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脳波と幸福度の関係──「今ここ」に生きるために
私たちは日々、思考し、計画し、未来を考えながら生きています。しかし、子どもたちを見ていると、彼らは「今ここ」に全力で生きていることに気づかされます。目の前のことに夢中になり、喜びや驚きを素直に表現する姿には、生命の輝きが満ちています。
この違いは、脳波の状態と深く関係しているのではないでしょうか。
子どもの脳波と「今ここ」
幼児から小学生くらいの子どもの脳波は、シータ波(θ波:4~8Hz) が優勢です。特に6歳くらいまでは脳全体でシータ波の活動が活発であり、この波は創造性や想像力、直感的な思考と強く関連しています。そのため、子どもたちは空想や遊びを好み、未知のものに対しても柔軟に適応し、楽しむことができます。
また、シータ波は瞑想状態や深いリラックス時にも見られる脳波であり、心と体の調和が取れている状態を示します。これらの脳波が幼少期の幸福度に影響を与えているのではないかと考えています。
大人の脳波と現実思考
大人になるにつれ、脳波の活動は変化していきます。論理的思考や計画性を司るベータ波(β波:14~30Hz) が活発になり、シータ波の割合は減少していきます。
この変化により、私たちは社会生活を営むうえで必要な能力を身につけていきますが、その一方で、直感的・創造的な思考や「今ここ」を生きる感覚が薄れてしまうことがあります。私たちは、過去の経験をもとに未来を予測し、リスクを回避することに意識を向けがちです。しかし、そのことがストレスや不安を生む要因にもなっているのではないでしょうか。
この脳波の違いこそが、幸福度に影響を与えているのではないかと考えています。
「今ここ」にアクセスする方法
もし、大人でも子どものように「今ここ」に生き、宇宙意識(大いなる流れ)と繋がることができるとしたら、どのような方法があるでしょうか。そのヒントとして、以下のような状態が挙げられます。
1. 自分を俯瞰している状態
• 思考に囚われず、客観的に自分を見つめる。
• 瞑想やマインドフルネスを実践する。
2. 目の前のことに集中している状態
• 好きなことに没頭する(音楽、絵画、スポーツなど)。
• 余計な考えを手放し、「今」に意識を向ける。
3. 大いなる存在に預け、安心感を得ている状態
• 宇宙の根源的な法則に委ねる
これらの状態を意識的に作り出すことで、子どもが持つ「今ここ」にいる感覚を取り戻し、直感力や創造性を活かすことができるのではないでしょうか。
脳波と幸福度の相関を科学的に探る
現在、脳波測定技術の発展により、リアルタイムで脳波の状態を観測することが可能になっています。もし、幸福度と脳波の相関関係を数値化し、客観的なデータとして示すことができれば、これまで感覚でしか語られてこなかった「今ここ」に生きることの大切さが、科学的な事実として広まっていくかもしれません。
この研究が進めば、「幸福とは何か」「本当の充実感とは何か」を考える新たな視点が生まれ、より多くの人が豊かで満ち足りた人生を送る手助けになるのではないかと考えています。
これからの時代、私たち一人ひとりが「今ここ」に生きる方法を見つけ、意識的に実践していくことが、個人の幸福だけでなく、社会全体の幸福にも繋がっていくのではないでしょうか。
このテーマについて、今後も探究し、発信していきたいと思います。