-31:d 46-16:b 44-47:a
解けましたか?認定医試験では上記の通り、駆出率についてしかまだ問われたことがありません。これから出題されるとしたら、EF以外の計算で求めることのできる項目の式を問われるorEFの分子をSVに変換した式を問われるorEF以外の収縮能の指標となる項目が問われるなのかなと過去問だけをみると思います。あとは日々の臨床でよく評価する項目(E/e'等)も怪しいのかなと思います。
🦷解説
まず、計算で求めることのできる主な項目を見ていきましょう。(歯科麻酔学の教科書に載っているものです。)
SV=LVEDV-LVESV
CO=SV×HR
EF={(LVEDV-LVESV)/LVEDV}×100
%FS=(LVDd-LVDs)×100/1LVDd
SV : Stroke Volume:一回拍出量
LVEDV : Left Venticular End-Diastolic Volume:左室拡張終期容量
LVESV : Left Venticular End-Systolic Volume:左室収縮終期容量
CO : Cardiac Output:心拍出量
HR : Heart Rate:心拍数
EF : Ejection Fraction:左室駆出率
%FS : % Fractional Shortening:左室内径短縮率
LVDd : Left Ventiricular end-Diastolic Diameter:左室拡張終期径
LVDs:Left Ventiricular end-systolic Diameter:左室収縮終期径
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?