【小説】それゆけ!山川製作所 (#7 財前の独り言)
どうも皆様こんにちは。
株式会社山川製作所、代表取締役社長の財前でございます。
2人目は独自のスマート道を突き詰めている須藤くんでした。
まず初めに言っておきたいのは、彼は本当に仕事のできる男だということなんですねぇ。
本人も触れていましたが、同期組の中で一番最初に昇進したのは彼でした。
我社の規模になると、各期ともに約1000名の社員がいます。
その中でのトップ昇進と聞けば、どれだけ彼が仕事ができるのかわかってもらえますかねぇ?
実はね。
浜川さんのお話よりも須藤くんのお話の方が、先に書き上がっていたんですよ。
私も黒川も彼のような人物は大好物ですからねぇ。
よく彼について話す機会が多かった分、材料もたくさん持っていたというわけなんですねぇ。
しかし、私は須藤くんのお話を最初に紹介することはしなかった。
だって彼。
主人公にするには尖りすぎてませんか?
いやぁ、主役は社員1人1人であると最初に言っていた手前、こんなことは言いたくなかったんですがねぇ。
ほら。最初に紹介した人物ってどうしても主要な人物に見えるじゃないですか。
彼では飛び道具すぎると考えたわけなんですねぇ。
ははは、まぁ内情の話はこの辺りにして。
私ね、彼を昇進させたいって話が部署から上がってきた時、「やっぱりなぁ」って思ったんですねぇ。
彼、似ていると思うんですよ。田中課長に。
注目すべきが「真面目」か「スマート」かという違いはあるものの、自分の中でブレない芯を持っている点は、2人共同じことが言えるんですねぇ。
己に確固たる基準があるせいで、時には奇人に見えてしまう。
そんなところがそっくりなんですねぇ。
スマートの為ならばどんな苦労も苦労とは思っていない。
細身のシャツやパンツを身につけることがスマートであれば、忙しい社会人生活の中でもストイックに体を鍛え続けられる。仕事ができる人間がスマートであるならば、何よりも仕事に注力をする。
重要なのは、彼は自分に嘘をつくことなく、心の底からそうでありたいと行動している点なんですねぇ。
強いですよ。こういった人間は。
こういった部分も含めて私も黒川も彼のファンになってしまったわけなんですねぇ。ええ。
彼の今後が楽しみでなりません。
彼について書きたいことはまだまだたくさんありますが、まだまだ注目している社員が他にもいることですし、今日のところはこの辺にしておきましょうかねぇ。
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